1日1話・話題の燃料

これを読めば今日の話題は準備OK。
著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

11月16日・来生たかおの光

2019-11-16 | 音楽
11月16日は、名作マンガ『伊賀野カバ丸』を描いた亜月裕(あづきゆう)が生まれた日(1951年)だが、シンガーソングライター、来生たかおの誕生日でもある。

来生たかおは、1950年、東京で生まれた。本名は来生孝夫。
シャイな子どもだったというたかおは、十代の後半から、2歳年上の姉の書いたことばに、ギターでメロディーを付け、作曲していた。
学生だった20歳のときに、近所のピアノ教室に通いだし、子どもの生徒に混じってピアノを習った。そして、ピアノ、ギター、ベースのトリオのバンドを組み、音楽喫茶で演奏するようになり、そんななかで井上陽水と出会い、いっしょにライブに出るようになった。
来生が23歳のころ、井上陽水は「夢の中へ」が大ヒットし、たちまちフォークソングのスターへとのし上がっていった。
アルバイトをして生活していた来生は、井上の紹介で、音楽ディレクターと知り合い、井上のレコーディングにピアノで参加した。来生は音楽ディレクターに自分の作ったデモテープを渡したが、なかなか彼の曲は採用されなかった。
ほかの歌手のレコーディングを手伝いながらも、デモテープ作りをつづけているうちに、やがてチャンスが巡ってきて、26歳の年に、シングル「浅い夢」でデビューし、同名のアルバムも発売された。しかし、なかなか売れなかった。
27歳の年に、コマーシャルソングのコンペティションに参加。そこで彼の書いた「マイ・ラグジュアリー・ナイト」が採用され、しばたはつみがそれを歌った。
31歳の年に出した「Goodbye Day」がヒット。続けて発表した「夢の途中」、薬師丸ひろ子が歌った映画主題歌「セーラー服と機関銃」が大ヒット。
以後、来生は、姉の来生えつことの作詞作曲コンビで、大橋純子が歌った「シルエット・ロマンス」、中森明菜が歌った「スローモーション」「セカンド・ラブ」などのヒットを放ち、また、ソロアーティストとして来生たかおブームを起こした。

来生たかおのデビューシングル「浅い夢」が大好きで、あの静かな、心にすうっとしみわたるような味わいに酔う。静謐な精神性、それが来生たかおの魅力の核心である。

ずっと以前、ラジオ番組で来生姉弟が話しているのを聞いた記憶によると、おそらく来生たかおが23歳前後だったころのことだろう。知り合いはスターになっていくのに、自分は一向に芽が出ない。彼は気落ちし、千葉かどこかの、住みこみで働くなにかの施設に話をつけ、数日後にはそちらへ行こうと約束してあった。そんなとき、以前もらった音楽プロデューサーの名刺一枚を頼りに、もう一度だけ、その人のところへ行ってみよう、と、訪ねてみた。その名刺一枚のおかげで音楽に道が開けた、と、そういう話だった。
人生、一寸先は光。
(2019年11月16日)


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