ボイス・オブ・ヒロシマ

2002年に広島市の主催で行われた「広島・長崎講座」で、被爆の
実相を多角的にとらえることを学んだ受講生で結成したNGOで
す。命を慈しむ多くの市民と共に被爆、核、戦争、平和等を学
び、相互に発信し、活動することに取り組んでいます。    
     

2月18日 小林圭二先生講演会 報告

2006-02-25 16:19:36 | 行事報告

 「プルトニウムの利用を許してはいけない」というテーマで小林圭二先生(元京都大学原子炉実験所教員)が「プルサーマルから見た核燃料サイクル計画の破綻」についてお話してくださいました。 
プルサーマルとは、使用済み核燃料から再処理して取り出したプルトニウムと劣化ウラン(濃縮後のカスのウラン)を混ぜて作ったMOX燃料を、ウラン(低濃縮ウラン)燃料と一緒に、原子力発電所で燃やして電気を作るということでした。 ウランよりも毒性が強いプルトニウムを原子力発電の燃料としてウランと共に燃やすプルサーマル計画は安全性(事故や被爆等)においても、資源の有効利用においても、利益がないことがわかりました。推進側は各国の実績により安全性は証明されているというが、単に実施された炉や集合体の数を言っているに過ぎないとのこと。内容で比較すると日本はプルトニウム含有量は群を抜いて高く例のないものであり、安全性の証明にはなっていないそうです。また、本来低濃縮ウラン用に作られた既存の原発でMOX燃料を燃やすことは安全余裕を低下させ危険度は増す。プルサーマルを進めると核兵器材料のプルトニウムの大量使用、大量流通に踏み出すことになり、原子力発電の技術的な安全問題だけにとどまらず、核を保有したい国に口実を与え、猛毒のプルトニウムが日常的に日本中を走り回ることになるとお聞きして愕然としました。 プルトニウムの輸送が私たちの生活圏の中で行われ、プルトニウムを管理するために個人の行動が監視されるようになる社会を拒否するのは私たち一人一人の良識にかかります。 
 プルサーマル計画が動き出すと運転中の危険度の増大、ガス状の死の灰(FPガス)の放出増大、燃料輸送中の危険性、使用済MOX燃料の処分方法未定と様々な問題が起こります。それほどまでの危険性を冒しながら実施を急ぐ必要があるのだろうかと強く疑問に思います。お話を聞いて、個人個人が毎日の生活に消費する電力をこれ以上増やさないという決意をするとともに、一旦動き出すと後戻りはできないプルサーマル計画は是非とも阻止しなければならないと思いました。


講演会のお知らせ

2006-02-12 11:29:59 | お知らせ

講 演 会
 プルトニウム利用を許してはいけない

 ―もんじゅ運転再開、プルサーマル、六ヶ所再処理工場稼働―
   お話 小林圭二先生(元京都大学・原子炉実験所教員)

  「プルトニウムの生産と利用を続ける」――人類の幸福とは何の関係もない、この目的だけが一人歩きして、地球の未来を希望のないものにしようとしています。
 プルトニウムは「エネルギー問題の解決」とも、「地球環境の保護」ともまったく結びつかず、使い道としては、核兵器の材料のほか、ありません。プルトニウムに群がる巨大な権益を守るだけのために、年間2,0000,0000,0000,0000(2京)ベクレルのトリチウムをはじめとする大量の放射能を環境中に放出する、プルトニウム生産の作業―「再処理」が、日本でも始まろうとしています。国にも企業にもブレーキのかけられない、この破局に向かってすすむ流れを止めるのは、ふつうの人であるあなたやわたしの「あたりまえの判断」以外にありません!
 皆さまお誘い合わせの上、小林圭二先生のお話を、ぜひ聞きに来てください!
  
  *日時  2月18日(土) 11:00~12:30
  *場所  アステールプラザ4階 大会議室
        (中区加古町4-17 TEL244-8000)
  *参加費 500円

  主催団体 原発はごめんだヒロシマ市民の会
           http://www2.ocn.ne.jp/~gomenda/ 

         ボイス・オブ・ヒロシマ
           http://blog.goo.ne.jp/p-h-21/   
            プルトニウム・アクション・ヒロシマ
     
    連絡・問い合わせ/082-892-3386増田 082-888-4541西塔


講演会報告

2006-02-08 17:15:01 | 行事報告
2月5日の講演会「危険すぎる六ヶ所再処理工場」は約40名の参加があり、関心の深さがうかがえた。たくさんのデータや写真を交えて、素人にもわかりやすくお話していただいた。
東海村の事故の例から放射線の体への影響の恐ろしさを話され、東海村で被曝された方の皮膚の写真は、伝えられている広島の被爆者の火傷と酷似しており、現在も身近に被曝の可能性が存在することに気づかされた。乏しい化石燃料に頼る火力発電に変わる立場が原子力発電、と思っていたことが、実はウラン資源はそれに比べるとはるかに貧弱な資源であることを聞き、大きな間違いをしていたことに気付いた。そして、原子炉の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムに変える核燃料サイクルも、高速増殖炉の実用化の見通しがつかないことから意味のないこととなり、それにもかかわらずプルトニウムを取り出そうとすることは国際的に大きな疑惑の目で見られているとのこと。そうしたニュースは国内ではあまり報道されていないと感じた。
また、日本より以前から稼動している、イギリスのウインズケール再処理工場ではこれまでに120万キューリー(広島原爆の400倍)を超えるセシウム137が流され、アイリッシュ海は世界一放射能で汚れた海になったと聞き、六ヶ所再処理工場が稼動すれば周辺の豊富な漁場である三陸沖は大丈夫だろうかと不安になった。
一度稼動すると再処理工場からは原発よりもはるかに多い放射性物質が放出される。セシウム137の半減期は30年、持続可能な社会のためになんとしてでも稼動はくい止めたいと思った。
当日の様子は朝日新聞に掲載された。
朝日新聞記事はこちら