釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

緊迫している南海トラフ地震の可能性

2013-11-22 19:12:03 | 自然
今日は朝から曇り空で、朝にはわずかに雨も降った。雲の多い中、昼休みに職場近辺を歩くと、枯葉が道にたくさん落ちていた。落葉樹が多い東北は風が吹くと枯葉がたくさん宙に浮く。風が多いか少ないかでその年の紅葉の見え方まで変わって来る。今年は葉が十分紅葉し切らないうちに散ってしまったものも多い。家の近所の例年見事な紅葉を見せてくれる山裾も今年は早々と散ってしまった。ごく一部が残っているだけだ。昨日見た裏山の桜の葉も1日違いでずいぶん少なくなった。自然も生きていて定まることがない。 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震で最も衝撃を受けたのは地震学者たちかも知れない。予想もしなかった巨大地震だった。多くの地震学者たちは地震の予知は極めて困難だと考えるようになった。一方で、いつ起きてもおかしくないと言われる南海トラフの巨大地震について、地震が切迫して来ていると考える研究者もいる。南海トラフは駿河湾から四国、九州沖に伸びる海溝で、深さは4000mに達する。西南日本が乗るユーラシアプレートとその南のフィリピン海プレートの境界にあたる。フィリピン海プレートの境界で10月15日、M7.2の地震が起きた。フィリピン南部のボホール島付近を震源とする地震であった。10月31日には台湾でM6.3の地震が起きた。いずれもフィリピン海プレートの動きに起因した地震だ。今年6月にも台湾とフィリピンでは地震が発生している。今月20日、小笠原諸島の西之島付近で海底噴火により新しい島が誕生し、現在も噴火が続いている。ちょうど太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込む境界にあたる。立命館大学環太平洋文明研究センター、歴史都市防災研究所の高橋学教授はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界にストレスが溜まって来ていることを指摘し、南海トラフ地震を誘発する可能性があると言う。測量学の世界的権威である村井俊治東京大学名誉教授は国土交通省が1995年の阪神・淡路大震災を契機に全国1243か所に配備したGPSデータを測定する電子基準点を活用して、地震前兆を捉える研究を行なって来た。村井名誉教授は2000~2007年に起きたマグニチュード6以上の162の地震の追跡調査を行なった。そして、そのすべてで前兆現象を見出した。電子基準点の三次元の動きと三カ所の電子基準点を結んだ面積変動率を解析して、地震の前兆現象として地殻の微小な変動を見出した。東日本大震災の場合も「前兆現象」はあった。しかし、地震学者ではないため公表をためらったそうだ。その結果、大変な被害の状況を見させられてしまった。その反省から、今、南海トラフの地震が迫っていることをためらわず警告されている。今年6月末に九州・四国・紀伊半島で異常変動を見出し、9月初めには全国で異常変動が観測された。その後4週間ほど落ち着き、10月前半に再び広範囲に変動があり、特に、九州、四国では変動が大きく、それまで高知県、愛媛県、紀伊半島に出ていた異常が香川県、徳島県など瀬戸内海側に移ってきていると言う。東日本大震災の前にはこうした変動と静穏が半年に3回繰り返された。こうした状況から同名誉教授は今年12月から来年3月頃の間に南海トラフの大地震が起きる可能性が高いと考えておられる。内閣府の中央防災会議の報告では、南海トラフ巨大地震の被害は死者32万3000人、被災者950万人、経済的損失は220.3兆円となっている。大阪府がその後出した犠牲者予測は中央防災会議の予測の10倍にもなる13万人である。東日本大震災でもそうであったが、やはり、海溝型地震で脅威であるのは津波だろう。誰もが津波への警戒を持っていない。特に身体の不自由な人の犠牲は倍になる。この予測が当たらなければ幸いだ。しかし、少しでも可能性を指摘されているのであれば、それは無視しない方がいいだろう。避難場所確保や食料その他の備蓄を怠らないようにしなければならない。
職場近くの紅白の山茶花

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