釜石の日々

少し気温の下がった春の日

昨夜から今日の昼過ぎまで比較的強い風が吹いていた。空は雲が多く、日中は一時、みぞれが降ったりもした。気温は8度までしか上がらず、外を歩くとやや寒さを感じた。それでも近所の庭の早咲の桜の蕾が膨らんで来ており、淡い緋色の花びらの一部が見えて来た。西の雪のまだ残る高い山のあたりは雪雲が流れていた。庭にはカワラヒワが何度かやって来て、その可愛い声を聞かせてくれた。先日の雨と昨夜からの風で、花をたくさん付けて来た庭の椿もいくつかの花が散ってしまった。東北の春は北海道ほどではないがやはり今日のように一時的に気温が下がる日がある。そんな日でも庭の植物たちはちゃんと芽を出して来てくれる。それを眺めているだけで、楽しくなって来る。午前中にはまた岩手県沖でM5.2の地震があり、釜石は震度3であった。沿岸部を走る三陸鉄道は震災で大きな被害を受けたが、ようやく今日釜石ー大船渡間の南リアス線が開通し、明日には宮古-久慈間の北リアス線も開通する。せっかく三陸鉄道が開通したので、多いに利用されることを期待するが、ここのところまた起きている地震が少し気になる。先日も書いた、琉球大学木村政昭名誉教授の地震予想では北海道東部の根室沖を震源とするM8.5の地震が2009年プラスマイナス5年となっており、本年が予想範囲の最終年になっている。つまりは今年中に発生する可能性が大きいと言うことだ。実際に予想通りとなると、確実に津波は発生するだろう。回復して来た漁業や鉄道への影響は再び大きくなるのではないかと危惧される。釜石湾の誇る防潮堤もまだ修復されておらず、津波が発生すれば、陸への到達速度が早まるだろう。震災後、沿岸部の地盤か沈下していることも気になる。青森県には原発や使用済み核燃料の再処理工場もある。予想震源域に近いだけに不安でもある。南リアス線が開通した日に地震があったので、つい、そんなことが頭に浮かんで来た。今日は、晴れて、風が強くなければ、鵜住居川の中流域へ行くつもりだった。そこに片栗の花が咲いた、と聞いたからだ。釜石では市街地の端にある八雲神社のある大天場山に、5月になると片栗の群生が可憐な花を咲かせる。大天場山より気温が低いはずの鵜住居川中流域で片栗の花がこれほど早く咲くのは解せないのだが、とりあえず行って確認してみようと考えていた。その足で、久しぶりに橋野地区のどんぐり広場の産直や山田町の産直にも行ってみようと考えている。明日の午後は晴れそうなので、明日にでも行ってみるつもりだ。4月に入ったので、これからは少しずつ山野草が咲き始めて来る。東北の山はとても豊かで植物だけではなく、豊かな植生の下で動物たちもたくさんいる。リスや鹿、猿、熊、テンやハクビシンなどの他に鳥類でもフクロウやキジ、ヤマドリなどとても多い。しかし、近年鹿は急増しており、2011年の調査では北海道を除いて261万頭もいて、10年間に2.6倍にもなっているようだ。釜石でも以前は鹿が市街地に現れることはなかったと言う。今では普通に市街地に現れる。山間部の過疎化や耕作地や山林の放棄がある上、天敵がいないので急激に数を増やしている。農作物の被害額は毎年200億円に上ると言われる。林業被害もその6割は鹿による。このため国は鳥獣保護法を改正し、保護から捕獲に姿勢を変えざるを得なくなっている。しかし、信州大農学部の竹田謙一准教授は「捕獲だけでない専門家」の必要性を訴えていると言う。日本の山がどうあるべきか山間部の農地や林業も含めた自然を体系的に見て行かなければ、単に捕獲だけの視点では対症療法で終わってしまうからだ。東北の素晴らしい自然も人が介入することで、新たな問題を生み出して来ている。自然と人が調和した解決策を是非考え出して欲しいものだ。
庭の椿
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