京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2014-01-26 09:58:32 | 日記

一月26日日曜日。北山しぐれの朝です。
北風にむかって自転車をこぐ、ハーハーと白い息を自慢しながら工房にたどり着きました。
今週はショパールウイークになりました。
写真のようなリューズが見えない特殊なムーブメント。最後に裏ブタを閉めるときに親指の力が必要。
チェリストのロストロボービッチ氏は左指で角砂糖を潰せる得意技で有名でした。チェロの太い絃を押さえ込む力が強いほどクリアーな音が出る。
演奏会は2時間ほどの時間なので最後の方は卵も割れないほどヘロヘロになるのが普通。
チェリストと同じように時計師も指の力が必要。
最近、角砂糖を探すのが難しいので故ロストロボービッチさんとの角砂糖壊しの力比べは天国への勝負になりました。天国に角砂糖はあるのかいな?

「緊張の京都時間」
ショパールのハッピーダイアモンドの修理。
必要な工具はオープナー、ピンセット、探り棒、0,5ミリのドライバー、指サック、度胸、失敗した時に謝る勇気だけなので簡単なのだ。
時計を預かる前にガラスをチェックします。少しでもヒビや傷がついているとガラスが割れるのでお断りします。ガラス1枚割ると2万円飛ぶ。昨年経験済みです。

技能士1級の技術レベルの難しい電池交換。これが終わってもさらに最後の難関に地獄のふたを閉め作業が待っている。
キャリバーを正確な位置におき、裏ブタを閉める、力加減を誤るとガラスを割る。
微妙な力加減で閉めるので工具は使えない。
この作業が終わる頃には利き手の親指はしばらく使えない。

指を骨折する事故もおきるのでショパールの修理は断るお店が多い。修理を断られても怒らないようにしましょう!
「あんたのお店で買ったのになんでできひんのや~!メーカー送ったら6万円取られるやんか!」などのクレームで工房にやってくる同業者さんはこめつきバッタのようにペコペコ状態でやってくる。
一般のお客さんは難易度が解らないのか平気で「電池交換してください!」と差し出してきます。
「これ電池交換できる?」と来る人には「出来ません!」と簡単に答える。修理危険度レベルがわからないのでガラス割ると大騒ぎになる。

「被害者意識」も最近すごいものがある。
「先日電池交換した時計がもう止まった!」
カンカンだ。裏ブタを開けると2年前2012年の電池交換した日付けが書かれていました。
「ロレックスの分解掃除で3万円も取られた!使ってみたら1週間で1分も進む、以前はこんなことはなかった!」
お客様の知識不足にがっくりとなることが多い。

また、昨年は先輩の時計師が次第にピンセットを置く情報が入る。
昔の時計師さんは店の奥でふんぞりかえっているだけでよかった。
説明など求めるお客を叱り飛ばしていればよかった時代の人たちは現状に対応できないのもリタイヤが増えた要因でしょう。

時計メーカーから販売部門へ出向した時に一番感じたのは社員の被害者意識です。
「こんなに安い給与で日曜日まで出勤させられる私たちは被害者だ!」
「それやったらもっと給料のいいところを探したら?」とあきれた。
利益率も低く商品回転率も最低クラス4回転の時計業界に入ってくることがそもそも本人の選択能力の欠如。本人の人生設計のミスなのです。

「バイヤーのおかげで一日40本ほどの修理経験をさせてもらえる、失敗してガラスを割っても会社負担で補填してくれる。こんないいところを見つけただけでもラッキーですよ!」と言ってくれた社員もいました。
若い時計職人を育てるために失敗を恐れない環境つくりが必要です。

それでも19店舗の修理部門を管理している中でサッサとあきらめて本部へ送りつけるお店が多い。
自店で修理をやろうとする店とは利益率も客数にも差がはっきりと出てくるのです。
対策として「被害者意識」を取り除く事を優先順位のトップクラスに持ってくる。

「あんた!大卒やからすぐに偉くなってええな!」
ショパール、カルティエなどの電池交換、タグホイヤーのサイズ調整まで本部に押し付けてくる技術者は被害者意識のかたまりです。指導で入店したとたんこんな挨拶から始まる。
このパターンでは時間をいただいて居酒屋などへ誘って本人を持ち上げる事だ。人格を否定しないで根源を突き止めることです。
要介護者がいるなど家庭環境が厳しかったりするので歩合制に切り替えたりと対策を立てます。
「上司は部下を選べない!部下も上司を選べない!」時計業界の鉄則。
一人のベテランを育てるまで2000万円ほど経費をかけるので簡単に辞めてもらったら会社が困るのです。
皆さんの近所の時計屋さんも長い時間をかけて立派に出来ている。お店は大切な街の文化財だと思って優しく残してもらうとありがたいと想います。




















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時計師の京都時間。

2014-01-25 09:15:07 | 日記

水沢腹堅(すいたくふくけん)厳しい寒さで沢の水が凍る朝。
季節は厳しい冬。
「冬の京都時間」
「夏の暑さよりまだまし、冬がすごしやすいよね~!」
明日からさらに寒くなるらしい。エルメスカラーのオレンジが暖かく感じます。

もうすぐ節分吉田神社「おにやろ~!」の掛け声がまちどうしい。節分の日に食べる「塩いわし」日本酒は熱燗が合います。これもまちどうしい!
お酒が入ると時計も楽器も事故が怖いので触れないのでまちどうしい。

サラリーマン時代に朝からお酒を飲む同僚がいました。
「今日は仕事はお休み!」のアピールだ。緊急事態で呼び出されてもお酒を飲んでいますと行って断る事が出来る。朝からヨッパライが出来上がっていて、日ごろは飲まないお酒を飲むので暴れるのが迷惑でした。
ストレスが厳しいのが時計の仕事なのです。

毎日、仕事が落ち着くとチェロの練習を始める。そのまま興奮状態で自宅に帰ることはありません。
何かの都合で直帰すると家族が迷惑します。
緊張した一日を送る為にミスが許されない。どのような壊れ方をした時計が来るか解らないのも不安なのです。
「今日はエルメスとブルガリと~、後は水が入ったセイコーとほかにベルトの修理やら~大変だったよ~」私に捕まった嫁さんは仕事の話を延々と続けられてしまう。とにかく誰かと会話をしたいのですがオヤジのh仕事などに興味のない家族は迷惑な話です。

一般のサラリーマンなら仕事が終わると飲みに出かけてストレスを発散するところが時計師の仕事は孤独。
一人ですべての責任を負うので苦労を分かち合える会話はない。愚痴ると次の日から仕事が回ってこなくなる競争社会だ。「あの人仕事が辛いらしいよ!」と噂だけでもアウト!環境が音楽の世界に似ている。出番が回ってこなくなるのです。

ライバルばかり同僚と連れ立って飲みに繰り出す事はあまりない。一度くらい上司の悪口を肴に飲んでみたかったと思う。

上手なクールダウンの方法も時計師の仕事では大切なスキルの一つ。酒に走ると簡単にアルコール中毒に行き着く。ギャンブルに走ると破産が待っています。腕のいい人ほど危険が待ち構えている。仕事の結果が気になって眠れなくなる事など日常茶飯事です。

無事にここまでやってこれたのはチェロのおかげ?夕方になると騒音が響いて工房前の歩行者の皆さんに迷惑をおかけしていますがご理解ください。
ところでお気に入りの指揮者のクラウディオ・アバド氏がお亡くなりになりました。
キャチアップ・ターゲットの一人でした。彼のように生きてみようと思う人が次第に少なくなってきた。

節分まえに今日も寂しい旅、トボトボと歩いているヘナチョコ時計師。
カザルスが砂浜を一人で歩いている写真を眺めながら「人間死ぬ時は一人やな~」
死ぬまでに一本でも多く時計を治したいものです。
昨日、アバドの追悼番組を聴きながら冬の季節を生きているのだと再確認しました。




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時計師の京都時間。

2014-01-24 09:31:44 | 日記

今日は1月24日 
明日土曜日は北野天満宮の「お初天神」周辺でイベントが予定されています。
最近外人さんが目立つが目指すのは古着。シルクが人気だ!ナイトガウンに最適と言うように勝手に着こなしていくそうです。
また、露店のおねーさんたちの英会話力には驚きます。こんなところでグローバル社会の実情がわかる。

「好み」の京都時間。
「利休好みの○○」は茶道の世界。「利休好みの時計」があったらいいね!
時計の雑誌には有名人がつけている時計が載る。

「好きな時計を教えてください!」私にも良く質問をされる。好きな順番では
セイコー、シチズン、オリエント、リコー・エレメクス(旧高野)、カシオ、パティック・フィリップ、オーディマ・ピゲ、バセロン・C、カルティエ、オメガ、ゼニス、ロンジン、ロレックス、ブランパン、ジャガールクルト、ジラール・ペルゴ、ブライトリング、タグ・ホイヤー、エルメス、ブルガリ、グッチ、シャネル、フランクミューラー,キュウ・タイュ、写真のショパールなどぞろぞろと出てくるので質問してくる相手は聞き飽きてしまいます。

時計師に好みを聞いてはいけない!時間がかかりすぎるのです。
また、本体より中身を重視するので参考にならないでしょう。
上記に挙げた時計の修理は何度も体験してきた。何度も泣かされているので記憶に残っているのです。

特にショパールには時間で泣かされます。見積もり時間を大幅に超えることがある。「こんなクオーツ時計ごときに時間を喰ってしまった!」屈辱感が身に染みます。
修理が終わった後には毎回美しい時計に惚れ惚れと見とれる。苦労しただけに喜びも大きい?

バイヤー時代に儲けさせてもらったのがカシオとロレックス。仕入れが追いつかないほど爆発的に売れました。この2社には足を向けて眠れないほどお世話になりました。
この2社がなかったら勤めていた会社はもっと早く倒産していたでしょう。

一番儲からないのがブライトリング。このメーカーは多品種少量生産で国際同一価格を守っています。価格訴求が出来ないメーカーです。
時計が見た目の頑丈さから乱暴に使いまわされるのも特徴。
スイス送り修理ばかりの重症になるので修理期間が長くユーザーから理不尽に怒られることが多い。
「壊したのはお客だ!」クレームに懲りて販売する時にしつこく念を押しハラハラして見送る。「3年くらい戻ってこんといてな~?」

ガラスを割った回数ではシャネルが一番。割りなれている?とにかくプルミエールシリーズは人気でしたので電池交換のときガラスをよく割りました。心臓に悪い時計だ。

オメガのスピードマスター、ゼニス・プリメロでクロノグラフを学習した。2台ともまだ元気に動いています。時折繰り返してほどく。

ブランパンとユニバーサルの修理では徹夜を体験!何度やっても気に入らない精度しか出せない。薄いキャリバーにチャレンジ後に網膜剥離の手術が待っていました。

カルティエ、ブルガリなどのデザインを何度も習作として勉強の為に描いた。眼を閉じても細部までかけそうなほど繰り返しました。
時計デザイナーのジェラルド・ジェンタじいさんは天才だと思う。

タグ・ホイヤーの秒針の運針クレームも飽きるほどやってきた。「秒針が60個のインデックスの上にきちんと止まらないで動く!不良品だ。」日本人マーケットの厳しさを思い知らされた。

ここに書けないほど一つ一つの時計に大切な思い出と尊敬の想いがあります。
「時計師に好みの時計を聞いてはいけません!」すべて!と答える。

今週はカルティエの生きのいいのがたくさん工房にやってきて嬉しい週末になりました。









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時計師の京都時間。

2014-01-23 09:48:28 | 日記

1月23日木曜日。昨日はカレーの日でした。お昼はカレー・パスタ、夜は野菜カレーと一日カレー三昧。しばらくカレーは食べないでいい。

工房の近所に酒の「リカマン」を発見!昨年10月にオープンしたそうです。何度も前を通っていたが見過ごしていました。
早速テーブルワインを買って帰る。
残念ながらエビスビール黒の品揃えがない!お店の人と慣れてきたらお願いする事にしましょう。

「なんちゃって」京都時間。
NHKニュース・ウエブで「フェイク・ブレスレット」の問題が取り上げられていました。
「ユニオン・デ・ファブリカン」の人がなんともトンチンカンな発言をしていました。この社団法人はフランス発祥。コピー品の排除を真面目にやっている団体です。
ところが昨日の発言を聞いてみたらなんとなくあやしい。
「ニセモノ輸入業者」の摘発問題から「並行輸入業者」潰しに途中から替わってきたようです。正規代理店団体からの差し金か~?

コピー品の被害拡大の根源は「法整備」の不備と「輸入管理業務」関連の人材不足の二つだ。
ヨーロッパではコピー品を所有しているだけでも犯罪。まして取扱う業者は重罪なのです。
現地で日本人がつかまった場合、余罪を追及されて保釈金を払わないと出国できない。おまわりさんはコピー品大好き日本人を見つけると初めに手元を見ているのです。
「駐車違反」と「ニセモノ」には気をつけましょう!

日本の「入国審査」ではコピー品はフリーパス。つけているのを見つけても逮捕できないのが現状らしい。
コピー品の修理を断られて「簡単に入国できたよ~ん!」と捨てセリフをはいてかえって行く人がいた。くやしいね~!

「食品」「ブレスレット」と百貨店,専門店の偽装が続きます。
もちろん現在の百貨店はテナントリーシング業。小売業の不動産屋だ。おかしな店子が入り込むことも当然ある。売上計上不正など当たり前です。

今後、中小百貨店では「ヨドバシ」「ビックカメラ」よりも偽装が増える可能性が高い。
ちなみにヨドバシカメラなど大手との取引開始の条件は厳しい。
納入品がコピー商品だった場合、億単位の賠償金を払う契約になっています。
それ相当の資本金を用意できない会社は取引できないシステムなのです。
いまでは一番安心なのは大規模量販店でしょう。

「並行輸入品」を扱うお店は悪。「百貨店」は善!と一昔前のおじいさんのような人が出てきた報道に驚きました。

「托卵」の問題が海外でにぎやかです。「お前のところは大丈夫かいな?」
単身赴任が長い海外組や人事異動が激しい金融、流通業の人たちはひそひそと伝わる恐怖の話題だ。ノロウイルスよりも恐怖と不安な時間が続く。
ガソリンとDNA鑑定料金が高騰する時代です。

カッコウがよその巣に卵を産みつける。それを知らず暖め続けるとカッコウの卵が先に孵化、他の卵を蹴り落として自分だけが餌をもらう。人間の世界でも同じような事が起きた!
企業は労働者を随意に移動させてきた付けのような話です。
東京電力は中高年の管理職を500人ばかり福島へ移動させると発表したばかりだ。

「不倫」先で生まれた子供にお父ちゃん!と呼ばせる母親。モラルハザード社会もここまで来たか!
「赴任先」の中国で一人カップラーメンをすすっているオヤジたちが悲しい。
「不義密通は獄門ハリツケ!」の刑が安倍政権で復活するかも?
まもなく旧正月。中国の旧正月休みで帰国ラッシュが始まる。

社会問題が雪だるま式に増えて来る日本。戻ってきた時くらい暖かい平和な「なんちゃって家庭」を偽装してほしいものです。
ちょっとの辛抱だ!オヤジが帰るまで我慢しましょう。







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時計師の京都時間

2014-01-21 09:37:16 | 日記

1月21日「お初弘法」開催日!
昨夜からの雨も上って絶好の「市日和」になりました。

「弘法さんが晴れたら天神さんは雨」お天気の移り変わりが激しい京都。
昨日20日は「ホネ大根」の日。ブリのアラと大根のたいたんを食べる。
ブリと大根を別に炊くのがコツ!また大根と昆布をあわせると生臭くなるので気をつける。学生時代のアルバイトで得た知識がこんな時に役に立つ!さすが京都ならではのアルバイト!

「追試」の仕事で忙しい仲間修理の時計が回ってくる季節。
「ホネ」が折れる京都時間のお話。

そんな中に一般のお客様も混ざって来る。
「バイクでコケタ!時計は大丈夫?」
「旅行で買った時計はコピー?」
「19992年物のセイコーダイバーウオッチ。時計を踏まれてベルトが壊れた!」
バイクに乗るときには安物時計を着けること!
ひとコケ数万円と時計の修理だけでも高くつく、先ず分解掃除の緊急入院になることが多いのです。

コピー事情は最近ますます複雑化している。先日お客様から教えてもらった通りの時計がやってきた。「日本未発売モデル」詐欺です。

パテックフィリップ「日本未発売モデル」と勧められ喜んで購入。40万円ほどの価格で安く仕上げも見事だがやはり不安が付きまとうので持ち込む。
「お客さん!コピーと言うのか?新しく創作された物ですよ!」
一昔のコピー品はそっくりさんが主流。最近は全く新しいデザインを作って新作とだまして売る。
カルチェなどオーダーメイドの高級品ブランド詐欺では初見の時計が多く私たちでも外見ではわからないので被害に遭っていました。

「どうして一目見ただけで偽物とわかるの?」
「まず、購入価格の40万円はこのメーカーでは修理料金レベル。
1本80万円以下の販売価格は怪しい!それにコピー品の特徴は針にある。ブルースティール針は20回程焼きを繰り替えして作るので深い味わいが出る。
コピーには無理なので高級品ほどあっさりと見破られるのです」

バッグのルイ・ヴィトンと時計のパティック・フィリップは仕切りが高く利益が出ないので大幅値引きをするお店には気をつけましょうね!

時計マニアなら経営にも骨が折れるが事情を知る事だ。
まず「交叉比率」(回転率×利益率)を見ましょう。
国産時計は定価の60%で仕入れ、20%の値引きで20%の利益が残る。輸入時計も同じだが30000万円ほど一括の仕入金額で安く買える。
不人気モデルなど傾斜仕入れの操作は可能です。
人気の時計は競争原理値引きが厳しい、たとえばロレックスの利益率は14~15%と苦しい。

時計の販売店は商品回転率は年4回転と低い、利益率、量販店で20%、時計専門店で30%と薄利な商売です。
一般のアパレル業界では利益率約40%、回転率は年6回転で交差比率240。
経営者が初心者でも成功しやすいのだ。

ファッションビルの館長をやっていたときに業種別のリーシングでは時計店は利益が出ないので追い出す方向で考えていました。非情な世界です。
もちろんキーテナントが時計店の「ウオッチマン」だったことが悲劇。自分が店長をやっている時計フロアーを縮小しながらアパレル業種を増やしてビルの経営を安定化させるのです。
「ウオッチマン」の社員からは裏切り者!とののしられました。
その数年後、別の安い賃貸物件の店舗へ移動します。

M&Aで会社を傘下に入れる場合、120以下の交叉比率の会社では魅力がないのだ。カス、ぼろ会社として見向きもされない。
私がバイヤーをやっていた「ウオッチマン」の交叉比率は100以下でした。親会社の商社からいつ手を切られてもおかしくない経営状況なのです。
当然のように2000年に入って連結決算が導入されるとあっさりと清算されてしまいました。

また、昨年末のクリスマス商戦。
百貨店では「クリスマスケーキ」7000円台のケーキが飛ぶように良く売れていました。ところが路面店のケーキ屋さんはカレンダーの並びも悪かったのか過去最低!と嘆く。円安で材料費の高騰、電気代、燃料費の値上げがさらに苦しい。

時計店も全く同じ状況だったのでしょう。
いまや時計業界は「若者」不在のマーケットとして考えています。
「年収200万円と2000万円の層」どちらかの層を狙うのか簡単にわかるのでターゲットを絞り込んで生き残る時代です。
「アベノミクス」は明らかに2000万円の所得層にアピールする政策を取ります。
「ホネ」がかかるが現実をしっかりと把握して三月商戦に望みましょう。

お客様もしっかりと理論武装の上で「バーゲンセール」に乗りこんでくださいね”!
大切なお金を無駄にしないために時計を買う場合は2~3回足を運びましょう。

明日の工房は午後から開ける予定です!
大切な「ホネがかかる時計」を預かってしまいました。










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