PARK'S PARK

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『KING CORN』を観た

2010年01月13日 | 映画レビュー
●『KING CONE』を観ました。
これは環境問題、食料問題に大きな提言をしている素晴らしい作品です。



■ストーリーは2名の大学生の素朴な疑問と大胆な行動から始まるドキュメンタリー風で進んでいく。
イアンとカートは大学教授から『人間の体はトウモロコシからできているんだよ』と言われ戸惑う。
二人はアイオワ州で1エーカー(4047㎡)の農地を借りてトウモロコシの栽培を始める。
近代的な農機具の発達、無機肥料、遺伝子組み換え作物のおかげで、初心者の二人でも驚くほど簡単にトウモロコシの栽培はできてしまう。

1エーカーに蒔く種は3万1千粒。
機械化のおかげで作業は18分で終わってしまう。

他の作業と言えば、まず液体アンモニアを5トンタンクで買ってきて土壌に潅注する。
化学肥料のおかげで20年前には1エーカーからの収量は1トンであったが、現在では5トンも収穫できる。

モロコシは遺伝子組み換え操作をしているから、除草剤を散布すれば雑草だけが枯れて、モロコシはすくすくと育っていく。

◆機械化でますます作業量は少なくなり、大規模集約化が加速される。
勝ち組はどんどん土地を購入していく。
負け組みは土地を離れるしかない。

学生はさらに問題点に気がつく。
モロコシは酵素処理されてコーンシロップなどに加工される。
炭酸飲料のカロリーの70%はコーン由来。

かつては牧草を食べていた牛はコーンなどの濃厚飼料を食べるので、半年で出荷できる。
しかし、すべての牛は胃酸過多で胃潰瘍になっている。
えさと一緒に抗生物質を投与する。

★マクドナルドでの食事が典型的で、モロコシで育った牛、豚、鶏を食べ、モロコシを加工した糖類の入った炭酸飲料を飲み、コーン油で揚げたフライドポテトを食べる。
アイオワ州の農家は皆、赤字経営を余儀なくされ、アメリカ政府からの莫大な補助金無しでは経営が成り立たない。
食料生産の偏り、赤字でありながら生産を続けるアメリカの保護主義政策。

この作品は本当にたくさんの問題を提示しながら、お説教じみたり、大上段から投げかけていないのが好感が持てる。

大学生も結論が出ないまま、エンディングを向かえる。
非常に地味な作品ですが、多くの人に観ていただきたい。

私の嫌いな『不都合な真実』などとは比較できないほど素晴らしい作品です。

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2 コメント

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あ~そうだった (GS)
2010-01-14 01:04:09
これ、見たかったんですよねぇ~。

こういったアプローチは好きだなぁ、NHKスペシャルとかでやって欲しいなぁ
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これはお薦めです! (SUNNY(管理人))
2010-01-14 12:02:04
少し地味で眠くなったけど、これはいい作品です。
本当にNHKで流すべき内容です。
『不都合な真実』なんかの特集はやるのにね~
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