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Osamu KURIMURA Official Blog

Olympic Games ind. RR

2008-08-10 | インポート
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「上:最後は6名でのゴールスプリント争いとなった」
「下:サミュエルサンチェスが最強軍団スペインに金メダルをもたらす」
photo(c):Cor Vos/www.corvospro.com

8/9(土)に、「北京五輪男子個人ロードレース」が行われました。

◆大会公式WEBサイトはこちら「http://www.joc.or.jp/beijing/

このレースに、スキル・シマノ所属の別府史之選手が日本代表として出場しました。

◆以下、「CYCLINGTIME.com」のレポートです。
8月9日、北京オリンピックの自転車競技最初の種目の男子ロードレースが行われた。勝負は6人のスプリントとなり、サムエル・サンチェス(スペイン)が金メダルに輝いた。銀はダヴィデ・レベッリン(イタリア)、銅はファビアン・カンチェラーラ(スイス)に。日本の宮澤崇史は86位、別府史之はリタイアに終わった。

蒸し暑く過酷な気象条件のなか開催された北京オリンピック男子ロードレース。北京市街を抜けて郊外の23.8kmの周回コースを7周する、アップダウンの厳しい245kmのコースで行われた。参加選手は143人。

勝負を決したのは7周回で7度ある最後の上りだった。ここで抜け出たアンディ・シュレク(ルクセンブルグ)、ダヴィデ・レベッリン(イタリア)、サムエル・サンチェス(スペイン)の3人にラスト1kmでアレクサンドル・コロブネフ(ロシア)、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)、マイケル・ロジャース(オーストラリア)が追いつき、6人のスプリント勝負に。軽い上り坂のスプリントをサンチェスが制し、金メダルを獲得した。

レース展開

北京市市街の濃いスモッグのため当初11時スタートの予定は13時半に延期された。天候は曇りで、気温は心配されたほどは上がらなかったが、湿度は90%、気温26~30度の厳しい天候には変わりなく、厳しいコースを前にサバイバルレースとなることは必至だった。

北京市街の中心地をスタートした選手たちは天安門や北京市街の有名な観光スポット、国家スタジアム「鳥の巣」を巡るように抜け、約80kmの平坦基調のコースをこなしてから郊外の周回コースへと向かった。

スタートから2km、最初に逃げたのはチリとボリビアの南米2選手、パトリシオ・アルモナチド(チリ)とホラチオ・ガラルド(ボリビア)。一方のメイン集団は周回コースに入るまでは様子見のペースだが、逃げを作ろうとするアタックがいくつか繰り返される。

そしてライヴィス・ベロフォシックス(ラトビア)とイェンス・フォイクト(ドイツ)のアタックを皮切りに、26人の中集団が差を開くことに成功。ツール・ド・フランス2008覇者のカルロス・サストレ(スペイン)、キム・キルシェン(ルクセンブルグ)、タディ・バリャベッチ(スロベニア)、マルツィオ・ブルセギン(イタリア)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ)らを含むグループがメイン集団に1分20秒の差をもって逃げる。

万里の長城に近い周回コースに入って1周目に早くも逃げる2人は分解。アルモナチド(チリ)だけが10分差をつけて逃げ続ける。ただしみるみるうちにペースダウン。

残り3周で優勝候補のステファン・シューマッハー(ドイツ)が遅れ、のちにリタイヤ。別府史之もほぼ同時に遅れる。そして次の周には宮澤崇史が遅れる。別府は自転車を降りるが、宮澤は単独で走り続ける。

ヨハン・ヴァンスーメレン(ベルギー)リゴベルト・ウラン(コロンビア)、マルクス・ユーンクヴィスト(スウェーデン)アレクサンダー・クチンスキー(ベラルーシ)、)ルスラン・ピドゴルニ(ウクライナ)の5人が抜け出し、のちにクチンスキーが脱落。4人に。

メイン集団のほうは「ドリームチーム」の呼び声高いスペイン勢の4人が追い上げのペースを作る。とくに上りではサストレが中心になって、スペインチームのエース、バルベルデのために献身的なペースで走り続ける。

ラスト40km・残り1周半。上りで超ハイペースを保つサストレに、下りやポイントごとにコンタドールがバトンタッチ。メイン集団は人数を絞りつつ、逃げグループの先行を許さずに進む。集団には有力選手だけが残った。

最後の上りを控えた下りでクリスチャン・ファンブルガー(オーストリア)が抜け出し、集団に500mほどの差を保ってラスト周回へと入る。これにクリスアンカー・ソレンセン(デンマーク)、カデル・エヴァンス(オーストラリア)が追走アタック。ダヴィデ・レベッリン(イタリア)、サンチェス、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)、アレクサンドル・コロブネフ(ロシア)ロバート・ゲシンク(オランダ)、マリオ・アールツ(ベルギー)、マイケル・ロジャース(オーストラリア)が合流。強い集団が形成され、
2008年ツール・ド・フランス2位のエヴァンスが先頭を引く。

決定的な差を開けないまま集団はふたたび人数が膨らむ。そしてここからアンディ・シュレク(ルクセンブルグ)が強力なアタックを決める。追走したのはレベッリン(イタリア)、ロジャース、コロブネフ。そしてサンチェスも合流、5人に。

下りを前にレベッリン、シュレク、サンチェスがアタックを敢行。順調に差を開き、ラストの距離からこのまま3人で決まるかに見えたが、コロブネフとロジャースが2人で追う。平坦と下りのルーラーであるコロブネフ、TTスペシャリストのロジャースは追走に手を焼くが、そこにそれまで姿を見せなかったカンチェラーラが後方集団から猛ブリッジをかけて合流する。カンチッェラーラの猛然とした走りが助けになり、ラスト1kmでこの3人が前を行く3人に追いつく。

下りきってからのゴール前は平坦、そして軽い上りを含むスプリントへ。残り200mからのコロブネフのロングスパートを皮切りにゴールスプリントが開始された。伸びを見せたのはサンチェス。そしてレベッリンも最後の20mで追い込むが一歩届かず。ゴールに飛び込んだ"サミー"サンチェスがスペインに金メダルをもたらした。完走は約90人。

金メダルのサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)のコメント

「夢のようだ。金メダルなんて信じられない。他の世界のことのようだ。暑さと湿度は極度だった。チーム(スペイン)はすごかった、残ったスペイン選手のなかで僕が一番強いとは思えなかったから、自分でもちょっと驚いている。スペインチームの全員がレース全体を通してすごい走りをした。(他のスポーツの活躍も訊かれ)スペインにとっては本当にいい年だ。ナダルはウィンブルドンに、サストレはツールに勝った。スペインのスポーツ界は今、黄金期だ。この勝利もこれからたくさん続くであろうメダルの最初のひとつ。(フレイレが遅れて)5人になったけど、全員がいつも前にいた。サストレとバルベルデのプレッシャーが僕にチャンスを生んだ。最後の瞬間に向けて足をセーブした。皆の勝利を僕が勝ち取ったんだ。」

銀メダルのダヴィデ・レベッリン(イタリア、ゲロルシュタイナー)

「今日は僕の(37歳の)誕生日。だから特別な瞬間だね。オリンピックの表彰台に立てるのは特別だ。もうちょっとで勝てそうだった。僕は今までに何度も2位になっている。でもこの2位は特別。僕は僕のスプリントをした。ミスはしていない。でもサンチェスがただ強かった。暑さに苦しんだ。想像したものとはぜんぜん違った(過酷だった)。」

銅メダルのファビアン・カンチェラーラ(スイス、チームCSCサクソバンク)

「正しいレースをした。(アルバジーニがクラッシュして)チームメイトがいなくなったから行くべきときを待った。チームメイトが誰もいないときはただ着いていくだけだ。チームCSCのチームメイトのコロブネフとシュレクがいたのは知っていたけれど、オリンピックではチームメイトとして走ることはない。銅メダルは予想以上のもの。いいレースをしたよ。今僕は本当の目標(個人タイムトライアル)に向けてやる気が沸いてきた」。

遅れてからも単独でゴールを目指し、81位の宮澤崇史(梅丹本舗GDR)

「10km以上の上りが7回も続くレースなんてそうあるものじゃない。力は出し切れたので満足です」

◆「リザルト
「29th Olympic Games - Beijing China - JO - Men's Road Race 245km」
1 Samuel Sánchez (Spain) 6.23.49 (38.362 km/h)
2 Davide Rebellin (Italy)
3 Fabian Cancellara (Switzerland)
4 Alexandr Kolobnev (Russian Federation)
5 Andy Schleck (Luxembourg)
6 Michael Rogers (Australia)
7 Santiago Botero (Colombia) 0.12
8 Mario Aerts (Belgium)
9 Michael Barry (Canada) 0.16
10 Robert Gesink (Netherlands) 0.18
11 Levi Leipheimer (United States Of America) 0.20
12 Chris Anker Sorensen (Denmark) 0.22
13 Alejandro Valverde (Spain)
14 Jérôme Pineau (France)
15 Cadel Evans (Australia)
16 Przemyslaw Niemec (Poland)
17 Christian Vande Velde (United States Of America) 0.30
18 Paolo Bettini (Italy) 0.35
19 Vladimir Karpets (Russian Federation) 1.10
20 Murilo Fischer (Brazil) 2.28
86 Takashi Miyazawa (Japan) 31.35
DNF Fumiyuki Beppu (Japan)


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