一週間後に実施される衆議院選挙について、個人的な意見を書きます。
政府与党が急に解散・総選挙に踏み切った今回の衆院選は、これまでの安倍政権の評価(安倍首相は消費税の使い道を国民に問う選挙と主張)だとか、争点がわからない選挙だとか言われていますが、じつは争点は明瞭です。
すなわち、平和を掲げる現行の日本国憲法を変えたいか否かを問う選挙です。
安倍総裁の自民党がこれまでやってきた総選挙は、いつも、
「安倍政権の使命は景気回復であります」
という大義名分を掲げた選挙でした。
そして、選挙が終わると、安倍政権が急に力を入れて法制化したのは、経済政策でなく、特定秘密保護法、共謀罪法、安保関連法など、国民を管理し、自衛隊の海外派兵を可能にさせようとする、いわば思想統制と軍拡路線の整備でした。選挙後にはまた、
「憲法改正はわが自民党の党是であります」
と、選挙前には聞かなかった公約(?)を連呼しだしました。
財政再建については、行政のむだを徹底的になくすという公約は無視され、税金シロアリの独立行政法人の整理や天下り阻止の方策はなにひとつ実施されませんでした。
経済のテコ入れについては、税金を湯水のようにつぎ込んで、一部投資家や大企業を喜ばせる低金利、株式市場振興策の道をひた走りました。
すると、富裕層にお金をあげれば、そのおこぼれが庶民にもこぼれ落ちるというトリクルダウン理論は蜃気楼と消え、現代の若者たちが将来に背負うべき借金をさらに上積みしただけという結果になりました。
経済状況が回復していないのは、日銀がいまだ低金利政策から脱却できないこと(銀行預金の利息がいっこうに増えないこと)、消費税増税を(安倍政権も経済政策失敗をしぶしぶ認めて)先延ばしにしたことみても明らかです。今回の選挙は、
「もう、わたしには消費税増税はできません。どうぞ、国民が勝手に決めてくれ」
という首相の心の叫びともとれます。
内政がうまくいかなくなった政権が、外敵ありと危機感をあおるのは、万国共通の政治手法です。いざ戦争になったとき、誰が死ぬのかは、政権の知ったところではありません。
極東で有事となれば、北朝鮮、韓国、日本にそれぞれ百万人単位の死者が出、負傷者や難民の数はその数倍です。欧米は直接的な被害はありません。
もしも、日本が世界的に尊敬されているのは、お金持ちの国だからとか、強い国だからとかでなく、世界で唯一、核攻撃された国なのにもかかわらず、もう70年も戦争をしていない平和国家だからと考えるのならば、大切にすべきものは明らかです。
「希望の党」という政治主義を掲げない(新興宗教のような)名前の小池新党は、憲法改定、思想統制法案を掲げる、自民党政権と似たり寄ったりの(ひょっとすると自民党よりさらに右翼的な)、平和憲法を否定する政党です。
個人の思想の自由、表現の自由を侵害する安保関連法案を撤廃し、平和憲法を維持しようとする公約を掲げる政党は、立憲民主党、共産党、社民党の、いわゆる第三勢力のみ。
個人的には、特定秘密保護法、共謀罪法をなくしてもらわないと、遠からず(思想上の理由で)刑務所に入れられるだろうと不安で、今回の選挙結果は自分の将来を決めるものとして目が離せません。
でも、残念ながら、いまの小選挙区制では、与党・自民党が圧倒的に有利です。野党は倍の得票がないと勝てないでしょう。
それにしても、現行憲法を守ろうとするのが本来革新政党であるはずの共産党で、憲法を変え、世の中を変えてしまえと、革命家のように訴えているのが本来保守政党であるはずの自民党とは。世の中、変われば変わるものです。
さて、どの政党を支持するしないにせよ、有権者の方は、投票日にはぜひ投票所へ行き、投票をお願いします。
独裁政権がいちばん歓迎するのは、思い通りに操れる国民、つまり投票しない国民です。
(2017年10月15日)
政府与党が急に解散・総選挙に踏み切った今回の衆院選は、これまでの安倍政権の評価(安倍首相は消費税の使い道を国民に問う選挙と主張)だとか、争点がわからない選挙だとか言われていますが、じつは争点は明瞭です。
すなわち、平和を掲げる現行の日本国憲法を変えたいか否かを問う選挙です。
安倍総裁の自民党がこれまでやってきた総選挙は、いつも、
「安倍政権の使命は景気回復であります」
という大義名分を掲げた選挙でした。
そして、選挙が終わると、安倍政権が急に力を入れて法制化したのは、経済政策でなく、特定秘密保護法、共謀罪法、安保関連法など、国民を管理し、自衛隊の海外派兵を可能にさせようとする、いわば思想統制と軍拡路線の整備でした。選挙後にはまた、
「憲法改正はわが自民党の党是であります」
と、選挙前には聞かなかった公約(?)を連呼しだしました。
財政再建については、行政のむだを徹底的になくすという公約は無視され、税金シロアリの独立行政法人の整理や天下り阻止の方策はなにひとつ実施されませんでした。
経済のテコ入れについては、税金を湯水のようにつぎ込んで、一部投資家や大企業を喜ばせる低金利、株式市場振興策の道をひた走りました。
すると、富裕層にお金をあげれば、そのおこぼれが庶民にもこぼれ落ちるというトリクルダウン理論は蜃気楼と消え、現代の若者たちが将来に背負うべき借金をさらに上積みしただけという結果になりました。
経済状況が回復していないのは、日銀がいまだ低金利政策から脱却できないこと(銀行預金の利息がいっこうに増えないこと)、消費税増税を(安倍政権も経済政策失敗をしぶしぶ認めて)先延ばしにしたことみても明らかです。今回の選挙は、
「もう、わたしには消費税増税はできません。どうぞ、国民が勝手に決めてくれ」
という首相の心の叫びともとれます。
内政がうまくいかなくなった政権が、外敵ありと危機感をあおるのは、万国共通の政治手法です。いざ戦争になったとき、誰が死ぬのかは、政権の知ったところではありません。
極東で有事となれば、北朝鮮、韓国、日本にそれぞれ百万人単位の死者が出、負傷者や難民の数はその数倍です。欧米は直接的な被害はありません。
もしも、日本が世界的に尊敬されているのは、お金持ちの国だからとか、強い国だからとかでなく、世界で唯一、核攻撃された国なのにもかかわらず、もう70年も戦争をしていない平和国家だからと考えるのならば、大切にすべきものは明らかです。
「希望の党」という政治主義を掲げない(新興宗教のような)名前の小池新党は、憲法改定、思想統制法案を掲げる、自民党政権と似たり寄ったりの(ひょっとすると自民党よりさらに右翼的な)、平和憲法を否定する政党です。
個人の思想の自由、表現の自由を侵害する安保関連法案を撤廃し、平和憲法を維持しようとする公約を掲げる政党は、立憲民主党、共産党、社民党の、いわゆる第三勢力のみ。
個人的には、特定秘密保護法、共謀罪法をなくしてもらわないと、遠からず(思想上の理由で)刑務所に入れられるだろうと不安で、今回の選挙結果は自分の将来を決めるものとして目が離せません。
でも、残念ながら、いまの小選挙区制では、与党・自民党が圧倒的に有利です。野党は倍の得票がないと勝てないでしょう。
それにしても、現行憲法を守ろうとするのが本来革新政党であるはずの共産党で、憲法を変え、世の中を変えてしまえと、革命家のように訴えているのが本来保守政党であるはずの自民党とは。世の中、変われば変わるものです。
さて、どの政党を支持するしないにせよ、有権者の方は、投票日にはぜひ投票所へ行き、投票をお願いします。
独裁政権がいちばん歓迎するのは、思い通りに操れる国民、つまり投票しない国民です。
(2017年10月15日)