釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

物価上昇を見越した長期国債金利上昇

2021-02-27 19:14:03 | 経済
早いもので、もう来週からは3月になる。3月11日は、震災から10年目に当たるためか、ここ2週間ほど、寒い中を大型のTVカメラを使った津波被害を受けた商店街の撮影場面を見る時がある。11日に向けたTV番組用なのだろう。早くもあり、遅くもあったこの10年だ。冬場はウォークングの時には、ほとんど毎回ツグミと出会うが、今日もまた川沿いでツグミに出会った。来月末頃には、またシベリアへ帰って行くだろう。日本では900万羽を超える鶏が鳥インフルエンザのために殺処分されたが、鳥のインフルエンザもやはり渡鳥たちが運んで来る。そのため、冬に飛来して来る白鳥たちへの餌やりも出来なくなってしまった。感染性のウイルスは人でも鳥でもその移動によって運ばれて行く。第一次、第二次世界大戦、ベトナム戦争を合わせた死者よりも多くの死者を出した米国の新型コロナウイルス感染は、減少傾向ではあるが、それでもまだ1日7〜8万人の新規感染者がおり、米国では緊急事態宣言が今年の末まで延長されている。米国大統領は寒波が襲来したテキサス州ヒューストン市で演説し、新型コロナウイルスの変異株により再び感染拡大が起こる可能性があるとして、最大級の警戒を呼び掛けている。日本では、見かけ上の減少を元に、来月7日には首都圏でも緊急事態宣言が解除されそうだ。時短でしかない甘い緊急事態宣言で、感染を抑えられれば世界は苦労しないだろう。早く宣言解除して、「GO TO」キャンペーンを再開し、オリンピックも観客ありで開催する。オリンピックの意義などよりも開催により莫大な収益を得る電通のような企業の利益が最優先である。政府のコロナ対策も日本は企業優先で、米国は個人優先である。新大統領は国民個人のための1.9兆ドル規模の対策予算を準備している。企業か個人かの違いがあるが、今の日米には共通して、巨額の政府債務が積み上がっている。その債務は国債発行でなされている。今、米国も日本もその国債の長期の金利が上昇している。特に市場メカニズムが日本よりは機能している米国は顕著である。米国では戦後、物価が5%を超えた時期が3度あった。そのうち2度は10%を超えた。3度目は15%に迫る物価になった。こうした物価上昇に対しては、物価の番人である中央銀行FRBが金利を引き上げる、いわゆる金融引き締めで対応するのが一般的だ。物価が15%に迫った1980年には、中央銀行FRBが市中金融機関へ貸し出す金利、政策金利を物価を抑えるために17〜19%近くまで引き上げねばならなかった。米国の1月の物価上昇率は通年換算にすると3%になった。1月だけを見ると、FRBが目標として来た物価2%を超えている。コロナ禍で世界中の生産が抑えられ、その上、陸海空の運輸までが制限された。生産量が減少し、それらの運輸量まで制限されれば、輸入量は厳しくなり物価は上昇せざるを得ない。鉱物資源から農産物、石油などのエネルギー製品まで、多くが今価格上昇して来ている。輸入価格の上昇は少し遅れて国内での販売価格に転嫁される。米国で先んじて国債金利(利回り)が上昇している裏には、この物価上昇がある。今後さらに物価が上昇した時、中央銀行は金利を上げて物価上昇、インフレを抑えるかどうか選択を迫られることになる。金利を上げれば、自ら株式などの資産バブルの崩壊の引き金を引くことになり、放置して、現状の金融緩和を続ければ、確実にドルの価値を損なうことになる。米国は政府だけでなく民間の企業や個人も膨大な債務を抱えており、金利が上昇すれば、政府を含めて金利負担に耐えられない債務者が続出する事態になる。膨大な債務を抱える中での物価上昇、インフレはいずれにしても経済に深刻な打撃を与える結果を避けらない。コロナ禍が終息し、自由な貿易が復活しない限りは、物価は上昇して行かざるを得ないだろう。
ホオジロガモ(頬白鴨)

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