オズマが最初に自分で購入したクルマがEF9であることは書いたが,それは通称「VTECシビック」と発売当初呼ばれた,当時の1600ccDOHC・NA最強・B16Aを積んだクルマである。
だが,その電装系などは脆かった。
内装部品も実に脆い。いまは新品欠品があるという。
しかし,中古車ゆえの面白さというところか,とにかく故障と修理に泣かされた。
保証期間のあった期間(1年間)でさえも,運転手側PWスイッチ交換・メインリレー不良交換があったぐらいだ。
メインリレーにはとくにビックリだった。さあ遠出をしようと思ったら,近所でいきなりエンジンストップ。もう何も動かないのである。あの頃はまだ公衆電話があってよかった。
そして,1998年夏には柿本マフラー(シングル大口径105φ)に変更。ここからがチューニングと,修理の本格的な地獄の始まりである。
①VTEC切り替えバルブのオイル漏れ
②助手席PWスイッチ交換
③ドライブシャフト交換
④運転席シート交換(奥多摩の峠で純正シートの脚が折れた)
⑤ブレーキローター・ホース一式交換(20万円もした)
⑥クラッチ交換一式(まあこれは消耗品)
⑦EACV交換(EF・EGの弱点と言われている)
⑧GABショックへの交換(これは趣味の問題)
⑨アライメント調整(頻発;水郷の悪路には勝てなかった)
⑩度重なる雨漏り(ボディフロント側から,雨水がしたたる始末)
⑪ウオーターポンプ・デスビ,エンジンマウント・ミッションマウント交換
⑫ウェザーストリップ全交換
などに車検整備費用で,実にトータル6年半で120万円も修理・交換にかけてしまっている
だが,このクルマで学んだことは大きい。
あまりに憧れだけで購入すると悲惨だということ。とにかく車両の状態がすべてであるということ。
そしてオズマは修理・交換の相場に詳しくなった。壊れそうな予感もつかめるようになった。
そんなオズマが現在のGTを購入するとき(2004年2月のことである),店員さんに
「お客様,相当にお詳しいですね...」
となかばあきられたような顔で見られた記憶がある。
しかし,そうして購入したGTは,いわゆる故障がまったくといっていいほどない。新車登録から軽く10年を超えているのに,電装系のこれまた丈夫なこと。エンジンも補機類が少々ヤバイ状態だが,せいぜいウオーターポンプ交換ぐらいが必要に感じる程度だ。
120万円の投資は,目を磨くためのものだったのだ しかし,いまはそう思えるが,当時は本当に気分が落ち込んだものだ。
なお,いままたEF9の人気が再燃しているようだ(『某なにわトモアレ』の影響か)。ただ,もう新品部品もかなり出ないクルマになっているので,AE86とつきあうぐらいの覚悟でないと,つらいだけの現実があるのも事実である。
1600DOHCの時代は終わったのである。
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