ボイス・オブ・ヒロシマ

2002年に広島市の主催で行われた「広島・長崎講座」で、被爆の
実相を多角的にとらえることを学んだ受講生で結成したNGOで
す。命を慈しむ多くの市民と共に被爆、核、戦争、平和等を学
び、相互に発信し、活動することに取り組んでいます。    
     

新聞でみるNPT再検討会議の行方

2005-05-19 12:05:33 | ニューヨークからの報告
 新聞から、NPT再検討会議に関する記事を取上げ、感想等入れました。

 NPT再検討会議でやっと大筋の合意が得られ実質討議が始められそうです。三つの主要委員会で討議が行われ、第1主要委員会は核軍縮がテーマで「安全保障など」の小委員会を設ける見通し。第2主要委員会は核拡散防止がテーマで「中東も含む地域問題」の小委員会を、第3主要委員会は原子力の平和利用がテーマで「脱退問題」の小委員会を設ける方向である。既に大幅に遅れているので、これらが正式に決定され、核廃絶へ各国の協議が進むことを願います。
 ニューヨーク現地時間19日に三つの主要委員会での実質討議がスタートしました。
米核戦略専門家のダニエル・エルズバーグ氏は核軍縮に本気の政府なしといっています。政府は自国の有利性を重視しているように思います。政府と市民の願いが一致しない場合、わたしたちは何もしないでいいのでしょうか…  

 エルバラダイ事務局長の「核燃5年間凍結」の提案が注目される可能性があるという記事があります。原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す「再処理」問題は、テロリストに略奪される危険性が増え、世界の安定を脅かす…とこのようなことが書いてあります。

 5月10日にニューヨークの国連本部でピースデポと韓国のNGOの主宰で「北朝鮮を含めた東北アジアを非核地帯にするためのワークショップ」が行われました。日本と韓国、北朝鮮は核兵器の製造や配備、実験を行わないので、核保有国である中国、ロシア、米国から核攻撃をしないなどの約束を取り付ける事を被爆者の体験を聞いて考える内容だったようです。この非核地帯化が実現すれば、NPT体制の強化になり『核の傘』依存から脱却することにつながるといっています。難しいことも多いと思いますが、実現するといいと思います。

 5月11日に国連本部で公式のNGOセッションが開かれました。約80ヶ国の政府代表やNGOメンバーら約300人が参加したそうです。テーマ別に20近いNGO代表が演説しました。「被爆者からのアピール」として日本被団協の小西事務局次長(75)が広島での被爆体験を証言しました。もし今、すべての核兵器をなくすことに失敗すれば、子や孫たちに苦痛を運命づけることになってしまう等と、感情のこもった英語での証言に一段と大きな拍手が送られたことが新聞に掲載されています。
 被爆者の方々が安心される日はいつ来るのでしょうか。

  写真は国連真向かいのビルです。各国の国旗は工事中のため掲揚できないそうです。