腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

暴れん坊プリンセス

2012年01月21日 19時43分38秒 | PS2ゲーム感想文
4年程前に、中古100円で売ってたから速攻買った。
缶ジュース以下の金で俺のゲー棚に1本ソフトが増える……
身悶え必至の快感である。投売りゲー購入に他の理由は一切不要。
そこにワンコインゲームがあるから。この胸のときめきはいつまでも褪せない。


……いやいや、ないない。いくら俺でも安いゲームなら何でもオッケーってわけじゃないんだぞ。多分。
今作を購入したもう一つの理由は「桝田省治だから」だ。発売当時からそれを知っていて、脳内チェックはしておいたのである。
桝田省治。一般的な知名度はほぼ皆無だが、ゲーオタの中では有名だろう。「濃いファンが多い」クリエイター様だと思う。
そんな桝田氏と俺の縁は、一にも二にも「天外魔境Ⅱ」だ。あの比類なき大傑作の面白さは、今更語るまでもない。
様々なクリエイターの才能と、多額の制作費がつぎ込まれた、超大作RPG。90年代のゲームを語るに欠かせない伝説の1本である。
桝田氏はその天外Ⅱのゲームデザインとシナリオを担当した人物である。俺が氏のファンになるには至極当然の流れだった。

が、実は俺、桝田氏の関わったゲームは天外Ⅱ以外全くプレーしていない。
「リンダキューブ」「俺の屍を越えてゆけ」「ネクストキング」など、90年代後半に氏は大活躍していたが、全てスルーした。
どうやら俺は桝田ファンである前に、天外ファン、いや天外Ⅱファンであったようだ。待っていたのは氏による天外新作だったのだ。
……だからこそ、「天外魔境Ⅲ」を巡る一連の騒動に納得がいかず、とても他のゲームに手を出す気にはなれなかったのである。
天外Ⅲ消滅事件に桝田氏の責任はないのかもしれないが、いちユーザーの俺にはそんなの関係なかった。
ホント、あれはなぁ。あんなにファンに惜しまれた発売中止作品も珍しいだろう。はぁ。


つーわけで「暴れん坊プリンセス」は、天外Ⅱ以来、俺にとって実に約20年ぶりとなる桝田ゲームである。そう考えると感慨深いな。
つっても強い興味があったわけではなく、前述のように投売りだったから買ったまでだ。そして最近まで放置していた。
何となくPS2を動かしたい気分だったので、手持ちゲームからどちらにしようかな天の神様の言うとおりで選んだ次第である。
プレー開始時のテンションは低かった。じゃあゲームすんなよ。俺は一体何をやっているんだろう……。

発売は2001の11月。約10年前、PS2にエンジンがかかり出した時期だな。
今作については、桝田氏作である事の他に、ユーザー評価が低かったこと、あまり売れなかったことも記憶していた。
90年代は華々しい活躍を見せた桝田氏も21世紀に入ると衰えてしまったのか、良い評判を聞かなくなってしまった。
今作はその先陣を切った1本と言うと失礼だろうか。確か発売前は桝田新作として盛り上がってたんだけどな……。
今更こんな古くて評判の悪いゲームに触れるのだから、まぁ多少割引して見るようにはする。
だが「たった10年前」とも言える。そこまで古い作品ではない。容赦なく取り組ませてもらう。どっちやねん。
まぁいい、とにかくプレーするだけだ。ゲーム内容が全てを明らかにしてくれるさ。いざ。はぁ。



うーん……。これ、ダメだろう。不評は妥当だと思った。
それもグラフィックや音楽ではなく、ゲームシステム、デザインが非常にダメだと感じた。
これでは桝田ブランドに傷が付くのも頷ける。残念ながらそう言わざるを得ない。


桝田氏はクリエイター様だが、もう少し詳しく紹介するなら「ゲームデザイナー」と呼ぶ人が多いのではなかろうか。
どんなゲームにも、根幹にそのゲームの軸となるゲームシステムがある。それをデザインする人物こそ、即ちゲームデザイナー。
桝田作品にはどれも優れたゲームシステムが搭載されており、ユーザーの支持を得てきた。
更にそこに「桝田節」とされる毒気のあるシナリオが加わり、システムと相俟って桝田ゲームは益々その魅力を増していたわけだ。

なのに、今作のシステムのダメさったら。いや「無さ」と言った方がいいかな。
一応ジャンルを「RPG」と謳っちゃいるが、とんでもない。これをRPGと呼んだらスクエニ社長に怒られるよ。
確かに、今作にRPGがRPGである為の要素「戦闘」は存在する。きちんと作られたシステムを伴って。
だが戦闘の機会は原則的に1章につき1回、ラストの章ボス戦だけ。雑魚戦等は一切無いのである。
そして物語は全8章。つまり今作の戦闘は、ほぼ8回しか発生しないのだ(例外はある)。
これは一体何なのか。少なくとも一般RPGにおける戦闘の概念からはかけ離れている。イベント戦と呼ぶ方が適切だと思う。
雑魚戦がない。成長要素もない。武器や魔法は自動で用意されるものから選ぶだけ。金の要素がないからアイテム購入等もない。
今作が自称する「RPG」を額面通りに受け取り、期待した人はほぼ全員が盛大に裏切られたのではなかろうか。どこがやねん、と。
確かにこれはちょっと酷い。ジャンル詐称……はさすがに言い過ぎか。いやいや。いやいや。



しかしながら、戦闘についてはまだマシな方なのである。回数は少ないものの、システム自体はちゃんと作られているからだ。
問題は戦闘以外の部分だ。戦闘回数が異常に少ないということは、ゲームの大部分はそれ以外が占めるということになる。
しかし……これが、ぶっちゃけ「ない」んだよな。今作には戦闘以外にシステムと呼べそうなものが見当たらないんだよ。
RPGらしく会話とコマンド選択で物語を進める、一言で説明するとこれ。そして一言以上の説明は不要。
前述のように成長要素がないから、メニュー画面を弄るようなこともない。金の要素がないから買い物その他のお楽しみもない。
またシナリオは完全一本道で、道草の要素は一切無い。サブイベントの類も清々しいほど一切無い。
そしてシナリオは徹底的に「お使い」で、どこそこへ行け、ばかり。目的地に辿り着けば自動でイベントが進行する。
謎解きの類も皆無で、進行に頭を使うことも更々ない。3択選択肢だけは頻繁に登場するが、悩むようなものではない。


今作の最大の問題点は「退屈」に尽きると思う。俺今作で、久々にゲームやってて寝落ちしたもん。マジで。
ゲームにハマって止めるに止められず寝落ちするのならともかく、やってて退屈で退屈で思わず瞼が落ちてしまったのだ。
ハッキリ言ってゲームソフトにとっては最大級の屈辱であろう。いちユーザーとして俺はそれを与えてしまったのだが、悪いとは思わない。
実際本当に退屈で、欠伸が出て、だんだんボタン押すのも億劫になっていったからな。
簡潔に言うなら、つまんなかったんだよ。全然面白くなかったんだよ。これでユーザーを引っ張れると本気で思ったのかよ。

今作は、やはりジャンル設定を間違ったと思う。戦闘の少なさを抜きにしても、RPGを名乗り、その体裁を取るべきではなかった。
進行は完全一本道で、謎解きも買い物の要素もない。これならいっそ、コマンド選択式アドベンチャーにした方が適切だった。
ゲーム中、様々な場所に移動をさせられるが、その行為の無意味さはシュールですらあった。ちなみに移動スピードも遅い。
これならコマンド一つで「〇〇へ行く」にした方がスッキリするし、退屈さも緩和されてもう少しゲームが面白くなったことだろう。
無理に「RPG」の形にしただけで、中身はスッカラカンどころではない空虚なもの。
このゲームをデザインした人はゲームデザインのセンスがまるでないと言うしかない。
つまりそう言うことである。センスがないなら、せめて時間をかけて肉付けする気概はなかったのか。
はぁ……。



退屈で退屈な物語部分を我慢して乗り切ると、章の終わりにご褒美戦闘シーンがやっと挿入される。
ここは今作唯一のゲーム部分だけあり、一応キッチリ作られてある。考えなければ勝てないし、事がうまく運ぶと気持ち良い。
面倒だから詳細までは書かないが、行動の相性を考えてコマンドを決めるのはそこそこ楽しかった。
かと言って理詰め一辺倒ではなく、いや寧ろ運の要素が強いのもテレビゲームらしい。運が良ければかなりあっさり勝てたりもする。
ただ敵のHPが高く、演出が挟まれることもあり、戦闘時間が長いのはネックだった。
その意味では1章に1回、ボス戦だけがあるというのは適切だったのかもしれない。
相性システム自体は面白いんだから、もっと練り込んで軽量化し、雑魚戦も作ればよかったのにと思う。
そこそこ面白いがクリア後にやり込むほど楽しいものではなかった。

戦闘システムは良いとしても、戦闘画面の構成や演出等がやけに低レベルで、何だか素人臭かった。
特に攻撃ムービー前にダメージ量が表示されるのは頂けない。あれじゃムービーを見る価値が激減してしまうだろうが。
このゲーム、偉そうに言うと「プロの凄み」を全然感じないんだよな。質の低さや甘えた手抜き等がいちいちシロート臭い。
俺は桝田氏をプロだと思ってる(事実だし、本人も天外Ⅱの時にそう自称してた)から、この落差にはガッカリしたんだよ。
なんでダメージ表示が先なの? なんで倒した敵をまだ攻撃対象に選べるの? インターフェースに工夫の余地はないの?
俺如きにこんな事グダグダ突っ込まれてどうするよ。はぁ。


今作の戦闘キャラには「やる気」のパラメータが設定されている。これは戦闘の方々に作用する、非常に重要な数値となっている。
各キャラのやる気値は物語部分での選択肢やプレゼントで上下し、その状態を引き継いで章の終わりに戦闘突入というわけだ。
これが物語部分唯一のゲーム性であり、その意味では選択肢決定は重要だ。戦闘の有利不利に繋がるんだから。
……しかし、これもまたなぁ。悪いと言うか納得いかないと言うか、快感要素が薄すぎると言うか。
キャラのやる気値は、プレーヤーによって上下させられる。だが実は、「全キャラのやる気値総数」は、常に一定なのである。
つまりキャラAのやる気値が10上がれば、他キャラのやる気値総数は必ず10下がっている。例外はなく、絶対にそうなる。
よって今作においてやる気値の良いとこ取りは不可能。高いキャラを作れば低いキャラが生まれる。
プレーヤーは次の戦闘でどのキャラをメインに据えるか、或いは全キャラ平均的に使うか、考えながら選択肢を選ぶ必要があるわけだ。

このシステムには納得がいかない。気持ち良さがまるでない。もちろん面白くもない。
とにかくあらゆる選択肢において「必ず」誰かの機嫌を損ねてしまう。言うならば、俺の考えをいちいち否定される。
例えば、子供が車に轢かれそうになってる場面に遭遇したとして、その時の選択肢で「助ける」を選んでも、機嫌を損ねるキャラがいるのである。
それでもキャラの好みがハッキリしていて「この選択肢ならコイツのやる気は落ちるな」と読めるならまだいいんだが、全然そうではない。
キャラのやる気が上下する理由は正直理解不能で、何故この選択を嫌がるのか、何が気に入らないのか、さっぱり見えない。
まぁ「その場にいないキャラのやる気値すら上下することがある」という時点で破綻してるのは明らかだな。どんな魔法だよ。
完全に「やる気値は全キャラで常に一定」というシステムに引き摺られて、ゲームの魅力をガタガタにしてしまっている。
製作者が「こうする」と決めた時点で思考停止してるのか、それが面白いのかどうかを考えていないように見える。
せめてやる気値上下はプレゼント時だけにするくらいの調整はできなかったのか。
このシステムのせいで、シナリオ進行中頻繁に登場する選択肢が不快なだけの存在になってしまっている。2重に失敗している。
緊迫した場面でも選択肢の時は常におちゃらけた曲が流れる等、例によって演出的にもレベルが低い。はぁ。


それと、戦闘に参加しないキャラのやる気値も上下するのはどう考えても納得できない。
今作にはメインキャラが6人登場するが、戦闘参加は4人まで。それ以外はシナリオの都合により不参加となる。
それは別にいいのだが、問題はやる気システムがこの戦闘不参加者にまで適用されてしまうことだ。理解不能である。
不参加者が誰なのかシナリオ序盤ではまだ判明せず、「この章のメインにしよう」と思ってたキャラが、実は不参加だったという事態も発生する。
ホント、一体何をしたいのか、させたいのか全く分からない。普通に考えれば、4人のキャラをプレーヤーに選ばせるべきだろう。
これも「固定の参加者」でないと戦闘バランスを取りきれなかった製作者の無能なのだと思う。
痛快娯楽作品じゃなかったのかよ。プレーヤーを楽しませようと作ってるんじゃないのかよ。



はぁ。
システムに関しては、戦闘部分以外ダメダメと言うしかない。となれば残る魅力はシナリオしかない。
「桝田節」とされる毒っ気のあるシナリオは今作でも健在で、この点においては桝田健在を感じることができた。10年前だけど。
システムがスッカラカンなせいで非常に退屈ではあるが、話の中身そのものは悪くないと思う。
魔物の正体や狙いが徐々に明らかになる作りは楽しめた。狭い世界で話が展開するのも、理解しやすいという点ではよい。
ラストのご都合主義はどうかと思ったが、考えてみれば天外Ⅱでもこんな感じだったよな。エンターテインメントというやつなのだろう。
殆ど意味のない今作での移動シーンだが、桝田的な住人の話を聞いて回ることは楽しいと言えなくもない。
ここは天外Ⅱのそれを思い出したな。ゲームで製作者が最も語りたい本音は、案外主人公じゃなく名無しのNPCに言わせてるのかもしれない。
まぁそれもマップが無意味に冗長だったりして、ゲームの売りとはとても呼べんがな。はぁ。


キャラクターは、一応個性的な人物が揃っていると思う。これも桝田節なのか? よう分からん。
主人公・ルージュはある王国の姫で、「世界で一番、私が正義!」とブチ上げ、魔物に乗っ取られた王国の諸問題解決に立ち上がる。
「暴れん坊プリンセス」とは「暴れん坊将軍」のパロディなのだ。他「水戸黄門」等の時代劇全般をパロッてるのかな。
ただ時代劇ほど綺麗な勧善懲悪ではなく、敵は「倒す」ではなく「殺す」である等、今作らしい毒も色々感じられる。
ルージュ自身も正義正義言う割に、ガキ時代は平然と万引きをしてたり、正直ただのDQNに思えなくもない。
ゲーム開始時まで魔物のやりたい放題を放置していたくせに何を言ってるんだとも思う。突っ込みが野暮かなぁ。

ルージュも含めて、今作のキャラには「魅力的だけど好きになれない」という妙な感想を抱いてしまった。
どのキャラも立ってるし、よく動く。声優も豪華。けど何か好きになれない。毒、悪い部分は感じるのに。
思うに、今作のキャラには「媚び」が足りていないのではないか。それどころか、意図的にそういった要素を排除しているのではないか。
例えば、メインキャラにはルージュ含めて3人の女がいるが、全員乳なしである。一人は大柄なオカマですらある。
一応「美少女もの」と呼べそうなゲームにおいて、巨乳キャラを出さないなんて選択肢があるだろうか。あり得ない、と言っていい。
この点に限らず、今作は装丁がオタっぽい(悪口ではない)のに、中身に媚び(悪口ではない)が全然なく、中途半端に感じてしまう。
一応ルージュとシオン(プレーヤーキャラ)は好きあっているようだが、どうも友達レベルのようだし、もう一人の幼馴染み・アッシュも同列に存在する。
よってラブコメとしても全く萌えることができず、面白くない。3人の強固な絆が色恋で崩れる過程を描くくらいできなかったのか。
ゲスト美少女を出してシオンに惚れさせ、ルージュにムキーとさせるとか、他にも考えられるテコ入れは幾らでもあるぞ。
今作は時代劇のパロディだが、章立て構成やオープニングデモを見るにアニメを意識して作られていると思う。
なら作風やキャラも、もっとアニメ寄りにして媚びればいい。それで桝田節が損なわれるとは俺には思わん。
多分桝田氏がそういった要素を毛嫌いしているのだろうが、ンな我侭言ってたらこの厳しい2次元業界を渡っていけねーよ。
まぁそもそもキャラクターデザインからしてなぁ……。上手い下手分からんが、俺この人の絵は好きじゃない、な。


グラフィックについては、意外と頑張ってたと思う。当時のPS2ではそこそこのレベルだったのではないだろうか。
「キャラのフェイスパターンが非常に多い」と説明書で製作者が自賛していたが、確かに実に表情豊かだった。
システム不足から来る「退屈」のせいでイマイチ世界に入り込めなかったのが惜しい。
それと、今作の不評には「ロードが長い」という声が非常に多く、プレー前はかなり身構えていたが、実の所大したことはなかった。
確かに短くはないが、耐えられないほど長いわけでもない。声を荒らげて批判するほどの出来とは思わない。
ロード時間問題はハードがPS2に移行してからは劇的に改善し、現在じゃ殆どロムカートリッジと変わらん快適さのゲームも多い。
そのレベルで見たら、まぁ確かに今作のロードは多くて長いが。うーん。まぁ自分が気にならなかったのは良いことだろう。



ふぅ。
今作の説明書には、欄外にスタッフコメントがギッシリ書かれていて、製作者に愛されてたんだなぁと思った。
だが実際にゲームをやると、寧ろ製作はダラダラと纏まりがないまま進行したんじゃないかと感じてしまった。
スタッフコメントも、無理矢理書いただけなんじゃないかと。ゲームから熱さが伝わってこない。そうあるべき作品なのに。
EDは一応めでたしめでたしで終わるが、その後オマケとして続編の展開をダイジェストで見せるムービーが挿入される。
つっても別に決定版ではなく、2周すると違うムービーが流れるらしい。桝田氏曰く「どれが気に入ったか報告してほしい」とのこと。
つまり発売当時から続編製作が半ば決まっていたのだ。それがポシャッたのは、販売不振と低評価のせいと考えるしかなかろう。


今作の後、桝田氏は「我が竜をみよ」を生み出したが、これまた評判が悪く、この辺りで業界から一旦消えたように記憶している。
その後もゲーム製作を止めたわけではないだろうが、目立った活躍はなく、正直もう表舞台には出てこないだろうなと思っていた。
だがそんな折発売された「俺の屍を越えてゆけ」のPSPリメイク版は、見事10数万本のヒットを実現した。俺、これには非常に驚いた。
そういや俺屍は、オリジナルのPSアーカイブス版もDL数がトップクラスに多いらしい。天外Ⅱを除けばこれが桝田氏最大の人気作なのだろう。
ともかく現代においても俺屍人気が健在であることは分かったから、今は恐らく続編の製作に入っているのではなかろうか。
VITAで豪華に作れば、濃いファンとの相性も良いような気がする。大ヒットは望めなくても、ハードの足固めには最適だ。
何だかんだで現代において、プロデューサーではなくゲームデザイナーとして名のある人物は貴重である。
ゲームデザイナーが作ったゲームは、間違いなくその人の作品。当たり前の事だが、プロデューサーなら良くも悪くもそうは断言できない。
今後もキッチリ名前を前面に出し、名誉と批判を一身に受けながらゲームデザイナー業を続けて欲しい。
もう50歳を越えたようだから、オッサン狙い撃ちのゲームなんてどうですかね。需要はもっさりあると思いますよ。
俺も、今作をプレーしたことで、一応縁はできたと思っておく。一応な。


前述した説明書でのスタッフコメントにおいて、最初に書かれてるのはもちろん桝田氏の言葉だ。そこにはこうあった。

『辰年に待望の娘を授かった。そりゃもう、うれしかった。この気持ちをナニか形にして残しておきたいと思った。で、考えたのが竜を右腕に宿す
元気なお姫様の物語。つまり暴れん坊プリンセスだ。10年くらいして我が娘がこのゲームをプレイする日を今から楽しみにしている』

現在は発売から10年と少し、娘さんは今年12歳か。丁度桝田氏の念願が叶い、今作をプレーしている頃なのかもしれないな。
はてさて、娘さんの反応はどんなもんだろう。
「お父さんこれつまんないよ。それよりモンハン3G 買って」とか言って父親を号泣させてたりしたらちょっと面白いな。
いや嘘嘘、製作の理由に感激し、古いながらも楽しんでプレーしているものと願っておくよ。
んで次は、思春期を迎えた娘さんに授けるゲームでも作るのはどうですかね。エロい意味はないよ。
まぁとにかくゲームデザイナー・桝田省治のこれからに期待するってことで、テキトーに締める。頑張って下さい。



……本音は当然、幻の「天外魔境Ⅲ」の復活なんだけどな。ああ分かってる、もう100%無いってことは。
そういやもうすぐハドソンが会社として完全に消滅するらしい。天外Ⅲを葬るには丁度良い機会だな。
比類なき90年代の熱くて厚い思い出。またしてもここに辿り着いてしまったなぁ……。














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6 コメント

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Unknown (S・R)
2012-01-21 23:22:22
NAMIDAってなんでしたっけ

まあそれはともかく、欄外コメント説明書は俺屍もそうだったのでお家芸ということなのでしょう。同人ノリともいう気がしますが。
話は聞いたことあるしブックオフとかでパッケージを手にとったこともありますが、あまりの地雷臭に買えませんでした。

俺屍は……むしろあれこそヲタに媚びまくった作品ですよね。男女ともにカワいいかっこいい美男美女の神様と子作りしつつ敵討ち……いいものです。PSP版では、なんかなんども子供を作ってるとセリフがデレてくるとか。そのうち暇になったら買うつもり。
返信する
Unknown (ota)
2012-01-22 02:15:24
元々のNAMIDAはただの村の少年みたいな姿でしたが、実際に発売されたⅢのNAMIDAは非常に奇天烈な頭の人でした。
なんちゅーか初めて見た時は絶句しましたね。広井の野郎め……。

暴プリに地雷臭は……確かにパッケージから漂ってる気がしますねw
金はかかってるゲームなんですが、ゲームデザインもマーケティングも失敗しています。
販売が奮わず、ユーザーには不評だったゲーム。寂しいもんですね。

俺屍はあの赤ん坊写真パッケージが忘れられませんねw
なまじ好評で廉価版が長く売れ続けたから、PS2時代に入ってもサイズの合わないPSケースで棚に並んでたりしました。
それがあの大迫力赤ちゃんパッケージだから、シュールで仕方ない。
そうして長く売れた上、アーカイブス版も多数DLされ、更にはリメイク版もそこそこ売れた。
実に長期間支持されている、意外と珍しい作品なんじゃないかと思います。素晴らしいですな。
俺もまぁいずれ機会があればプレーしてみたいですね。その時はリメイクじゃなくアーカイブス版かな……?
返信する
Unknown (ren)
2012-02-03 16:36:52
こんにちは、以前拍手コメ送らせてもらったメモラーですw

暴れんぼうプリンセス結構な地雷ゲーだったんですね。
以前から気になっていただけにズコーって感じでした(^-^;
戦闘が8回しかないRPGなんてRPGじゃないやいっ。
それにしても、寝落ちしてしまうほどのゲームって逆に気になる…。

天外魔境は私も好きなゲームでした。
といっても、ZEROと第四しかまともにプレイしたことないんですが。
2と3は積みっぱです…。

オタさんには是非リンダキューブをプレイしてみてほしいです。と、さりげにリクエストw

まだまだ寒い季節ですが、体調には気を付けてお過ごし下さいね。
返信する
Unknown (ota)
2012-02-04 01:09:21
おお、本当にブログにもコメを頂けるとは。ありがとうございます。

暴プリは……何だかチグハグな作品でした。やりたい事をやれていない。ひとえに桝田氏の責任だと思います。
ゲームプレー後、小説版全3巻を読んでみたんですが、ゲーム同様さっぱりキャラに魅力を感じず、楽しめませんでした。
このゲームの戦闘は、ほとんどイベントの一種なので、一般のRPGと比べるべきではないかもしれません。
それでも回数は少なすぎるので、もう少しお手軽にして、気楽に何度も楽しめるものにしてほしかったですね。
戦闘以外の退屈さについてはホントどうしようもないと思います。せめてミニゲームの類でもあればなぁ。

天外2は当時では傑出した作品でした。PCエンジンというマイナーハードに燦然と輝く一筋の光。嗚呼……。
ZEROや第四もプレーしましたが、2ほど夢中にはなれませんでした。続編を上手く展開できれば、シリーズが長持ちしたんでしょうけどね。
3に関しては……忘れましょうw

リンダキューブは、シナリオや世界設定の面で「桝田節」が強く出ているらしいですね。
俺屍の流れでこれもリメイクしたら面白そうだと思います。俺も興味はあるんですけどね。

健康にまで気を遣って頂いて、何ともはや。こんな不健康なブログですみませんw
ここ数日寒すぎます。手を出す必要がある携帯ゲーム機のプレー等では死活問題です。
それでも寒さ堪えて必死にゲームに取り組む男ってカッコ良いですよね。よね。
そう思わないと心まで寒くなりすぎるので、頑張ってゲームします。
また気が向いたら覗いてやって下さい。
返信する
Unknown (ミッチェル)
2023-07-27 16:28:16
初めまして。
いつも面白い記事を書いて頂きありがとうございます。
私は2010年程から本ブログを拝見させております。その時の私は小学生でした。そして、最初に拝見した記事がこの「暴れん坊プリンセス」のレビューでした。小学生の時に知らないゲームのレビューを見て、「どんなゲームなんだろう」と想像するのが、楽しみだった私は貴方様のレビューを見るのが日々の楽しみでした。そんな私も本ブログを見ることや存在も忘れていたのですが、先日この「暴れん坊プリンセス」を100円で買った時に、ふとこのブログの存在を思い出しました。まだ残っていることに驚いたのと、まだブログを継続していることに感動しました。本ブログがきっかけで多くのブログや本を読むようになったので、投稿主には感謝しかありません。
長々と申し訳ないです。これからもブログを読ませて頂きます。ありがとうございます。
返信する
Unknown (ota)
2023-07-28 01:18:24
おおぅ……これは何と嬉しいコメントでしょうか。こちらこそありがとうございます。
俺の文を読んでくれた人に何かしら影響(方向性は否定でもなんでもいいんです)があればいいなとと常に思っているので、
ミッチェルさんの反応はめちゃくちゃ嬉しいです。あー。長くやってりゃこんなこともあるんですね。

ゲームのプレーはずっと続けているものの感想は最近滞り気味です。けど一応継続の意志はあるので、まだ続けます。多分。
今後も気が向いたらたまに覗いてやってもらえれば幸いです。
返信する

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