腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

メタルギアソリッド3 ~スネークイーター~

2010年11月15日 12時42分18秒 | PS2ゲーム感想文
比類なきステルスアクションの元祖にして代表作。シリーズ3作目……いや5作目になるのかな? まいいや。
来年発売のニンテンドー3DSにてリメイクされることが決まっており、何気に注目されているタイトル、かな。
俺は1年ほど前に廉価版を購入した。MSX版同梱というのも魅力だったし。
購入後すぐに1000円値下がりした再廉価版が発売され、ちょっと損した気分になったなぁ。
それはともかく、MGSシリーズ3作目ナリ。1、2及びMSX版はプレー済み、条件は整っている。問題ない。

……だが、合わんかった。ハマれなかった。レベルが高いゲームであることは分かるが、満足できなかった。


そもそも俺は、メタルギアシリーズの基本コンセプト自体と合ってないんじゃないかと、プレー中何度も思った。
今更語るまでもなく、このシリーズはステルスアクション、「敵から隠れる」ことを主題にしている。
戦闘行為も重要だが、推奨されるのはあくまで隠密行動。ぶっちゃけ、ボス以外の敵とは戦わないのが正しいのだ。
隠れたまま進めればセーフ、敵に見付かればアウト。これがMGシリーズを貫く大前提なのである。

……これ、実は相当厳しいことをプレーヤーに強いていると思う。無茶言うな、と。
俺はゲームの攻略に臨む際、とにかく「トライ&エラーの繰り返し」でやるようにしている。基本どんなゲームでも。
最初から関門を突破できる自信が全くないので、数回や数十回のミスは必要経費と割り切り、
クリアーより寧ろ死にながら経験を積むことを目的にプレーする。ある意味酷い遊び方だ。
そのうち攻略が見えてきたら、そこで初めてクリアーを目的にゲームを進める。
……と、難度やジャンルに関係なく、大抵のゲームはこの方針でやっている。
ゲームが下手な俺には一発クリアーなど狙っても無意味だし、最終的に突破できればそれでOKだと思っているからだ。

この、俺のゲームプレー方針と、メタルギアシリーズのコンセプトは、完全に相反するものになっている。
「敵に見付かってはならない」ことを目的にし、その緊張感を売りにしているんだから、「覚えゲー」ではない。
大雑把に言えば「一回ゲー」であり、最初からミスせずステージを切り抜けるのがメタルギアの正義なのだ。
じっくりと状況を把握し、戦略を練り、慎重に行動する。トライ&エラーなんて論外。ミスは許されないのだ。
これは厳しい。厳しすぎる。実際今作の難度は、「メタルギア」の側面から見ればかなり高いと思う。
時代が逆行したことによりお馴染みの対人レーダーほぼなくなり、敵兵の位置把握が非常に厳しい。
プレー中、発見されず進めたシーンは殆ど無かった。それをやれる自信も未だにない。
根本的に俺のゲーム攻略方針を否定されているんだから、対処する気にもなれない。結果として、ゲームにハマれなかった。


「いや、誰でも最初からノーミスで進めるわけないし、敵に見付かってもそこで終わるわけじゃないだろう」と突っ込まれるかもしれない。
そうなのだ。敵兵に見付かっても、別にゲームが終わるわけではない。だが実はここが、今作最大の不満点なのである。

敵兵に見付からず進むことを是とするこのゲームでは、見付かったら当然アウトだ。
普通のゲームなら残機を減らして少し前からやり直し、であろうか。それなら、問題はなかったのだ。
しかしメタルギアは違う。見付かったら見付かったで、そこから「敵兵を倒す」「敵兵から逃れる」にゲームがシフトするのだ。
これが辛い。これが厳しい。これがつまらない。これが苦痛でならなかった。
ミスをミスで終わらせるのではなく、事後処理を強制的にやらされる。ゲームでこれはあまりにもしんどい。
しかも見付かった敵をただ倒せばいいわけでもない。敵兵は異常に気付くとすぐに無線で応援を呼び、増援がやってくる。
この増援は装備や行動がパトロール兵より強く、数もグチャグチャに多い。
一体一体なら倒す(気絶させる)ことは容易だが、集まってくる敵兵全てをなぎ倒すのは相当に難しい。
少なくともバッタバッタと敵を倒す一般アクションゲームのように楽しめるものではないのは間違いない。

全滅させるのが難しければ後は逃げるしかないのだが、これは別の意味で厳しい。
敵兵は攻撃はともかく追跡は割と温いので、逃げて物陰に隠れ、やり過ごすことは難しくない。
しかし、この「やり過ごす」のに、非常に時間がかかるのだ。ハッキリ言って長すぎる。ダル過ぎる。
一旦発見されてから、平時の状態「潜入モード」に戻るまでに、大体5分から7分くらいはかかるのではなかろうか。
その間ただじっとベッドの下やらで待つだけ。一度や二度ならともかく、ゲーム中至る場面でこんなことになる。
やっと潜入モードに戻っても、ベッドの下から這い出た瞬間見付かったりしたら、一瞬で水の泡。
なんちゅーか、発見された時のペナルティとしては重すぎるとしか思えない。いっそ殺してやり直させてくれと。

結論を言うと、敵兵に発見されれば、ミスを犯したなら、素直にゲームオーバーにしてほしかった。
発見された後の戦闘にも逃亡にも、面白さや快感など全くない。ただ強いストレスがあるだけだ。
だがゲームは「そうは行かない、キッチリとミスを償え」と、甚大なストレスを長時間強いてくる。
殆ど全シーンがこんな感じで、とてもゲームにハマれる流れではなかった。
実際、見付かって萎えたら即自殺し、コンティニューでやり直すというプレーでゲームを進めた。
だがこれにも問題があって、雑魚敵の攻撃は意外とダメージが小さいので、死ぬのに時間がかかるのである。
ゲーム中一番潜入行為を楽しめたのは、ミスってもすぐに飛び降り自殺してやり直しが可能な山道のシーンだった。
やり直しの環境さえ整っていれば、俺もこのゲームを楽しめたと思う。しかしそれはなかった。
ちなみにソフトリセットしてロードからやり直すのはさすがに面倒臭すぎるのでパス。
うーん。うーん……。

ただ今になって不思議に思うのは、初代MGSについては特に不満を抱かず、非常に楽しめたことだ。
俺は初代を一昨年、MGS2を去年プレーしたが、初代については単純に「面白かった」という記憶だけが残っている。
潜入の緊張感というゲームの肝も味わえた。物語やキャラも実に魅力的だった。
が、去年のMGS2、MSX版そして今作は正直初代MGSにとても及ばない。内容的に良くなってる部分はもちろんあるけど。
俺にとっては初代の難度、敵配置やマップの作りが最もしっくり来たということだろう。
2年前だから思い出補正も入っちゃいるだろうが、明確な感触の差がある。
今作3は、難しすぎるよ。潜入アクションとして、楽しめる次元じゃないよ。
ちなみに最高難度にすると本当に「見付かった時点でゲームオーバー」なルールが採用されるが、それはそれで極端過ぎる。
どの道俺はこのゲームを心底から楽しめないのだと思う。うーん。


「潜入アクション」としては難しいが、ゲーム進行自体はそれほどでもない。
つまり見付かってもストレス溜めながら逃げたり敵兵をプチプチ潰していけば、進むことは可能なのである。
中盤からは正直潜入が面倒臭くなり、かなりテキトーにやり、見付かったらその時はその時だという考えでゲームを進めた。
これはMSX版の時と同じプレー形態である。ゲームコンセプトを完全に無視しており、褒められたもんじゃない。
でもそれで一応進めたし、本気で本来の遊び方をするにはこのゲームは難しすぎる。
敵の追跡をガチガチにしたら本当に難しすぎるゲームになるからこの程度にしたのだろうが、
ある意味制作者自らゲームを否定してるとも思う。
うーん。このシリーズ、もっと基本部分を練り直すべきじゃないかなぁ。偉そうな言い方になるけど。



ふぅ。
システムは従来のものに幾つか追加があるが、成功失敗が半々ってとこ。
今作はジャングルが主要舞台になるということで、「動植物を殺して食す」というシステムが追加された。
同時にHPとは別枠で「スタミナ」がパラメータとして登場し、食事でこれを回復させることになる。
しかしこれ、最初は面白いと思ったが、すぐに飽きてしまった。
捕食と言ってもやる事は武器で殺してアイテム化→入手 だけで、調理や加工の要素はない。非常に簡単だ。
また動植物も動きの遅い奴が殆どで、殺すのに苦労することもない。寧ろ食料が余ってこまるほどだった。
スタミナが減ればメニュー画面を開いてそれを使う、ただこれだけ。慣れれば何の面白みもない。
あまり複雑にするとゲーム本筋の足を引っ張ると判断したのだろうが、これでは逆にあっさりし過ぎだ。
調整不足だと思う。

捕食同様失敗してるシステムがもう一つ。
スネークのHPは時間と共に回復していくんだが、「重傷」を負うとHPゲージの一部が変色し、回復不能となる。
それを「CURE」コマンドにて治療するという要素が今作で追加されたのだが、これが捕食以上に失敗している。
ただ患部に「包帯」「消毒薬」などのアイテムを使うだけで、ゲーム性も何もない。本当に作業だ。
これのどこに面白みを見出せばいいのか。制作者の狙いが全く分からない。外しまくっている。


捕食・治療にも絡んでくるのだが、メニュー画面における操作全般がいちいち重くて面倒なのも、ゲームの魅力を大きく殺いでいる。
それらを行うにはいちいちスタートボタンでメニューを開き、コマンドを幾つか選択しなければならない。面倒だ。
また相変わらず武器・アイテム装備のインターフェースが悪く、寧ろより酷くなっている気がする。
メニュー画面については質の高さをまるで感じられず、殆ど別ゲームのようだ。よくこんなレベルで出したな、と。
あと非常に気になったのが、一部の場面ではアイテム名に英語を使っていること。
単純に何のアイテムだか分からず、大変困惑し、怒りを覚えた。
横文字で書けばカッコいいとでも思ってるんだろうか。アホかと言いたい。この点は擁護の余地ないと思う。
はぁ。



面白かった新システムは、近接戦闘技術「CQC」だな。
敵に近寄ってから取れる行動が大きく増え、スネークの戦闘能力が格段に上がっている。
おかげで1対1なら敵が全く恐くない。スネークの設定を考えれば、これくらい強いのが自然だと思う。
潜入が上手く行ってる時に、敵兵に背後から近寄り、CQCで引き倒して気絶させていくのは非常に楽しめた。
殺すわけではない(殺すこともできるけど)が「暗殺」みたいな感じだな。カッコいいし、面白い。
ただ、引き倒し以外の行動は殆ど使わんかったな。脅して尋問とかやればもっと別の楽しみ方ができたかもしれん。



難度は、前述のように真面目に潜入をしようとするとかなり難しい。少なくとも俺には無理。
だが見付かってから有耶無耶にすることは可能。死んでコンティニューすれば警戒は解除されるし(非常に不自然だが)。
随所に挟まれるボス戦は、今作でも厚い壁になっている。MGSのボスは基本的に強い奴が揃ってると思う。
普段は潜入任務に従事しているのに、ボス戦では一転「隠れるボスを発見する」を強いられることが多い。
ボスはどいつもこいつもスネークを遥かに超える機動力やステルス能力を持ち、好き勝手に盲点から攻撃を仕掛けてくる。
攻撃するにはまずボスの姿を捉える必要があり、これが相当しんどい。
また発見しても正面からの攻撃は殆ど無意味。ボスは謎のバリアーに覆われており、虚をつかないとダメージが通らないのだ。
正直、潜入任務と同じく、ボス戦も楽しめるものではなかった。潜入時以上にストレスが溜まった。
特に広大なマップで長時間戦闘を強要される「ジ・エンド」戦はブチ切れ必至だった。あれは酷いと思う。
初代MGSのボス戦は楽しめたのに、ホント雲泥の差がある。今作のボスにいい思い出はまるでない。はぁ。

潜入もボス戦も、このゲームは1周目は攻略情報を見ても何でもいいからとにかくクリアーし、
勝手知ったる2周目で本気を出すのが楽しみ方として適していると思う。でないとストレスに切れそうになる。
……他のプレーヤーはそんな事ないのだろうか。初体験のジエンド戦に燃えられたのだろうか。
ちなみに俺は1周目ノーマル、2周目ハードでクリアーした。残念ながらこれ以上はやる気になれない。はぁ。


物語は、悪い意味で二転三転する上意味不明のオナニーを織り交ぜた前作の反省か、スッキリ分かり易く、良かったと思う。
時代を一気に40年ほど逆行させ、シリーズの始まりを描くという試み、取り敢えずは成功しているのではなかろうか。
「愛国者達」などの謎も一応解けた上、ビッグボスを操作するというのはある意味プレーヤーの夢だったしな。
ただ、MGSシリーズはともかく、MSX時代の2作は、今見ると非常にチンケで、シリーズの正史に絡めるには無理がありすぎる。
武装独立国家設立だの、その大将がビッグボスだの、見てられない。もちろん制作当時にそこまで考えられるわけがないのだが。
今作で非常にカッコいい姿を見せる伝説の兵士・ビッグボスが、MSX版のダメ人間と同一人物だとは思いたくないよ。
「メタルギア2」でのラスボス時なんて半分ギャグだったもんなぁ。あはは。
あんまリアリティに拘っても仕方ないが、実際冷戦だの米ソだの現実の設定を使ってるだけに、
あまりに話が荒唐無稽だとやっぱ不満が出てくる。今作自体は良かったが、シリーズ作品として成功だったかは何とも言えん。

リアリティと言えば、相変わらずメタルギア……今作では「シャゴホッド」という旧式で登場するが、これが酷い。
リアルな政治的駆け引きの物語であるはずが、毎度毎度このロボット丸出しの超兵器が登場することで、雰囲気が台無しになってる。
PS2の描写能力でこの傾向は加速し、前作と今作ではメタルギア登場シーンに違和感があって仕方ない。耐え難いほどだ。
「ゲームだから」は分かってるが、ここまで雰囲気をぶち壊していいのか。二足歩行核搭載戦車とか、そんなんアリなのか。
今作でも当然シャゴホッドとの戦闘はあるが、色んな意味で違和感が止まらず、殆どギャグである。
超兵器のはずが、他のボスより寧ろ弱いのもシリーズ恒例だった。人間一人倒せない超兵器て何やねん。
「メタルギア」は言うまでもなくゲームタイトルであり、当然ながらシリーズの要である。
だがハッキリ言ってこの兵器はシリーズの足枷になっていると思う。
核となる仮想兵器を作るにしても、もう少し現実味のあるものを用意できなかったのか。
1作目の時点でそこまで要求できるわけないが、その影響が20年以上呪縛として残ってる気がしてならない。
せめて登場するだけにして、スネークとの戦闘は省いてくれないかなぁ。象徴的な存在にする方が良いと思うよ。はぁ。




キャラ。
これも物語と同じく、前作よりはずっと良かったと思う。敵役も分かり易い嫌な奴だったし。


・ネイキッドスネーク
40年前なので当然ソリッドスネークではなく、その遺伝子上の親、伝説の兵士ことビッグボスその人である。
当然かもしれんがソリッドそっくり、またミスタースネークこと大塚明夫氏が声を充てているので、殆ど違和感はない。
無線会話等から見られる性格もソリッドと殆ど変わらないので、スネークファンはそのままこのスネークも好きになれるだろう。
矢鱈と食い意地が張っていた所は、寧ろソリッドより子供っぽい印象を受けた。

……難点は、やはり後日談、だな。今作EDで目出度くビッグボスの称号を受けることになるんだが、その後の顛末は周知の通り。
シリーズ最重要人物である事は間違いないが、MSX版をプレーした俺にはビッグボスはネタ人間でしかなく、
今作のスネークと同一人物とはとても思えない。いや、思いたくない。
大体ザ・ボスの悲劇を知りながら、何故武装独立国家なんだ。その辺どうなんだ。答えてよ父さん。
次回作でとうとうMGSシリーズで初登場するらしい。バレちまった。死んだんじゃなかったのかよ。
当然ソリッドと戦うことになるはず。うーん、やっぱ4もやらなきゃならんかなぁ。


・エヴァ
今作のヒロインこと峰不二子。
最後にスパイだと判明するが、登場時に合言葉を言えなかった時点でどう考えても信用ならんだろう。
何でこんな奴の前で油断したんだビグボスさん。アホとしか言い様がない。
スパイに好意など持てないので、お色気シーンや軽い濡れ場も何の魅力もなかった。
偽のマイクロフィルム掴まされてザマミロである。多分その後どっかで死んだのだろう。
本人も言ってたように、ザ・ボスのメッセージをスネークに伝える為の存在だったんだな。
その意味なら利用価値あったよ。裏切りモンにかける情けはないな。去れ。


・オセロット
旧作でもお馴染みのキャラが、若い姿で登場。
多重スパイという正体は変わらんが、姿そのままに精神的にも若く未熟で、ギャップが面白い。
いちいち銃をくるくる回す芸を見せるのは失笑ものだった。あれ周囲の人かなり引いてると思う。
スネークの能力を認め、ライバル視し、任務を超えて動く姿には好感が持てた。
スパイの任務は忘れちゃいないだろうが、あの熱さは嘘ではないはずだ。
最終的にリキッドに体を乗っ取られたのは、多重スパイを続けた報いだろう。
4ではどんな立ち回りを見せてくれるのかな。気になる、かなぁ。


・ヴォルギン
敵組織の総大将。かなりの肉弾戦派で、元ボクサーという肩書きらしい。
このキャラは「体が一千万ボルトの帯電をしている」という設定なのだが、何故そうなってるのか説明がない。
行動するたびにいちいちビクトル(ヴァンパイア)のようなエフェクトが出るあの演出をやりたかっただけなのだろうか。
シャゴホッドと同レベルの浮いてる描写だった。もうちょいリアリティを考えてよ。
性格は残忍な悪役で、倒すのに躊躇する必要がなく、ある意味好ましいキャラだった。
バイで、男の愛人も囲ってるという設定は面白い。また内海氏の演技もバッチリだった。


・コブラ部隊の面々
「伝説の部隊」のはずが、ハッキリ言って伝説の変人集団にしか見えん。
まともな兵士と言える奴が一人もいない。幾ら特徴を持たせる為とは言えやり過ぎだろう。
前述のようにどいつにもかなり苦戦させられたが、恐怖や威厳は感じなかった。
なんでこんなギャグキャラに苦戦するんだという怒りばかりがあった。
負けたら爆死するのもある意味ギャグだし。普通に死ねよ。お前は怪人か。怪人だな。
まぁこのシリーズはギャグ要素の比重もかなりあるから、そこを狙ったキャラなのかもしれんけど。
半分くらいは正統派にして、凸凹感を出して欲しかったなぁ。本当に変な人ばっかりで……。


・ ザ・ボス
スネークの師にしてコブラ部隊の隊長(?)、そして今作のラスボス。
変人集団の頭だが当人は極めて真っ当な軍人で、実力も折り紙付き。
誰に対しても傍若無人な態度を取るヴォルギンでさえ、ザ・ボスにだけは腰が引けていた。
また最終戦以外でも何度もスネークとムービー上で戦うのだが、いずれもスネークは全く相手になっておらず、軽く捻られていた。
実力的に世界最強の軍人であることは間違いない。風格が漂っていた。

……けどこの人、女なんだよ。女性なんだよ。これ、どうかと思うんだよ。
40年前なんて、今じゃ想像もできないくらいの男社会である。その世界で、戦場で、最強が女兵士って。
とてもリアリティを重視した作品とは思えない。これ本当どうなのよ。メタルギア以上の違和感だ。
ザ・ボスは第二次大戦を終わらせた英雄との事だが、その当時は20代前半程度のはず。
20代前半の女兵士があの大戦最大の英雄。……あかんわ。俺には「ゲームだから」を超えている。

ザ・ボス自体はとても魅力的なキャラである。強さも風格も、スネークに対する複雑な気持ちも伝わってきた。
汚名を着せられながらも任務の為に全てを捧げた、誰も知らない真の愛国者。正に悲劇のヒロインだ。
けどやっぱ、最強設定がなぁ。差別する気はないが、女じゃ無理だろ。はぁ。

スネーク当人も言ってたが、愛情はお互いあるものの、男女の関係ではないと思われる。
ザ・ボスの胸にある傷を知らなかったことから、合体も一切していなかったはずだ。
つまり恋愛云々はほぼ関係ないわけで、やはりこの人は男にした方が自然だったのではないかと思う。
それか普通に若い女にし、ガチ愛憎劇にするか。俺の発想安っぽいかな。そうですか。

ちなみに声はあの17才教教祖の方だが、誰もが想像する甘いアレではなく、渋くて低い性質である。
ただ聞くだけでは誰もあの人だとは思わないだろう。声優の演技力ってやつを見せてもらった。
……あんまし合ってたとも思わないんだがな。おばさん兵士にマッチした声優って誰が適切だろうな。




ンなとこ。
2周で終わらずもっとプレーを重ねれば見えてくる事もあるのだろうが、疲れたんでここまで。
一応ちゃんとクリアーした上で「合わなかった」と思うんだから、仕方ないだろう。
よく出来たゲームである事は間違いないんだけどな。必ずしも良ゲーを楽しめるとは限らんのだ。はぁ。


さて、続編だな。
2と3が合わなかった以上、もうここで見限ってもいいんだが、やはり4の存在は気になる。
物語は4で完結するらしいし、PS3になってどんな変化があるのか確かめてみたい気持ちもある。
だが4でもこんな違和感とストレスを抱きつつプレーすることは避けたい。もうこんなの嫌だ。
……けど結局、やるんだろうな。いや、やろう。ここまで付き合って完結を見逃すのは損だ。
ストレスがあれば別にイージーモードでやってもいい。あまり構えず、気楽に行こう。
つーわけでそのうち4にも挑戦だ。ハードの次元を一個超えた凄さを期待してんぜ。

4はそれでいいとして、PSP版「ピースウォーカー」や来年発売(?)の「ライジング」はどうしよう。
ナンバリングはやっておきたいが、派生作品にはあまり興味がない。雷電あんま好きじゃないし。
まぁその辺は気分次第だな。PSPはMGSシリーズをプレーするに適してるハードだと思うが。うーん。


正史は4で完結したはずだが、ライジングは出るし、小島サンが「やっぱ続ける」とどっかで発言してた気がする。
ただ正直、そろそろMGSシリーズにも陰りが見えてきたと思う。「ピースウォーカー」は売れなかったみたいだし。
小島サンにも、何か別の作品を作ってもらいたい。こればっかしじゃこれしか作れない人と思われてしまうよ。
同じ事はドラクエの堀井氏にも思う。まぁ会社との関係や肥大したゲーム制作の現実など、色々事情はあるんだろうけどさ。
何かと難しいよ、現実は。一応戦争のない世界に生きちゃいるが、かと言って楽に生きていけるわけではない。
殺し合いがなくても戦いはある。それに負ければ生き残れない。
もっとこう、争いも競争もない、寝ながらゲームとネットだけやってられる世界は作れないんですかスネークさん。
無理ですか。なんでぇ使えねー奴。いやすんません。まぁ人間こんなもんです。
現実から目を逸らしながら直視して終わり。
やれやれだ。
やれやれだ……。






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2 コメント

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Unknown (黒猫飯店)
2014-05-10 05:06:21
失礼いたします。いつも楽しく拝読しています^ ^

MGS3のリトライ性に関してなのですが、実はスネークがアイテムとして常備している仮死薬を使用すると、すぐにゲームオーバーになりますので、簡単にやり直せますよ^ ^

普通は仮死薬を使用しても本当の死=ゲームオーバーを迎えるまでしばらく待つ必要がありますが、スタートボタン二回押しで一気にカウントが進みますので、すぐにコンティニューorエンドを選ぶ画面に移行できます。

アイテムとは言っても、スネークが物語開始から常に身につけているもので、数が増減したりするわけではありませんので、私は実質システムの一部だと解釈して、これを使いながらゲームをプレイしていました。失敗したスパイには死、あるのみ…( ´ ` )

敵に見つかったら仮死薬。そのまま遊びたい場合は気分で続けたりも出来ますし…。

そうすると、比較的普通に再プレイできる感覚に近くなります。細かいトライアンドエラーでステージを進むことが出来るので、おっと失敗やり直し…という過程も含めて、個人的なプレイ感覚としては、割と楽しく進めました。おそらくそうやって比較的快適に進めたこともあって、エリアの長さの緩急なども程よく感じたのかな…と思います。

ところでotaさんはプレイするゲームのリクエストなどは受け付けていらっしゃらないとのことでしたので、ちょっと残念に思っていたのですが、先日、たまにはいいかな…みたいなコメントを雑記でお見かけしましたので…笑 もしお気が向きましたら、そのうちMGS4をプレイしていただけないかな…と思います。

私自身はMGSシリーズは普通にファンなのですが、otaさんの敵ユニットやマップデザインに関する御考察には毎回大きく頷かされます。

例えば、あの、これはMGS2のことなのですが…うーん…やはり設定的に目がいいはずの敵兵が、あの円錐形の範囲だけしか見えてないってのは、そもそも変ですよね…笑 私共がシステムの穴を付くように行動するようになってしまうというのも、それこそが攻略=ゲームの王道の行動原理なのだから当然のことですし、それを含めたリアリティを演出出来ていないわけですから、otaさんが仰られていますように、私もやはり正直、そんなに上手いデザインとは言えないんじゃないかと思います。

またマップに関しても、シリーズが進んで表現がリアルになるにつれて、タイトルに反してソリッドなデザインがされづらくなってるんじゃないかということも、常々感じていました。初代MGSの、キッチリ計算されたパターンを解く、一種パズル的な解法の快感は見事なものでしたが、ステージがリアルになって、ゲームの空間デザイン的にはファジーなものになっていくと、それとは別のところに楽しみを見出して行くしかないわけですよね…。で、MGSシリーズはそれをどうしてきたかというと、リアリティの追求(アクション数の増加)× 敵のAIとの噛み合わせ、という、ある種、アドリブ性というか、演繹的に想定されうる量的な満足で満たそうとしてきた節があります。

しかしそもそもの出自として、ストーリーテリングにしても、キャラクターにしても、操作法にしても、全て帰納法的に作られたであろうMGSシリーズには、そもそも合わない部類の手法だったのではないかと、今ではちょっと訝しく思っています。

うーん…合わない…といいますか、微妙な違和感といいますか…。ゲーム全体の雰囲気、設計思想からすると、やや乖離した、別種のゲーム的快感が、居心地悪そうに主役顏をしてるようにも見えるんです。例えば銃撃戦にまつわる駆け引きなどもそうですが、いわゆるそういったアドリブ対処こそがステルスミッションのリアルであり醍醐味…と言われても、そもそもそんなゲームじゃなかったはず感があると言いますか…。なのに、おそらく作り手もそういうFPS的な戦闘の楽しさと、初代のマップデザイン的面白さをやや混同させたまま設計しちゃってるような気がするんですよね…。

その点、リアル表現が行くとこまで行ったのか、MGSVでは、オープンワールドかつ、ゲームデザインの放棄、AIの徹底ビルド、潜入シミュレーションの構築を掲げているそうですので、逆にそこまで振り切ってくれれば、初代MGSとは別種にせよ、それはそれで一本筋の通ったデザインのゲームとして楽しめるんじゃないかと、そういう意味で期待が膨らんでいます。

おそらくバランス的にはその過渡期に当たるであろうMGS4が、otaさんの目にどう映るのか、凄く気になります!

というわけで、本当に、もしお気が向きましたらで結構ですので、よろしくお願いいたします^ ^
返信する
Unknown (ota)
2014-05-10 21:23:26
以前一度コメント頂きましたね。再度ありがとうございます。

……うああああ。
>実はスネークがアイテムとして常備している仮死薬を使用すると、すぐにゲームオーバーになりますので、簡単にやり直せますよ^ ^
な、何と……確かに仮死薬、開始直後に貰いましたね。そんな使い道があったのか……うわぁ俺物凄く的外れなこと言ってますね。
まぁ見つかったからってすぐ自殺に走るのも違うと思いますが……今作に「見つかった時の面白さ」もあればよかったんですが。
見つからないように進むのがゲームの肝だけど、見つかってしまうことも当然ある。ならその後始末にも面白さを見出したい。
それが単なる強烈なストレスにしか感じられなかったのが今思い出しても残念ですね。うーむ。

>やはり設定的に目がいいはずの敵兵が、あの円錐形の範囲だけしか見えてないってのは、そもそも変ですよね
人間の視野って広いですからね。まして索敵に集中しているプロ、その鋭さは常人離れしているはずです。
最近はMGS以外のゲームでもちょっとしたステルス要素が多く見られるようになりましたが、正直いつも「なんだかなぁ」と思います。
「こんなん普通見つかるやろ」と思いつつ、ステルスを成功させてる。これじゃ喜びより違和感しかありません。
「見事に隙を突いた!」という快感と共に敵の背後を走り抜けたいんですが……なかなかそうはいきませんね。
もちろんそんなに敵を鋭敏にしたらクリア不可能になるってのも分かるんですが……意外とかくれんぼはテレビゲームと相性が悪いのか?
難しいでしょうけど、納得のいくゲーム性と調整を実現してほしいですね。

MGSはとにかく初代の印象が非常に良いんですよね。「何が面白かったか?」と言われれば「全体的に」というダメな言い方になるんですがw
ステルスも戦闘もストーリーも全部とても楽しめました。「ゲーム的」な落とし所が上手かったんでしょうか。うーん、分からん。
その余韻で2と3に触れたものの、ちょっと合わなかった感じですね。
はい、MGS4、了解しました。いつプレーするかは分かりませんがw、入手しておきます。
……ただ、そんな良いこと書けるとはとても思えませんので、その辺はご了承を。

MGS5はオープンワールドになったんですね。実は購入を検討したんですが、4を未プレーだったのでスルーしました。
仰る通り、そこまでフィールドの質が変貌すると、ゲーム的にも随分変わっていそうですね。しっくり来るかも。
4をプレー後に5の本編が発売……て感じに流れるといいなぁ。このシリーズは世界的にも名があるので、頑張って欲しいですよね。
返信する

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