知らないうちに最新刊が発売されていた。
『アルキメデスの大戦』。何度か紹介しているが,交渉術において参考にさせてもらったこともある。僕の場合は「大阪城の外堀を埋める」だったり,「コロナという災いをむしろ好機にする」というレベルでしかないが,それでも,主人公・櫂直の姿勢に学ぶことは多い。
マンガも読書の時代になった。子供の頃,「マンガは毒
」と言われていたが,両親とも学歴があるわけでなく,とくに咎めなかった。なにより立ち読みがいくらでもできた時代で,気がつくと3時間も読んでいた,なんてこともあった。まあ,40年ぐらい前の話だけれども
。
さて,20巻に突入した話は,ついに日米交渉。そこで,櫂は見事な一言を言い放つ。
経済が国家を守る。平和は金で買うものだと。
そうなのだ。会社もそう。
お金が回っていればいざこざは起きない。反乱分子も出ない。経済が回っていた時代を僕はリアルに体験しているが,1990年初頭まではたしかに「平和」だった。腑抜けていたが平和だった。
ところがどうだ。自粛ばかりのコロナ禍では,一気に平和が崩れた。自粛警察然り,マスク騒動しかり。自分の会社でもヒステリックな反応がいまだに多い。
政治経済で一気に「片を付ける」方法は思い浮かばないが,少なくとも自分の勤務先・仕事内容について「お金のやりとり」がどうなっているのかを,僕は20代の頃から情報提供してもらった。
なぜなら,窮地に陥っていると言われても数字がなければ目標が建てられない。具体的数値のみが真実を語るのであり,感情・正義は主観でしかないと反論し,続けている(という事態が情けないが)。
『ゴルゴ13』同様,戦略を知り対策を立てる意味で,この本もまた社会人必読といえよう。