ボイス・オブ・ヒロシマ

2002年に広島市の主催で行われた「広島・長崎講座」で、被爆の
実相を多角的にとらえることを学んだ受講生で結成したNGOで
す。命を慈しむ多くの市民と共に被爆、核、戦争、平和等を学
び、相互に発信し、活動することに取り組んでいます。    
     

21日の学習会と小さな交流会の報告

2007-03-24 12:12:20 | 会設立の経緯
18日から21日に変更して、10名の参加で行われた。この中には岩国から続けて3回参加のお二人がいた。
問題提起として佐藤周一さんから、東京都知事選と広島市長選で皆さんに強制するのではなく、支持する人を話したいとその理由等も含めた話があった。東京都知事選をとり上げたのは、東京都のやり方を2、3年後に地方都市が行っているような状況があるので、都知事に誰が決まるかは私たちにも関連してくる。都知事に多くの人が立候補しているが、浅野史郎さんを支持する。石原知事(明日告示)は1999年に初当選し、期待されたが、現状は格差が広がり(薄汚れた街もあり、給食費が払えない人が増えている等)、私物化、差別発言等があったと思っている。
2年後の2001年に首相になった小泉さんにクリーンなイメージを持っている人がいると思うが、東京に大きなビルを建て、都市再生を行ったといえる。

浅野史朗さんは、宮城県知事3期の実績があり、若者の雇用対策や、介護費用の上乗せを公言している。都の予算は13兆円ほどあり、介護補助の上乗せは2000億円あればよいので可能とのこと。都民の考えや希望を取り入れて生かしていく事や、都民とともに都政を作っていこうとする姿勢が良いと思う。
「浅野勝手連ひろしま」を作ったが、岩手県や他で浅野さんを応援する勝手連ができている。今までは利益誘導やタレント性(有名度)によって、決まったこともあったが、政策で議員を選ぶことが起きてきている。当選後も応援、激励する事が、自分達の生活をよくする事につながる。

その後、参加者から、話したいことや、知りたい事、気になる事等を自由に話し合った。憲法、国民投票、人権、愛宕山開発、多重債務の増加、広島県知事選、六ヶ所再処理工場、原発等に対しての思いや意見、日々の生活等が話された。
その中の憲法に関しての意見等をあげてみる。
4人の息子がいるので、この子達が大きくなって、戦争にかり出されるようになるとと思うと、心配。時代は変わっていくので、憲法も変わらなければいけないのかもしれないが、9条は困ると思っている。憲法のことが生活の中で話になる事はほとんどなく、知る機会もわからない。選挙の仕組みもよくわからないと初参加の女性から発言。
それに関して、
憲法と法律(民法)が混同されているのでは…
人権を謳った24条と25条は9条が変わると変えられるのでは…
他人事で、無関心な人が多い。
憲法には、先の戦争を深く反省し、このような事をくりかえさないように、これに反する政府を厳しくいさめる等の条文があるのに、このことはあまりいわれない。
現憲法でも解釈次第では自衛の為に核兵器を作る事もできない事はない。
憲法がどのように大事なのかを伝えなければいけないのでは…
等の事がいわれた。その他の参加者の考え等もみんなで聴いた。  
休憩を挟んで参加者一人一人が、行っている活動や、今の状況、思っている事を話して、終了した。
各自の生活を垣間見たようで、一人一人の存在が伝わってきた。
権力者の情報(利権追求が多い)が流れる事が多いので、市民の情報の一つとして
「社会市民連合」を参考にするといいとの提起があった。
     社会市民連合  http://www.shakaishimin.com/ 
     浅野勝手連ひろしまhttp://blogs.yahoo.co.jp/asano46hiroshima/           

    



学習会と小さな交流会

2007-03-10 21:05:32 | お知らせ
                               2007年3月
 今年は憲法改正、国民投票法、格差社会、環境問題等、気になることがあります。
気になりながら、どういうことで、何が問題なのか、わかっていない人は多いのではないでしょうか。選挙の年でもありますので、一人一人が考えて、判断し、できることをしていくことが求められています。
今の状況をみんなで話し合って、現状を認識し、各自が出来ることを考えるといいと思いっています。気になっていることや、知りたいこと、知ってほしいこと等も、話せるといいと思います。
3月21日(水)に、話し合いと小さな交流会を行います。
偉い人による政治ではなく、弱い立場の人たちを尊重する人たちによる政治を求めて動いている佐藤周一さんが、政治に関して、現状と問題提起をします。そのご佐藤さんを交えて自由に、話し合いをします。
生活の中で困っていること、心配なこと、嬉しいこと等も共有できればいいと考えています。皆様方の小さな交流が広がることを望んでいます。



            学習と小さな交流会

   日時   3月21日(水)  午後2時半 ~ 午後5時
         (18日が21日に変更になりました。ご容赦お願いします)
   場所   広島国際会議場 3階 研修室③
   話し合い 参加者全員での話し合い
         政治の現状と問題提起  佐藤周一さん   約20分
                     「社会市民連合」事務局長  
                      瀬戸内新聞主宰  

   カンパ  300円
   主催   ボイス・オブ・ヒロシマ

           
       連絡・問い合わせ/日浦082-928-4338
       ボイス・オブ・ヒロシマ http://blog.goo.ne.jp/p-h-21/



高レベル放射性廃棄物の地層処分について 全国集会から

2007-03-08 14:42:45 | 行事報告
岡山で話そうや!原発のゴミ・全国交流集会  報告
      ―高レベル放射性廃棄物の地層処分―
2月17日(土)  13時半から17時半 交流会 18時半~20時
  2月18日(日)  9時~12時
   ところ  岡山市 「山佐本陣」
                              2007年3月1日
                                       
岡山市で高レベル放射性廃棄物処分場の公募に全国の市町村が応じないように地層処分の実態と各地の状況とこれからの取り組みについて、情報交換と交流が行われました。岡山では「放射能のゴミはいらない!県条例を求める会」が岡山県内27市町村から「高レベル放射性廃棄物拒否」の回答をもらっています。(市町村合併前は知事と77市町村長から拒否回答をもらっていました)
全国の約半数の都道府県から282人の参加がありました。(韓国からも参加)
 17日は、13時半から呼びかけ団体挨拶、西尾獏さんの基調提案、NUMOの狙いをはね返す戦いとして、「市民で首長に断念させた滋賀県の余呉町」「高知県から町長が反対を押し切って応募した東洋町と津野町の状況」「長崎県から誘致活動が活発な対馬と新上五島町の状況」等の報告と質疑応答がありました。
原子力機構を巡る戦いとして、北海道から幌延町の深地層研究センター等、岩手県からは地層処分のためのボーリング調査等、岐阜県からは瑞浪超深地層研究所等の報告と質疑応答がありました。
特別報告として青森からの状況報告がありました。
その後フリー討論、交流会が行われました。
18日は9時から「県条例を求める会」から各自治体への事前取り組みについて、「核のゴミキャンペーン関西」から国会への動き(高レベル処分法の改正案)とその対応が問題提起され、その後フリー討論、まとめと確認、集会決議、閉会挨拶がされ、12時過ぎに終了しました。
 高レベル放射性廃棄物は、原発の使用済核燃料を再処理工場でプルトニウムとウランを取り出して残った死の灰の廃液とガラスを一緒に固めて、キャニスターといわれるステンレス製の容器に詰めたもので、ガラス固化体とも言われています。ガラス固化体1本には、広島型原爆30発分の死の灰が詰まり、強烈な放射能を発するため、取り扱いはすべて遠隔操作で行われます。また、放射能による高い熱を持っているので、青森県六ヶ所村で一時貯蔵して冷却する計画ですが、50年で充分に冷却できるかわかってはいません。このガラス固化体4万本を地下300メートルより深い岩盤に埋め捨てにする処分場を、原子力発電環境整備機構(原環機構、NUMO、ニューモとも言う)が、2007年をめどに、全国の市町村を対象にして公募し続けています。文献調査(約2年)に応募すると10億円の交付金がもらえます。世界で高レベル放射性廃棄物の地層処分をしたところはなく、安全性は確立してはいません。
 採択された自治体要請決議書に、国中の多くの人が何も知らない中で、財政難に苦しむ自治体の弱みに付け込んで処分場を押し付けようとする「公募」のあり方を根本的に改め、誰からも嫌われるやっかいものの高レベル放射性廃棄物をどうしたらよいか大きな議論を起こしていくことが、今求められていますと書かれています。そして全国の知事、及び市町村長に、安全性が確立したといえない高レベル放射性廃棄物の地層処分の候補地に応募しないように要望しています。
地域に帰って、日本の何処にも高レベル放射性廃棄物の処分場を作らせないようにするとともに、原発に依存しないエネルギーのことを考えていくことはこれからの課題と提起されました。

各地の状況を、各地からの発言、資料、添付された新聞記事、フリー討論の中から、独断で下記にまとめました。ご意見等は増田fax 082-892-3386にお願いします。 

○ 滋賀県余呉町の「余呉の明日を考える会」
余呉町の町長が高レベル放射性廃棄物処分場誘致に手を上げたことに、住民がどういうことなのかを学習しながら、誘致反対署名運動をしました。ホームページ等で全国から署名が届き、2万人を超える署名が集まりました。H18年12月6日に町長の誘致断念表明で約3ヶ月間の戦いは終わりました。まだ誘致の不安は消えないと、H19年1月16日告示、21日投票の町長選挙に「流れを変えよう!」を合言葉に仲間から候補者を出し、選挙に臨みました。今までのような村単位の選挙から、政策提言の選挙に切り替え、政策を訴え続けました。忙しいが楽しい雰囲気での取り組みでした。79票差での勝利で、嘉田知事が夜の11時半にお祝いに駆けつけられ感動の夜でした。2つの取り組みを通して、強い信念と仲間の力で時代の流れは確実に変わっていくことを学ぶことが出来ました。

○ 高知県原原水禁 東洋町と津野町について
東洋町
H19年1月25日に東洋町長が6割を超える町民の反対と議会の反対を押し切り「高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域」の公募に応募書を提出しました。東洋町の全国ではじめての処分場応募に、受理しないように2月1日に原子力発電環境整備機構に、2月6日に経済産業省に、団体代表の方々によって申し入れが行われました。
東洋町では「放射性廃棄物の持込や施設建設を拒否する条例」を制定する直接請求運動が起きています。

津野町
H18年10月30日に、町民や四万十川流域自治会の意見と議会の全会一致で決めたことを重視し、津野町長が高レベル放射性廃棄物の処分場に応じないことを表明し、収束しました。

○ 長崎県平和センターと長崎県原水禁の資料
2005年7月頃に新上五島町でNPOによる、勉強会、イベント、六ヶ所視察等の誘致活動が表面化しました。対馬でもNUMOの説明会や六ヶ所視察が行われていたことが2006年末に報道されました。中学生に核の平和利用等の学習会等が行われてもいます。長崎県知事は「誘致反対」の回答をしていますが、新上五島町と対馬は合併と三位一体で財政事情が悪化し、主な第1次産業は落ち込んできています。交付金と経済効果を大義名分にした誘致活動が一定の説得力を持っています。誘致反対を粘り強く訴えて、市町村長に応募させない取り組みを強めていきます。対馬の誘致活動が活発で、新上五島町は沈静化しているように見られていますが、水面下で動いているようで、決して収束していません。2月14日、15日に対馬で誘致反対住民による「核のゴミ」についての公開講演会が小出裕章さんを招いて行われました。

○ 幌延現地監視委員会
1980年に下川鉱山(三菱金属系列)で高レベル廃棄物処分技術計画・原位置試験
(岩石透水性、加熱、核種吸着)の計画が起きました。核に関連する事業が北海道に起きましたが中止されてきました。1998年に深地層研究推進の申し入れがおこなわれ、住民世論調査等を経て、2000年5月に「核廃棄物持込は認めない」など深地層推進条例が制定されました。2003年7月に幌延深地層研究センター建設工事が着工されました。
幌延町には多額の交付金がおりますが、汚泥の処分(ホウ素の除去能力なし)等、多くの問題があります。

○ 岩手県
岩手県遠野市(猿ヶ石川上流の附馬牛地区の国有地)だけを対象に深さ400メートルのボーリング調査を、経済産業省原子力安全・保安院が、日本原子力研究開発機構に委託して行おうとしていました。
高レベル放射性廃棄物の地層処分に対する安全規制を支援するための計画でした。
 2006年9月末に遠野市長は「調査の実施に対し、即時中止を求める」と記者会見をしました。しかしその後も現地作業が行なわれ、12月にボーリング調査実施に入るということでした。12月15日に遠野市長と議長が市民の不安や懸念を払拭しきれないと、「調査の中止要請書」を保安院放射性廃棄物規制課・課長と原子力機構安全研究センター・センター長に手渡しました。
遠野市はこの事を広報で報告し、近隣市町村には情報の提供等の支援を依頼し、原子力機構の調査が中止になるように取り組んでいます。

○ 岐阜県の放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
瑞浪超深地層研究所は2005年度300メートル掘削予定でしたが、2007年度は230メートルに変更になりました。地下からのウラン残土、フッ素、ホウ素(有害物質)と湧き出る地下水の除去能力が追いつかず、300メートル掘るのは現技術では遅遅としています。わずか1.3㎞離れたところ(東濃地域と思います)のデーターも使えない状況があります。

○青森の報告
六ヶ所再処理工場は、高レベル放射性廃棄物や多くの問題解決しないままで操業に向かっている欠陥工場であり、核廃棄物生産工場といえます。放射能は大気や海中を汚染しています。今年の11月に本格的な商業運転に入る予定です。高レベル放射性廃棄物一時貯蔵施設や低レベル放射性廃棄物埋設施設やウラン濃縮、MOX加工工場の新設予定、むつ市核燃料中間貯蔵施設誘致の動き、東通原発、大間原発建設への動き等、青森には多くの核施設があり、建設されようとしています。三沢基地が近くにあり、大きな事故が起きる不安があります。

○ 県条例を求める会(岡山県)
岡山県は早くから高レベル放射性廃棄物処分場として狙われてきました。約25年間、高レベル廃棄物拒否運動を続けてきました。35万人の署名を集め、皆様後存知の35万人の署名を集めました県条例の会でございますと言っています。首町に「高レベル廃棄物拒否と応募拒否」の回答を要望しました。2006年に岡山県の知事、及びすべての市町村長から「高レベル廃棄物拒否、応募拒否」の回答をいただいたのは、処分場に名前だけでもメドをつけたい国、及び原子力業界に脅威になったと思います。
岡山県内27市町村の高レベル放射性廃棄物拒否マップと、各市町村のすべての拒否回答と裏には要望書と解答が書かれた資料を作りました。岡山の運動を、それぞれの故郷を愛する各県の知恵で、広げていってほしいと願っています。

○ 核のゴミキャンペーン関西
経済産業省は1月からの通常国会に高レベル放射性廃棄物の最終処分に関連する3法の改正案を提出します。3法の改正案は一体的な内容とみなされ、一括審議される見通しです。2月中に自民、公明の与党内での手続きを経て3月の閣議決定を目指しています。原子炉等規制法、NUMO法、再処理積立金法の3つの改正案を提出します。改正案に現法の不備や、これからが盛り込まれると思われます。改正案について意見等を出すのは、市民の意向を伝えることになると思いますので、検討しています。

○ 対馬の方の質問と青森と福島の方の解答
・対馬の方の質問
財政が悪化し、仕事がなく、島外に人がでる状況が起きています。漁業も海藻が育たなくなり、漁獲が減っています。魚を調べてもらったところ、すべての魚種から毒物が検出されました。私が思うことですが、中国が産業廃棄物を川に垂れ流しにしていると聞きますので、それが海流に乗り、魚が影響を受けているのではないかと心配しています。高レベル放射性廃棄物の処分場を受け入れると、産業が起き、地域が活性化すると聞きます。雇用問題とかは、ほんとに良くなるのでしょうか。教えていただければと思います。
・青森の方の解答
六ヶ所再処理工場が出来るので雇用はふえると言われていましたが、高度な技術が要求されるので、地元の人ではない、大手企業の人が給料の高い仕事をしています。
六ヶ所の人は下請けや、危険な仕事をすることになっているといえます。再処理工場の仕事をすると、その人の家族、親戚は再処理工場について、何も言えなくなっています。六ヵ所が活性化しているとは言えません。 
・ 福島の方の解答
  県内に10基の原発をかかえ、多額の寄付と電源交付金による「箱物建設三昧」で町財政を圧迫しています。ゼネコンが利益を吸い取り、残ったのは被爆労働だけです。(郡山市ふれあい科学館は総事業費47億円でしたが、そのうちの30億円は東電からの寄付金で、残りの17億円は郡山市の財政負担になった)

○ 韓国で、中、低レベル処分場に3000億ウオン(約300億円)交付
300億円交付や高レベル放射性廃棄物の処分場にならない条件等を明文化し、4市で同時に住民投票し、賛成率が一番多かった慶州市が処分場に決定しました。
交付金のやり方は日本を参考にしたのではとの意見が出ました。
韓国の放射性処分場問題について講演会・學集会を開きませんかと、原子力情報室から案内チラシがありました。3月から4月にかけて計画中とのことです。
問い合わせ先 原子力資料情報室 
 
                        以上です。