釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

忍び寄る経済危機

2012-06-05 19:22:57 | 文化
昨日九州南部が梅雨入りした。例年より4日遅いらしい。東北は北海道ほどではないが梅雨の期間が少し短い。北海道は一般に梅雨がないと言われるが、曇天と気温低下を伴った小雨の日が続いて、リラ冷えと呼ばれる時期がある。東北では実際に雨の日が多くなる。今の東北はまだ梅雨には入っていないので、今日もいい天気になっている。朝から家の近くでウグイスが鳴き、職場に出ると、職場のそばの裏山でも一日ウグイスが鳴く。四国の生まれなのでとても信じられないことだ。四国だとウグイスは4月までだ。東北は花が長く咲いていると同じく、ウグイスも長く鳴いている。夏になっても鳴いている。動植物の生育に適した環境だと言うことなのだろう。また世界経済が悪化して来ている。ギリシャ危機だけでなく、スペインも危なくなって来ており、世界経済の牽引役であった中国経済も減速して来ている。米国国債の最大の保有国となった中国が減速すると、米国債の買い支えを中国に期待出来なくなり、米国経済の悪化にも繋がる。日本国内では家電メーカーが軒並み赤字に転落しており、3月決算ではパナソニック7000億円、シャープ2900億円、ソニー2200億円のそれぞれが赤字となっている。半導体部門も生き残りをかけて合併や分社を行って来たが、かえって状況は悪化しており、エルピーダメモリの破綻に続いて、ルネサス、富士通、パナソニックなども厳しい状況になっている。鉄鋼部門でも輸入鋼材が増えて、新日鉄、JFEホールディングス、住友金属工業の鉄鋼大手3社ともに減収となっている。自動車もゴーン氏率いる日産は持ち直しているが他はやはり厳しい状況だ。そうした日本経済の状況で現在最も危ぶまれているのがやはりギリシャのデフォルト(債務不履行)であり、今後可能性があるのが首都圏直下型地震だ。東京湾には千葉県、東京都、神奈川県の3つの都県にまたがって7つの石油コンビナートが並ぶ。直下型地震により地盤の脆弱な埋め立て地に建てられたこれらのオイルタンクは液状化により倒壊し、大火災の発生の可能性があると言う。東京湾にオイルが流出すれば船舶の航行も不可能になり、首都圏の電力は断たれてしまう。国土交通省関東地方整備局の「臨海部の地震被災影響検討委員会」の座長を務めた、早稲田大学理工学術院創造理工学部社会環境工学科の濱田政則教授が指摘されている。首都圏で火災が発生しても、道路も分断されてしまっているため、消火活動さえままならない状況になる。通信も寸断され、首都機能は間違いなく麻痺してしまう。最悪の場合、経済的損失だけでも300兆円に上ると言われている。東日本大震災の10倍になる。安全や防災を無視してひたすら拡大し続けて来た原発同様に首都圏もただ拡大を続けるままに放置されて来た。そのつけが今になって問われようとしている。経済産業省は日本の製造業が技術力を持つ分野で「軒並み世界市場でのシェア(占有率)を落とし、利益の確保が困難になっている」と危機感を表明した2011年版の「ものづくり白書」を出したが、その経済産業省自体が原発事故をもたらした上に、半導体部門の弱体化をももたらした。経済であれ、災害であれ、官僚は危機への対応能力を持たない。政治家が主導しなければならないが、今の政治家はすでに官僚に主導されなければ何も出来ない無様な人たちばかりになってしまっている。日本の国家的危機はまさに政治家能力の低下と重なっている。
庭の山野草、白と紫の海老根千鳥( えびねちどり)

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