釜石の日々

ウクライナと言うブラックホール

昨日は曇っていたが、今日は朝からよく晴れた。最高気温は24度。市街地周辺の山々には海から流れて来る霧雲が山の背をゆっくり内陸に向けて流れていた。いわゆる山背だ。山背のおかげで、強くなった日射しの中でも涼しい風を受けて気持ちがいい。まさしく高原の風だ。昨日は久しぶりに内陸の産直に出掛けた。釜石は曇って気温も22度だが、内陸は晴れて27度になっており、夏の暑さを感じた。 一昨日からロシアの「内乱」を追ったが、案の定、日本を含め西側メディアは願望的報道に満ちていた。さもロシアは大変になるかのような報道ぶりだったが、ワーグナーのプリゴジンがあっさり鉾を納めると、西側メディアではプリゴジンはたちまち「自由戦士」から元の「テロリスト」に変わった。西側メディアである英国Sky Newsは、今日、「Ukraine-Russia war latest: Wagner mutiny 'may have been orchestrated event'; Putin is 'naked' after rebellion, says Lithuanian president(ウクライナ-ロシア戦争最新情報: ワーグナーの反乱は「仕組まれた出来事だった可能性」、反乱後のプーチンは「裸同然」とリトアニア大統領)」で、「アトランティック・カウンシルのシニア・フェローであるマイケル・ボシキウ氏は、プリゴジン氏がベラルーシに亡命したことで、将来の「致命的な」事件が隠蔽される可能性があるとスカイニュースに語った。 彼は言う: 「これは、クレムリンによる計画的な出来事である可能性を否定することはできない。 ボシキウ氏はこう続けた: 「プリゴージン氏がベラルーシでトラクターに乗って夕日の中を走り去ったり、ジャガイモを掘ったり、アフリカのどこかのジャングルに向かったりするのを私は見ることができない。」。 彼はまた、ワグネルのリーダーは依然として非常に強力であると警告した。 「プリゴジン氏は、ヨーロッパの中規模国家の軍隊よりも大きな軍隊を指揮している。」「コンゴ民主共和国だけでも、鉱業からの年間収入は約10億ドルと言われている。」「ベラルーシとの国境線は非常に脆弱であり、ウクライナに対する新たな攻勢に利用される可能性がある。」」と書いている。田中宇氏の昨日のメールマガジンでは、「プーチンの露政府はウクライナ戦争を低強度の膠着状態でずっと続けることをひそかな戦略にしている。ウクライナ戦争が長期化するほど、中国サウジなど非米諸国が結束を強めてロシアを支持し、非米側が石油ガスなど世界の資源類の大半を持ったまま米国側と対立し、米国側の経済難が資源不足などによって悪化して自滅する傾向が強まるからだ。 米国側も、覇権運営を牛耳っているのが隠れ多極派なので、ウクライナ戦争を長引かせて米覇権を自滅させたい。米露の両方が、ウクライナ戦争が低強度・膠着状態でずっと続くよう画策してきた。」、「ワグネルのプリゴジンは今年3月ごろから、露側はウクライナ軍を決定的な敗北に追い込めるのだから早く完勝して勝利宣言してこの戦争を終わらせるべきだと繰り返し表明し、それを無視する露政府を非難するようになった。 」とあり、プーチンの戦略とプリゴジンの戦略に相異があったことを書いている。ただ、プリゴジンはプーチンとはサンクとペルブルグ(レニングラード)時代から親交があり、プーチンも今回のプリゴジンの行動を48時間前には知っていたと言われる。プリゴジンがベラルーシへ移動することで、プリゴジンはウクライナの首都キエフの非常に近い位置に移動することにもなる。元スウェーデン空軍将校、元国防政治家で現在、政治・軍事アナリストであるミカエル・ヴァルターソンMikael Valterssonは、昨日、「ロシアの増援」として、「昨日のワグナーのロストフ遠征とモスクワ方面への遠征の後、失われつつあるニュースがある。ロシアの公式情報筋によると、2月以来、15万人以上の新しい職業軍人がロシア軍に加わったという。現在、毎日約1300人の新兵が入隊している。この中には元兵士の再入隊もあれば、新規入隊もある。 これらの新兵のほとんどは前線には派遣されず、新軍と新軍団を形成するために使用される。新軍は2つか3つの軍団で構成されるから、全部で3つか4つの新軍団になり、最大15万人の兵士と少なくとも500台の戦車が配備されることになる。以前、私はロシア軍が2つの新しい攻撃軍団を組織するという報告を聞いたことがある。それが新しい軍団と同じものかどうかはわからない。 しかし、これは、ロシア軍が、ウクライナの突破口への反撃やウクライナ領内への侵攻を目的とした、少なくとも3-4個軍団の攻撃部隊を組織していることを意味する。 新しいロシアの職業軍人の数(月3-4万人)は、戦場での損失を容易に補う。また、新たな動員も不要になる。現在のペースで採用が続けば、2023年には約40万人の新兵がロシア空軍に加わることになる。」とツィートしている。世界的な軍事情報分析のGlobal Firepower は、「2023 Military Strength Ranking(2023 軍事力ランキング)」を公表している。1位米国、2位ロシア、3位中国、4位インド、5位英国、6位韓国、7位パキスタン、8位日本、9位フランス、10位イタリアの順だ。ロシアは米国に次ぐ軍事力を有し、しかもミサイルや戦車、戦闘機の軍事的能力は米軍に勝る上、核保有数は世界最多でもある。ロシアがウクライナを軍事的に占領するのは簡単だ。しかし、プーチンはあえてそれをしていない。プーチンの立場は、あくまでもウクライナ侵略ではなく、ウクライナ東部住民の自決によるロシアへの支援要請に基づく特別軍事作戦なのだ。ウクライナ東部の解放とウクライナの非ナチス化が目的だ。ただ非ナチス化となると首都キエフを含めた一時的なウクライナ全土の掌握が必要となるのではないかと思われる。いずれにしろ、プーチンは仮にNATOとの直接対決となった場合も考慮して、軍備を整えているだろう。そして、その上で、田中宇氏が言うように、BRICSの結束・拡大を推進している。数の上では世界の圧倒的数の国々がロシア制裁には参加しておらず、日本のメディアはまるで世界中がロシア批判を行っているかのように報じている。同じように孤立しているかのように報じられている北朝鮮でさえも世界193ヵ国中160ヵ国以上の国と国交があるのだ。BRICSの中心国である中国、インド、ロシアにおいて、中国とインドには確かに国境問題が介在するが、ロシアが中国とインドの仲介役を果たしてもいる。インドはロシアの武器や石油を購入しており、ロシアへの武器依存度が高い。しかもインドの現首相は、自国利益を最優先し、自立的な外交を行っている。国家の軍事投資は経済的には単なる消耗でしかなく、先の「2023 軍事力ランキング」を見ると、米国は軍事費に7126億ドル(96兆円)を投じている。2位のロシアは660億ドル(9兆円)で、3位の中国は2900億ドル(39兆円)である。米国政府は32兆ドルの債務に達したが、債務上限が当面なくなったので、今後もさらに軍事費支出で債務をさらに膨らませるだろう。ウクライナ支援を中止するわけには行かないのだ。大統領親子はウクライナ利権を切れない上、軍産複合体からの支援も受けている。戦後の米国の軍事介入国はほとんどが泥沼化している。現在のウクライナも同様だ。西側主要国からのウクライナへの支援金はウクライナと言うブラックホールに吸い込まれており、支援金がどのように消えたか全く不透明だ。この面でも日本は米国と同じく政府債務を積み増すばかりである。

栗の花
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