大寒の朝。
暦通り厳しい寒さになりました。
ノルウエー旅行から戻ってきたお客様が一言「京都のほうが寒いね~!」
京都の町屋は夏の暑さに対応するように作られているので冬の生活は厳しいものがあります。
耳には霜焼けが出来た!「冬になったよ~!」
作業中は汗ばむほど緊張するので電気ストーブくらいで暖房設備は特にない。
寒くなると乾燥する京都。チェロの音など楽器の音が大きくなるので「へたくそ」がばれてしまう。
この季節になると毎年のようにチェロ吉の機嫌が悪くなる。ヘタクソ度200%!
ウルフ音というおおかみのうなりのような雑音も出てくる。寒さで指もスムーズに動かない。
C,Dの絃も替え時かな?とお金がかかる季節です。
サンサーンスの「白鳥」を練習の締めに弾くのですが「死にそこなったガチョウのガーガーに聞こえるそうだ。
「ガチョウ」の曲が鳴り終わると近所の皆さんは安心して休める。
「耳毒」な冬の京都時間。
京都の一般的な町屋は来客の設定はない、すべて家族使用目的での設備だ。
このことがよく分かるのがトイレ。これがよそさんとのトラブルが多い。
なんと!扉にカギが付いていないのです。
茶道教室、和楽器教室など京町屋を利用することが多い。
そこでは初釜の寒い季節になると突然悲鳴が聞こえるのが風物詩。
新しく入った生徒さんがいきなりトイレのドアを開けてしまうのだ。
京都人なら子供の頃からなれています。よそではトイレを借りない。また緊急の時には周辺に声をかけてはいる。この気配りでよそさんとの違いがわかるのだ。
「夫婦喧嘩」の声が響き渡る季節がやってきた!
冬の乾燥季になるとへたくそ演奏といっしょに近所に音が路地に漏れる。西陣の通りを歩くとあちこちから聞こえてくる。職住一体の生活なので夫婦喧嘩などトラブルがおきやすい構造なのでしょう。夫婦喧嘩は隠れた京都名物!
ところが京都人の耳は他人の夫婦喧嘩の音は聞こえないように出来ているようだ。
「昨日のお隣はすごかったな!」「へ?なに~聞こえへんかったよ。」
京都人は必要な音以外はカットできる能力があるようだ。
「いらんこといい」は嫌われる。
毒舌家は敬遠されるのが京都。他人の悪口はご法度です。
京都人から好かれるためには「眼福」「耳福」「香福」が貴重な三大要素になる。
今日は大寒。
寒さの中にもちょっとした春の兆しが見つかるとそれを教えるのが京都の人の特徴ですね。
「3代続いたなんちゃって京都人」の私もいつかは京都人!
トレーニングで頑張っているのですよ~。