名探偵ホおむズ 事件簿035 |
神出鬼没の大泥棒、アルセーヌ・ルパン。 | |
逮捕されそうになっても、きわどいところで逃げてしまう。 | |
さしもの名探偵ホおむズも、そんなルパンには手を焼いていた。 | |
「う~む。どうすればルパンを逮捕できるのか……」 | |
そこへやってきたのは、ホおむズの相棒、ワトソンである。 「おい、ホおむズ! うまい手を思い付いたぞ!」 |
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「うまい手だと?」 「うむ! ルパンを尾行すればいいのだ!」 |
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「尾行? 尾行してどうする?」 「ふっふっふ。奴がトイレに入った時に、逮捕するのだよ!」 |
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「誰だって、用を足している時は無防備だからな!」 | |
「どうだ! うまい手だろう!」 「よし、やってみろ!」 |
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―― というわけで、ワトソンはルパンの尾行を開始した。 | |
「むっ? 誰かに尾けられているような……?」 | |
「おっと危ない」 物陰に隠れるワトソン。 |
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「気のせいか……」 | |
再び歩き始めるルパン。 すたすた |
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やや離れて、尾行を続けるワトソン。 | |
ガサガサ | |
「おっ!?」 | |
「う、う~ん……」 | |
「やった! 奴がトイレに入った!」 | |
「……」 | |
「わはははは! 逮捕のチャンスだーっ!」 | |
ところが、まさにその時 ―― 「……うっ!?」 |
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「ううっ、腹が痛い! もよおしてきた!」 | |
「我慢できないーっ!」 | |
ワトソンも、慌ててトイレに駆け込んだ。 ガサガサ |
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「う、う~む……」 | |
大急ぎで用を済ませたワトソンだったが ―― 「はぁはぁ……ルパンはどこへ?」 |
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もはや、ルパンの姿はなかった。 「しまったあああああ!」 |
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がっくり | |