おや、あんなところにシロがいる
すたすた歩いて、土手で遊ぶ子供の方へ行った
そう、シロは子供が好きなのだ
子供のいる家で飼われていたのだろう、と人は言う
なお、シロは雌だということも判った
最近ふらっとやって来て、野良猫たちの仲間入りをしたそうだ
どんな家庭に居たのだろう？ 一体、どこで、どんな暮らしをしていたのだろう？
とぼけた顔をしているけれど、重い過去を背負っているのかもしれない
「……ん？ なんだこりゃ？」
「わわーっ！？ 雪男か海坊主か幽霊か？」
「ひー怖えぇ、わっ腰ぬけた」 ヘナヘナ ペタン
「やべえぇぇぇ 気ィ失いそう……」 グラッ
ガクッ
「……な、なーんだミーコさんか」
なに？ 全身まっ白だ？
よく見ろよオメ 尻尾に黒っぽい斑があんだろ
なに？ 眉毛がショボーンだ？
よく見ろっつってんだろオメーはよ こーゆー模様なんだよ
なに？ 鼻の穴がでかい？
だからよぉオイ こーゆー模様なんだってばよぉ