腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

12RIVEN -the Ψcliminal of integral-(PS2)

2011年05月17日 19時17分27秒 | PS2ゲーム感想文
久しぶりにプレーする、純コマンド選択ノベル式アドベンチャーゲームである。
ただ文章を読み、ボイスを聴く。文章送りを除けば、ボタンを使うのはセーブロードと時折出現する選択肢を選ぶ時だけ。
アクションやRPGといったジャンルに比べてプレーヤーの介入する余地が極端に少なく、ハッキリ言って「ゲーム」かどうかすら怪しい。
このジャンルに対するそういった批判は、大昔から変わらず存在し続ける。「読みゲー」は一種の侮蔑表現である。
実際、批判は的を射ている。ノベル式ゲームのゲーム性は本当に少なく、他のジャンルとは比べることが失礼なくらいだ。
また俺が常々不満なのは、ノベル式ゲームの制作者がこの形態からの進歩を一向に試みないことだ。
旧来からの作り易さに甘え、「進化した読みゲー」を作ろうとしない。
これでは見下されても仕方がない。読みゲーは低レベル。事実である以上、大声で反論はできない。
良作の存在を訴えても、信者の遠吠えとしか届かないだろう。読みゲーは、他ジャンルと同じ土俵にすら立っていないのだ。



……だが、それはやっぱ間違いだと思う。
アクションやRPG……何でもいい、他のジャンルにも共通する、娯楽の絶対価値観は何だ?
「面白いこと」だ。別にゲームに限らず、娯楽は何でもそれ目指して作られている、はず。それが面白ければ、そのゲームは優れているのだ。
ゲーム性? 知った事ではない。そんなのは面白さを引き出す為の手段に過ぎない。目的はあくまで面白さなのだ。
その意味で、読みゲーは決して他に劣ったジャンルではない、と思う。
俺が知るだけでも、「面白かった」読みゲーはたくさんある。だったら、それは正しいのだ。
もちろんゲーム性の低さを不満に思うのも事実だが、それはゲームをプレーした際に抱く一般的な不満の範疇なのだろう。
改良・改善の余地はあっても、読みゲーというジャンル自体がダメなわけではない。

「ボタンを押すこと(他タッチパネルでも何でもいい)で画面に変化が発生すれば、それが楽しければ、何でもゲーム」
「面白ければ、そのゲームは正しい」

これらは非常に大事な前提である。
ゲーム作りに正解なんてないのである。




で、「12RIVEN」である。
もちろん読みゲーである。俺が期待していた「ゲーム性」はまたも徹底スルーされ、今回も純コマンド選択AVGだった。
はぁ。ま、これに落胆するのは慣れてるからね……。
機種はPS2版。一応限定版の新品を買ったのに、たった2600円だった。値崩れだねぇ。売れなかったんだねぇ。
PS2版の1年後に移植されたPSP版では、CGの追加・修正が行われたらしいが、シナリオに大きな違いはない、はず。
俺は携帯機でギャルゲ(系)ってのが未だピンと来ないので、PS2版をやったのは正解だったと思う。



俺は今作を「Never7」から続くループものの新作だと思っていたんだが、ループものシリーズは「Remember11」で完結しており、
今作は「インテグラル」シリーズの第一作に当たるのだという。へー、プレーするまで知らんかった。
実際、今作には所謂「ループ」ネタは出てこない。……と思う。少なくとも表立っては出てこなかった。
しかし似たようなタイトルで出してる以上、共通性はある。具体的には「ネタ」だ。
Never7の「キュレイシンドローム」に始まり、ループものシリーズは毎回作品の根幹に大掛かりなネタを用意しており、
それがシリーズの大きな魅力になっていた。特に2作目「Ever17」におけるネタは、間違いなくゲームの歴史に残る大傑作である。
ジャンルがジャンルだけに知名度は低いが、あれほど見事な「ネタ」「アイデア」は、もしかしたら今後二度と見られないかもしれない。
「ユーザーをあっと驚かせる」とはEver17こそが謳える文句である。本当に素晴らしいとしか言い様がなかった。
Ever17ほどではないが、Never7のキュレイも、十分に面白く、驚かされたネタではあった。
残念ながらRemember11に関しては、俺の貧相な脳が付いていけなかったこともあり、肩透かしだった。あの作品はなぁ……はぁ。
てわけでもちろん、12RIVENにも制作者渾身のネタが登場する。
それは……「意識」だ!! 広範な意味では「脳」でもいいのかな。




俺らが普段取っている行動は、意識して、つまり「自我」を伴っている。
例えば、今現在の俺はこの文章をキーボードを使って打つことに自我を集中している。
そしてこれを読んで頂いている方は、一応この文章を読む事に集中して下さっているだろう。え? 全然集中してない? 超流し読み? 畜生。

しかし、だ。

俺の体が取っている行動は、決して文章を書くことだけではない。いや寧ろ、それはホンの一部に過ぎないのだ。
例えば、こうやって書く文章は「意識」しているが、それを打つキーボードの事はどうか? 意識などしていない。
更に細かく、指一本一本の動きをいちいち意識しているか? もちろんしていない。
今俺はテーブルの前に胡坐をかいている。その足の位置や組み方を意識しているか? しているわけがない。
体の外だけではない。体内では更に比べ物にならないくらい、俺は様々な行動を取っている。だがそれを意識することは一切ない。
こうして考えると、人間が意識して、自我を持って取る行動は、それ以外、「無意識」と比べて非常に非常に少ないことが分かる。
この「無意識」を、今作では「識閾下(しきいきか)と呼ぶ。あまり知られてない言葉だが、まぁ意味は分かり易いな。


そして、そういった識閾下の活動は、自我の活動とは比べ物にならないほどの「情報」を入手する。
俺の自我が今現在意識し、得ている「情報」は、せいぜい目の前のモニターとパソの駆動音くらいだ。特に部屋にも体にも変調はないし。
それに対し識閾下は、組んでいる足の感触、指がキーボードを押す感触、空気の流れ、モニター以外に視界に入ってるものなど、
非常に多くの「情報」を入手している。体内も含めれば、それは更に爆発的に増える。
ゲーム中での説明によると、その比率は 1:20万 であるらしい。自我が得ている情報は、識閾下の僅か20万分の1なのだ。
恐ろしいほどの情報量の差。しかしこれは言わば識閾下の気配りであり、人間の優れた作りなのだ。
もし俺の自我が、識閾下が得ている情報全てを一気に受け取れば、それを処理し切れるか? ……不可能であることはすぐ分かる。
どんなに情報処理に優れた人間だって、自分の体に起こるあらゆる事象を全て捌くなんてことは絶対に不可能だ。
だから人が得る情報は一度全て識閾下が処理し、中でもその時点で重要と判断されたもののみが、自我に送られる。
そう、自我の得ている情報は、一度識閾下に蓄えられ、「自我に渡してOK」と判断された情報なのだ。
つまり自我が得ている情報、俺が俺である所以のはずの「意識」は、識閾下より遅れているものなのである。
その時間差、およそ0.5秒。作中で示される数字だから、実際どうなのかは知らん。


ここまででも結構恐い話だが、まだ続きがある。
とある実験によると、自我が行動を取る前に、識閾下は既に動き出しているというのだ。
例えば、野球のボールを握ってどこかに投げるとする。これは当然、自我によるもの、意識しての行動だ。
しかしその時の人間を詳しく調べると「ボールを投げよう」と考え、脳に反応が出るより前に、腕の筋肉が動き始めるというのだ。
この場合ボールを投げるのは自我、筋肉を動かすのは識閾下の働きになる。そして自我が動くよりも僅かに早く、識閾下は活動を始めている。


……てことはつまり……自我の動きは、識閾下の命令によるもの、なのではないか?
そもそも自我が得ている情報自体、識閾下のチェックを通ったものだけなのだ。この時点で上下関係は明らかだ。
そして識閾下は文字通り無意識のことであり、自分の脳内とは言え「自分」とは呼び辛い範疇だろう。
俺はもちろん、ゲームをプレーすることも、こうしてダラブログを書くことも、自我を持ち、意識してやっている。
だがそれら全ては、識閾下という「俺以外の何か」の命令によるものだったら? 俺の自我は、本当に俺の自我なのか????







以上。長くなった。
今作は別にホラーがかった作品ではないが、識閾下の説明はこの辺が一番凄かったので、強く印象に残った。
「自我」と「識閾下」。今作のテーマはこれである。もしかしたらインテグラルシリーズ共通のテーマなのかもしれん。

これはもう、ハッキリ言って面白かった。とにかく斬新だった。
まぁ俺の乏しい娯楽経験内での話だが、脳みそのこんな解釈は他では見たことがない。非常に新鮮だった。
それでいて話に大きな引っ掛かりがなく、納得がいく。見事である。大したものである。
今作の根幹にある設定は、制作者が胸を張っていいレベルである。よくもまぁ、こんなの考えたもんだわ。

もちろんこれが現実的な設定なのかどうかは知らん。そんなのどうでもいい。
求められているのはあくまで作品の中でのリアリティである。それを自然に感じられたら十分なのだ。
そしてその基準は十分満たされていた。と言うより、ループものよりもしっくり来た。良くも悪くも。
自我は識閾下の操り人形。……あまり深くは考えたくない説だな。恐すぎるぜ。




……しかし、優れたネタを使った今作も、一応全EDを見るまでゲームをやってみた感想は、「もう一つ」といった所だった。
アイデアは良かった。他に類を見ない設定、現代においてこれがどれほど凄い事か。アイデアは良かったんだよ。
でも、アイデアもまた、ゲームの面白さにおける手段の一つでしかない。
最終的に求めるのは、面白さ。……残念。






一番の問題点は、単純に「難しい」ことかなぁ。つってもゲーム難度じゃなく、内容ね。
このゲーム、相当難解だよ。少なくとも俺の脳みそじゃ手に負えん。
前作Remember11もやはり難解だったが、今作はそれとはやや意味合いが違う。
R11が「話の中身が難解」であるのに対し、今作は「話の作りが難解」と言うべきか。まぁ中身も難解なんだけどね。

今作は、「雅堂錬丸(みやびどうれんまる)」と「三島鳴海(みしまなるみ)」の二人の主人公を設定した作品になっている。
巷で言うマルチサイトシステムになるのかな。ちょっと違うかもしれんがまぁいいだろう。
しかしプレーヤーの任意で主人公を選択することは出来ず、キャラ視点の変更は常に固定。自由度などない。
ゲーム開始から暫くは、二人の視点が頻繁に切り替わる共通ルートを進むことになる。
その共通ルート中に選んだ選択肢により、途中から錬丸ルート、鳴海ルートに入り、以下固定でEDまで。
……このシナリオの流れが、何とも分かり辛いのだ。


まず共通ルートにおいて、錬丸・鳴海の視点の切り替えがあまりにも多すぎる。
ちょっと話を進めれば場面転換キャラ交代、またちょっと進んで交代、こればっかし。
もちろん主人公二人は無関係ではなく、話は密接に絡んでいるのだが、ここまでコロコロ切り替えられるとさすがにうんざりだ。
せめて共通ルートは任意にキャラ変更を出来るようにしてほしかたった。こういうのこそ「ゲーム性」の怠慢である。
その上語られるシナリオは最初から謎だらけ・説明だらけ。プレーヤーを引き込むと言うより拒絶してる感じである。
この共通ルート数時間だけで今作を投げ出した人は少なくないと思う。
ゲームを最後までプレーすれば、この作りにした理由も分かるんだが、それで納得がいくわけではない。
はぁ。


そして個別ルートに入ると、今度は話の難解さと、一向に解けずに増える一方の謎にストレスが溜まり始める。
ついでに言うとキャラへのムカつきも溜まり始めるんだが、それは後述する。
今作はEver17のように、終盤で一気に多くの謎が氷解し、大団円を迎えるタイプのシナリオだが、
残念ながらその質は、偉大なるEver17には色んな意味で遠く及んでいない。まぁあれと比べるのは酷と言うものだが。
Ever17の場合は一つの大きな「ネタ」が根幹にあり、プレー中にボコボコ生まれる謎の答えは全てそこにあった。
だから終盤まで謎だらけでちっとも解決しない物語も、何となく1本筋が通っているように感じた。プレー中に混乱することがなかった。
しかし今作の場合、終盤一気解決の作りは同じだが、全ての謎が一つのネタで説明できる……というものではない。多分。
上手く言えないが、色んなタイプの謎が散乱している感じで、ここまでやられると受け手としてプレー意欲が減退してしまう。
神の掌の上で踊らされてることがあまりにも明白で、自然に踊ることに疲れてしまうのだ。


して錬丸・鳴海ルートをそれぞれクリアーすると、解決編である「∫(インテグラル)ルート」に勧めるようになる。
ここで再び錬丸・鳴海の視点がコロコロ切り替わる流れに入り、もうしっちゃかめっちゃか。
一応謎が徐々に解けていく面白さは味わえるが、あまりにゴチャゴチャしていて徐々に萎えてくる。
Ever17にあった終盤の疾走感が今作には全く感じられなかった。もういいから早く答え教えてくれ、と投げやりな気持ちでボタンを押した。




結論としては、今作のシナリオは「面白いけど調整が足りてない」と思う。
アイデアは秀逸だし、一応作中の謎は大半が明らかになり、大団円を迎えることはできる。
なのに何故、こうも消化不良でモヤモヤした気持ちが残ってしまうのか。EDを見終えてもスッキリした気持ちになれない。
全体の流れはいいとして、各場面の繋がりやキャラの動きなどをもう少し丁寧に配置し直せば、もっとずっと面白くなったと思う。
何度も言うが、アイデアは本当に素晴らしいのだ。こんなネタ他じゃまず見られないよ。ああ勿体無い。
全体像がスッキリしていたら、再プレー等でもう少し深く考えてみても良かったが、今作のゴチャゴチャさではとてもそんな気になれない。
今作を隅々まで理解するには、脳はもちろん、何度もプレーし直し、細かくセーブポイントを作り、適宜メモを取る必要があるだろう。
だが俺にはそこまでする気力がない。ハッキリ言ってそこまでの魅力も感じない。
難解さが作品の魅力を削ぎ、プレーの意欲が下がり、ますます物語が難解になる。悪循環やなぁ。
冷静に考えていけば矛盾点がたくさんあるから、ゴチャゴチャさせることでそれを誤魔化した……そんなことも感じた。
実際疑問点は多くあるんだが、じっくり読み返す気力がないので、棚上げしてしまった。
はぁ。



シナリオ調整が足りていないことは、場面の繋がりがおかしいことでも度々感じた。
例えば、ある選択肢ABにより、シナリオがルートAとルートBに分岐し、その後また共通のルートCに戻ってくるとする。
その後ルートCを進めていると、「ルートBで通ったシナリオ」を前提にしたイベントが始まったりするのだ。
この場合、ルートBを通っていればもちろん何の問題もないが、ルートAを選んでいた場合、シナリオが激しく不自然になってしまう。
これは特に錬丸ルートで多々見受けられ、非常に萎えさせられた。フラグの管理が全くなっていない。何をやっているんだ。
今作はKID倒産などの事情が重なり、製作がかなり長期化・難航したらしいが、もちろんそんなの理由にはならない。
フラグ管理は、読みゲーで唯一と言えるゲーム性である。ただでさえゲーム性が少ないのに、ここをサボってどうするのか。
明らかな手抜きであり、明確な欠点である。はぁ。





シナリオの問題点として、もう一つ「説明台詞が異常に多い」というものがある。
今作は自我・識閾下ネタを筆頭に、多くの雑学がシナリオに組み込まれている。
しかしこちとら日々ゲームしかやってないような低能ユーザー、偉い人が考えたご高説をそのまま並べられても眠くなるだけだ。
そこで制作者様が取ってくれた俺への配慮は、徹底的な説明の嵐。「説明しましょう」が大好きなアニメキャラは誰だったかな。懐かしいな。
そんなわけで、プレー中頻繁に挟まれる「錬丸くん、〇〇ってご存知ですか?」の数々。多すぎ。長すぎ。ウザ過ぎ。
もちろん説明が無駄になってるわけではない。シナリオの理解に必要だからこそ説明が入っているのだ。
説明が入らなければ用語や現象の意味が分からず、今よりもっと不愉快な気分になってたのは間違いない。説明は悪くない。
けど今作の説明量は、どう考えてもやりすぎ。多すぎ。長すぎ。ウザ過ぎ。
なんちゅーかなぁ、本編を理解するのに分厚い別冊設定資料集の読破を要求されてるような感じかなぁ。黒猫には悪いけど。
説明が入るとシナリオの流れは一旦止まるので、テンポが悪くなるという欠点もある。
今作をプレーしていてもどうもスッキリしないのは、この辺にも理由があると思う。


あと、これは俺の根性が曲がってるからかもしれんが……こんだけ説明が多いと何か自分が馬鹿にされてるように感じるのよね。
いちいちしつこく「〇〇って知ってる?」と問われる。時には5択の問題を解かされ「正解です、すごいですね」とか褒められる。
うーん、お前、俺のこと舐めてない? あ? 2次元キャラ如きがチョーシこいてんじゃねーぞこの野郎。電源切んぞ。
割とマジで、腹が立った。無知で悪かったなコラ。ゲームすんのにそんな知識が要るなんて初耳だわ。舐めんな畜生。
さすがにこれは言いがかりに近いが、プレー中不満に思ったことは確かなんで、一応書いておく。
多すぎる説明台詞が全部悪いんだよ。スッキリしない。はぁ。






キャラ。
今作には当然多数キャラが登場する。
ギャルゲではないがギャルゲ寄りの作品ではあるので、全員アニメ調の美形揃いだ。
しかしこれがまた酷い。ハッキリ言って好きになれるキャラが一人もいない。……ちょっと言いすぎかもしれんが。
全体的に、キャラがいちいちシナリオの都合で動かされてるように感じた。目的はシナリオの完走であり、全ては神の命令。
キャラの意志が感じられないのだ。
そこに説明過多やゴチャゴチャ展開が重なり、ものの見事に魅力薄なキャラ勢揃いになってしまっている。
前作までは、好き嫌いはともかく「立ってた」キャラが多かったが、今作では誰にもそれを感じなかった。
シナリオという神、識閾下に操られるキャラ達……と言えばそれっぽいかな。違うか。はぁ。



・雅堂錬丸

やや熱血タイプのどこにでもいる少年……と思いきや、警察公安部が適正Sランクを認めるほどの超有能高校生だった。
話を進めると、頭脳や知識量があり得ないほど優れていることが徐々に判明する。なんなんだコイツは。
非常に露骨な超人設定に、感情移入出来るわけなかった。なんでここまで有能にしたんか理由が分からん。
それを除いても、8年も会っておらず、再会後も特別な感情を見せなかったミュウを唐突に「愛する者」とか言う感性に全く同調できなかった。
錬丸とミュウのラブコメは一応物語の大きな見せ場ではあるのだが、説得力のなさは作中でもトップクラスである。
大体2004年頃の別離なら、電話でもメールでも何でも、連絡手段は幾らでもあるだろう。何故音信不通になるんだ。
ついでに声がイメージに合わず、演技も下手糞に感じた。超スゲーのにダメ主人公。はぁ。


・三島鳴海

27歳キャリアウーマンお姉さん……のはずが、錬丸以上にシナリオの都合で動かされていた哀れな人。
体験するあらゆる情報を克明に記憶する「サイクロペディア症候群」という、特技とも病気とも言える特質を持つが、
それも結局シナリオ様の都合で搭載されたとしか感じなかった。見た目はいいのに、勿体無い。
最終的にはヒロインの立場や大手町までをマイナに取られた感じがする。実に気の毒な主人公だ。
説明書のキリッとしたイラストが一体何だったんだろう。はぁ。


・高江ミュウ

「とにかく可愛い子にしよう」とデザインされたらしいが、全く可愛いとは思わなかった。
ギャルゲじゃ珍しくないが、年の割に幼すぎる言動・行動は今作の雰囲気には合ってないと思う。「ありんちょす」とか外しまくりだ。
8年間一途に錬丸を想い、約束を覚えていたのは好感度高いが……相方があのザマなんでサマになっていない。
ところでトラックの空中運搬はどうやったんスか? 作中最大クラスの謎である。


・霧寺メイ

ロクな人がいない今作の中、唯一決まっていたのがこのキャラ。声がシェンムー松風氏なのも好感度高い。
最初は冷酷で暴力的な100%の悪役だが、実は錬丸など足元にも及ばない深く重い目的で動いていた。
どう考えても錬丸よりカッコ良い。そら最後にミュウの態度にブチ切れてボコるのも分からんでもないわ。
ただ、もうちょい上手く立ち回ってほしかったとは思う。根が暴力的ではあるんだろうな……。
ED後は錬丸らと無難に友達になり、戦いつつも楽しい生活を送ってほしいもんだ。


・マイナ

説明おばさん。悪いな。とにかく説明説明。アホで悪かったな。こんな人と一日中話してたら俺なら絶対キレるわ。
終盤明かされるその秘密と立場はなかなかに悲劇的で、菅野3部作の一つ「DESIRE」を思い出した。
EDを迎えてもマイナの問題は解決しておらず、恐らく次回作以降の伏線なのだろう。……出るかどうかは知らん。
20年間殆ど誰とも会話せず生きてきて、まともな成長してるのは非常に不自然だと思うんだが……まぁこれは突っ込みが野暮か。
もっと錬丸に迫ってミュウと三角関係をやらかしてほしかった。結局初恋のお兄ちゃんに執着しなかったのは残念である。
一方で大手町は見事に略奪してたな。ありゃスゲェ。鳴海さんとの対面が楽しみである。


・星野遊々

見た目は一応美少女なのに、ハイレベルなキチガイキャラ。思想も行動も危なすぎる。霧寺よりよっぽど危険人物だ。
「銃は絶対ダメだが鉄パイプで殴り倒すのは可」「血液の赤は最高」など、檻の中に入れるべき発言多数。
華奢な体なのに、何故か戦闘に絶対の自信を持っていたが、その理由は結局明らかにされなかった。誰かがコイツ半殺しにすべきだろう。
それでいて「リーダーの資質がある」と作中で描写され、最後は主要キャラ全員の大将の座に収まる。
いや、アホか。EDまでゲームをやって、このキャラの好感を持ったプレーヤーなんて一人でもいるのか?
こんな奴に纏められて納得してるメンバーが一人でもいるのか? 全く納得できなかった。
プレーヤー側に立っていながらここまでキチガイなキャラはそうはいないだろう。しかも女だ。この珍しさが最大の売りだろうか。
制作者が何を狙っていたのかさっぱり分からんキャラである。Remember11の黛を思い出した。あっちの方がずっとマシだったが。


・チサト

影で表で色々と頑張ってくれた功労キャラだが、本人の意志がどこにあるのかよく分からず、やはり神の操り人形な感じ。
まぁミュウに恩義を感じてるのは分かるが……それだけだとちょっと弱い。
ミュウと比べると乳が足りないから立ち絵ではすぐ見分けがついた。あはは。


・大手町
霧寺に次いで良かった男キャラ。あーいうイケメンになってみたいねぇ。無茶言うな。畜生。
鳴海と別れてマイナに走ったのはイカスな。イケメンは体に執着しないんだろう。はぁ。


・タンゴ
物足りない。取り敢えずファッションセンスがダメだと思った。ピンクのポロシャツはダメだろう。


・鳴海の両親
良い夫婦ではあったようだが、自分の子供に人体実験を施したのはリミナリティと変わらん。
ある意味では悲劇の発端となった人らである。余計な事しなけりゃよかったのに。




改めて見ても、シナリオの都合で行動し、性格や言動が決められたキャラばかりだったと思う。
週刊ジャンプで漫画を描くコツは、ストーリーより何より「キャラを立てる」ことであるらしいが、今作はそれと正反対の手法を取っていると言える。
もちろんキャラを立てるのが正解と言うわけではない。ここでも結局、面白いものが作れれば、方法論は何でもいいのだ。
今作の、シナリオを最重要とするやり方も、それはそれで構わない。全ては出来上がった作品次第だ。
……で、結果は、残念でした。とことん魅力のないキャラ達。もう今作はホモ解禁だ。霧寺×大手町でいいよ。俺が許す。
はぁ。





グラフィック、これも実は酷かった。
売りの一つであるはずの1枚絵に驚くほど低品質なものがたくさんあり、逆に印象的だった。
今の時代にあのレベルの1枚絵はないだろう。同人以下だぞ、マジで。PSP版ではあれらが修正されてるんだろうな。
読みゲーの世界は、文章はともかく、キャラの立ち絵と1枚絵CGに関しちゃどうも気合が足りてないと思う。
質もそうだが、何より量だ。キャラの立ち絵はもっともっと多く用意しないと、会話時の表情やポーズが不自然に見えて仕方ない。
単純な手抜きだよなぁ。立ち絵に量に満足したギャルゲ系って見たことがない。はぁ。

あと、今作は展開にEver17的ネタも使用しているんだが、それに絵の描き分け不足を利用していたのは、ハッキリ言って不快だった。
それは手法じゃなく、反則だろう。まさか下手糞な絵にしたのはこの理由の為だったのか?
騙されるのは大歓迎だが、こんな詐欺紛いのネタじゃあ納得などできるわけがない。神の立場を曲解すんなよ。はぁ。




音楽は、KID時代からお馴染みの阿保剛氏が今回も担当している。
そして今回も安心の阿保クオリティ。もちろん褒め言葉だ。この人だけはメモオフシリーズも含め、毎回良い仕事をしている。
ジャンルがジャンルだけにあまり名を知られていないが、俺の中ではもう立派なゲーム音楽の大御所の一人である。これからも頑張って欲しい。
ちなみに限定版にはサントラCDが同梱されているのだが、これが何と2枚組で、恐らく全曲収録の逸品。
ゲームの限定版にサントラが付くのは珍しくないが、こんなほぼ製品クラスの品にするメーカーはあまりないだろう。
もちろんありがたく聴いている。タイトルデモで流れる「Integral」が一番気に入った。
優れたゲームBGMを聴き、そのゲームのことを考える。大好きだねぇ。ある意味プレー中より……いや、言うまい。はぁ。







ふぅ。
今作が発売されたのは、今から約3年前。しかし未だ、インテグラルシリーズ2作目の情報は皆無だ。
今作は(も?)値崩れが激しかったから、あまり売れなかったんだろう。このままシリーズは自然消滅するかもしれない。
かつてKIDの柱だった、俺が好きなメモリーズオフシリーズも、しつこいくらいに続編を出してはいるが、売れてはいない。
反面、5pbになって発売した「カオスヘッド」「シュタインズゲート」は大好評を博している。
シュタゲの方は、それこそEver17級に評価が高いようだし。凄いなぁ。よほど面白い読みゲーなんだろうなぁ。

なんかもう、旧KIDの遺産が時代遅れになり、新たな潮流に呑まれていってるのが明らかだね。
それでも作品が出続けてたのは、社長の志倉千代丸氏の意向だったのではないかと俺は推測している。
氏はKID時代からの人だから、特にメモオフシリーズは愛着があるのだろう。とか。ファンとしちゃありがたい方向性だった。

……が、そんな5pbは先日ドワンゴに買収され、子会社となった。その是非は俺には分からん。分かりようがない。
ただ今後は当然、経営に親会社の意向が働くようになるだろうことは分かる。これまでのように5pbのやりたいようには出来ない。
その状況で、既に売れないことが見えてきているKIDの系譜にあるシリーズの継続を、果たして親会社が認めてくれるのか。
そして仮に製作にOKが出ても、このシリーズほどネタ出しに苦労する作品はそうはないだろう。
更なる「今までにないあっと驚くネタ」を出せるのか。今作ですら、Ever17へのオマージュに近い部分があったのに。
色んな意味で、前途は多難である。取り敢えず、新作の情報を待つしかないよな。



俺としては、一応これでシリーズ全作やったことになるから、それなりに愛着がある。
新作が出たら今度は発売日からチェックするように考えておこう。
その為には一にも二にも発売してもらわなきゃならんが、それは製作側が頑張るしかない。懲りずにやったってくれ。
一応関連作として、もうすぐEver17のリメイクが発売されるが……あれをネタを知った上でプレーするのはちょっと苦しい。
よって訴求対象は新規プレーヤーになるだろう。いやかつての熱心なファンが金を落としてくれるのかな?
いずれにせよ、たくさん売れてくれて、インテグラルシリーズ再開のきっかけになってくれればいいが……。
俺もたまにゃーお布施買いとやらをやってみるかねぇ。まぁ考えておこう。



読みゲーのゲーム性の少なさには、製作のし易さ・コストの安さというメリットがあるとも言える。
ゲーム製作に只管金がかかり、技術が求められる現行ハードでは、恐らく最も作り易いジャンルであろう。
だから素人が作る同人の世界でも読みゲーは多いし、その中から「月姫」や「ひぐらし」などの一級品が生まれるという現象も発生した。
それでいて、ゲーム性を作り込む余地は十二分にある。蔑まれるどころか、実はとても魅力的なジャンルではなかろうか。
ゲーム性が低いという欠点があるから、読みゲーばっかしでも困るが、読みゲーがなくなるのはもっと困る。
バリバリのアクションをやり込んだ後に、ボケーっと文章を読み音声を聴くのも乙なもんだよ。
結局面白ければそれでいい。何とも単純な結論だな。



せめてワールドワイドに展開できればなぁ。言葉の壁は果てしなく厚くて高い。
読みゲー、ある意味現代日本のガラパゴスな現状を最も的確に体現したゲームジャンルかもしれない。
……意味不明だな。はぁ。








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4 コメント

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あどべんちゃあ (S・R)
2011-06-24 22:58:03
大抵のジャンル:ADVはぜんぜんアドベンチャーじゃないですが、たまにありますよね、ノベルを読み進めて要所でミニゲームみたいのが入るやつ。
結構DSにはそういうのが多くて(どき魔女もその類型ですが)、なかなか良いのが出てたりします。といっても私もあんまり買ってないんですけどね。
そんな中で当たりだったルクス・ペインをお勧めしておきます。マップを選ぶどき魔女式が嫌いならちょっと不安ですけど、まあどこにイベントが起こるか推理するところから始まると思えば……
読めるようで細部は読めない展開とキャラ萌えと推理と中二が絶妙のバランスで噛み合ってる秀作だと思います。
セーブシステムとかかなり前のフラグ立ててないとサッドエンドで途中終了とか、攻略見てないと心が折れかねないですけど。まあ基本失敗しなければ大丈夫だし。
値段は……買った時は2000円?1500円だったかな……まあお買い得ですよ。
Unknown (ota)
2011-06-25 01:45:09
おおっと、行き違いになりました。
追加コメントありがとうございます。

ADVにミニゲームを付けるのは、もちろん一つの手段ではありますが、ぶっちゃけ安易でもあると思います。
もっとこう、文章とゲーム性を混ぜ合わせた、ゲームならではの作品を望みたいです。「街」や「428」のような。
読みゲーにはまだまだ可能性がある。物語の面白さにゲーム性が噛み合えば、最高の作品が作れると思うんです。

ルクス・ペイン、情報ありがとうございます。記憶しておきます。
私も実はこのジャンルに明るくないので、未プレーの良作がたくさんあります。
もうちょいアンテナ広げなきゃいかんなぁ。未プレー作にゲーム性たっぷりの神ゲーがあるかもしれない……
Unknown (SdK)
2021-10-09 03:44:09
こんにちは、お久しぶりです。

ノベルゲームやアドベンチャーゲーム(ADV)というジャンルは昔から一定の根強い需要がありますね……現状のジャンル全体としての人気の方はちょっとわかりませんが。

私は大抵どのようなジャンルのゲームでもプレイするタイプなのですが、唯一アドベンチャーゲームだけは昔から個人的に苦手でそこまでプレイしてこなかった人間なので、otaさんのプレイ感想はわりに新鮮な目線で読ませてもらっています。

苦手な理由は自分でも明白に言語化できるわけではないんで曖昧なんですが、この記事の冒頭に書かれたアドベンチャーゲームのゲーム性についての文章には少し共感する部分もあったりします。

>ただ文章を読み、ボイスを聴く。文章送りを除けば、ボタンを使うのはセーブロードと時折出現する選択肢を選ぶ時だけ。
>アクションやRPGといったジャンルに比べてプレーヤーの介入する余地が極端に少なく、ハッキリ言って「ゲーム」かどうかすら怪しい。
記事の最初にこう書かれているように、ビデオゲームとして他のジャンルと比較するとやっぱりアドベンチャーゲームはインタラクティブな要素がどうしても少なく感じてしまうんですよねぇ。
物によっては選択肢が存在しない、ただ読むだけのゲームもあるそうですし。
その昔ゲームブックなる本がありましたが、アドベンチャーゲームにはアレに近い物を感じますし、お話の出来が作品の評価を左右するという意味では、もっとシンプルに小説や映画のようなものとも思えます。(もっとも小説にもレーモン・クノー「あなたまかせのお話」やジャンニ・ロダーリ「羊飼いの指輪」など選択肢の存在する作品はいくつもありますが。)
で、そのシナリオの出来において上質な映画を見るよりアドベンチャーゲームは上なのか、文章の上手さにおいて名作小説を超えられるのか、というとどうしてもそこには心許無さを感じてしまったりするんですよねぇ。
勿論選択肢を選ぶなどADV独自のゲーム性は存在しますが、結局ゲーム性を取るならRPGなんかのほうがよほど上なわけでどうも中途半端に感じてしまうというか……。(まあ、これも小説にしたって筒井康隆「朝のガスパール」とかミロラド・パヴィチの「ハザール事典」のようなインタラクティブな要素を取り入れた作品もありますけども。)

かの名作 ゼルダの伝説 時のオカリナ のキャッチコピーに「ゲームでしか味わえない感動がある」というものがありましたが、その視点から見るとそもそもアドベンチャーゲームに限らず私がゲームに求めているものはゲームにしかない”遊び”であって”物語”では無いのかなと自分では思ったりもするんですが……任天堂タイトルのゲームならではのプレイ体験優先と取れるスタンスは好みなので。
最近の動画配信全盛の風潮もそういったスタンスに追い風なのかもしれませんね。

>このジャンルに対するそういった批判は、大昔から変わらず存在し続ける。「読みゲー」は一種の侮蔑表現である。
ノベル式アドベンチャーゲームを揶揄して「紙芝居」という表現も時折見ますね。
4Gamerで打越鋼太郎氏、イシイジロウ氏、林直孝氏などが参加していたアドベンチャーゲーム開発者の座談会記事でもちょっとだけそれに触れられていました。(この記事も面白かったですよ。)
まあ流石にそのたとえは双方にとって意地の悪い表現という気はしますがw。

>Never7の「キュレイシンドローム」に始まり、ループものシリーズは毎回作品の根幹に大掛かりなネタを用意しており、それがシリーズの大きな魅力になっていた。
個人的にこういった系のネタもちょっと苦手なんですよね……w
根幹に大ネタを持ってくるどんでん返しはエンタメ作品における飛び道具のような気がするのと、あとそうやって最後に落とす構成にするなら話はもっと短くスマートでいいのでは?とか思っちゃうので。

>一番の問題点は、単純に「難しい」ことかなぁ。つってもゲーム難度じゃなく、内容ね。
まあ、なんだかんだゲームというのはどこまで行っても娯楽ですし(というかそうあってほしい)、あんまり話が小難しくても困りますねw。いくら文学的な到達点でもジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」やベケットの小説三部作が仮にアドベンチャーゲームだったなら非難轟々かもしれないし。

>「ボタンを押すこと(他タッチパネルでも何でもいい)で画面に変化が発生すれば、それが楽しければ、何でもゲーム」
>「面白ければ、そのゲームは正しい」
>バリバリのアクションをやり込んだ後に、ボケーっと文章を読み音声を聴くのも乙なもんだよ。
>結局面白ければそれでいい。何とも単純な結論だな。
……しかしでも、結局はこれなんですよねおそらく。
私みたいに偏見で特定のジャンルを避けるよりは広い視野で多様なゲームに接するのがゲームプレイヤーとしてのあるべき姿なのでしょう。
個人的にももう少しこのジャンルに触れておきたくはあるのですが、如何せんどうしたかものかと……w。
メゾン・ド・魔王を開発したプチデポットの「グノーシア」やヘビーレインを開発したクアンティック・ドリームの「デトロイトビカムヒューマン」あたりは見た所アドベンチャーゲームのゲーム性という問題にある程度折り合いをつけたうえで評判も上々のようなので気になるところではあるんですが。
そういえばPapers, Pleaseの開発者が作った「Return of the Obra Dinn」ってミステリーアドベンチャーゲームがあるんですが、あれは良かったですね。

なんというかこう、色々言っておいてなんなんですが媒体として音楽やビジュアルという要素も込みで可能性はとてもあるジャンルだと思うので、これまで以上にゲーム性が物語と極めて完璧に不可分なシステムで作られた傑作が生まれることを期待しています。

>せめてワールドワイドに展開できればなぁ。言葉の壁は果てしなく厚くて高い。
任天堂株主総会の質疑応答で宮本茂さんがアドベンチャーゲームの制作について「ローカライズコストの関係で厳しい」といったようなことを述べられていたのを思い出しました。
まあ任天堂は最近も「バディミッションBOND」や「リメイク版ファミコン探偵倶楽部」を出してはいましたけども。

最後に、10年以上も前の記事なのに今更本当に長々とコメントしてすみません。
Unknown (ota)
2021-10-14 01:26:44
SdKさん、どもです。

>ノベルゲームやアドベンチャーゲーム(ADV)というジャンルは昔から一定の根強い需要がありますね……
俺は読みゲーをやる度に廃れた廃れたと連呼する失礼な奴なんですがw、そうは言いつつ絶えずに出続けてはいますね。
現行ハードの性能に良くも悪くも影響されないので参入障壁が低いというメリットはあると思います。

>やっぱりアドベンチャーゲームはインタラクティブな要素がどうしても少なく感じてしまうんですよねぇ。
一本道のタイプだと操作としてはボタンをテシテシ押すだけになりますからね。相当、話や絵に魅力がないと緊張感が出ません。

>で、そのシナリオの出来において上質な映画を見るよりアドベンチャーゲームは上なのか、文章の上手さにおいて名作小説を超えられるのか、というとどうしてもそこには心許無さを感じてしまったりするんですよねぇ。
ガチで比較したら、やはり分が悪いでしょう。ただシナリオの分岐はゲームならではの強みとして機能しますよね。
ちなみに俺は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」というラノベが好きで、この作品はもうとっくに完結したんですが、
近年になって「〇〇ルート」という別ヒロインをメイン据えた続編を発表してまして、ゲームの強みを小説が食うなと思いましたw

>筒井康隆「朝のガスパール」とかミロラド・パヴィチの「ハザール事典」のようなインタラクティブな要素を取り入れた作品もありますけども
なんと、そんな小説があるんですか。覚えておきます。……すんません、俺はほんまゲー漫画ニメばっかの人間なので……。

>4Gamerで打越鋼太郎氏、イシイジロウ氏、林直孝氏などが参加していたアドベンチャーゲーム開発者の座談会記事でもちょっとだけそれに触れられていました。(この記事も面白かったですよ。)
おお、未読でした。これは読まなきゃ。ありがとうございます。

>個人的にこういった系のネタもちょっと苦手なんですよね……w
ここは意見が違いますね。俺はこのシリーズのネタは非常に画期的だったと思います。特に「Ever17」は殿堂入りでした。

>まあ、なんだかんだゲームというのはどこまで行っても娯楽ですし(というかそうあってほしい)、あんまり話が小難しくても困りますねw。
「Remember11」と今作はキッチリと理解するには相当難解ですね。その前の2作品は物語の仕掛けだけで楽しめるんですが。

>任天堂株主総会の質疑応答で宮本茂さんがアドベンチャーゲームの制作について「ローカライズコストの関係で厳しい」といったようなことを述べられていたのを思い出しました。
面白いものほど、「日本語故に」てとこがありますからね。両言語に通じてるだけでなく、センスもある翻訳家なんてそういるのか……?
逆に洋ゲーの翻訳に違和感をおぼえることは今も非常に多く、つくづく言葉の壁は厚いと思います。AIさんに期待するしか。

>最後に、10年以上も前の記事なのに今更本当に長々とコメントしてすみません。
ははは、冗談は止めて下さいよww 10年て、そんなわけないでしょ。
…………は? いやいやいや。マジ? 嗚呼……。

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