釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

ヒヨドリ

2012-03-25 19:18:02 | 文化
昨日も夕方から湿った雪模様になった。日中は午前中からU先生と行動をともにした後、娘は4時過ぎに一旦帰宅した。少し休むと、弟と二人で雪の降る中を5時過ぎに気仙沼へ出かけた。弟が活動するボランティア組織は気仙沼市で英語塾を開くクウェート人のご主人と日本人の奥さんご夫婦の好意でその敷地の一部を拠点としている。昨日、そのご一家とボランティア組織の親睦会のようなものがあった。そこに参加するのが目的で姉弟は出かけて行った。楽しく過ごしたようで、思ったよりも早く、10時半頃には無事帰って来た。ゴスペルを初め、歌の好きな姉弟は唯一自分たちが歌う機会がなかったのを残念がっていた。釜石と気仙沼は片道80Kmほど離れており、夜間には鹿が道路に出ることもある。まして、雪の降る中なので心配していたが、無事帰宅してくれた。姉はよほど疲れたのか帰宅後は早めに休んだ。姉弟の仲は一般的に見受ける家庭の姉弟よりずっといい。今日も午後から二人でショッピングに出かけて行った。東北にやって来てからは、以前いた愛知県ほどには野鳥観察に出かけることが少なくなった。愛知県だと都市公園や海岸付近で十分野鳥を観察可能だった。釜石でも野鳥はたくさんいるのだが、観察場所がどうしても距離のあるところが多くなる。水鳥のたくさんいる川なども川が大きく、水鳥たちとの距離もあることが多い。山へ入れば、迷彩色でカモフラージュしたテントを使って、比較的近い距離で観察可能なのだが、知らない山はつい敬遠してしまう。冬は雪が深く、夏は熊がいるため、野鳥が豊富でありながら、結局、山へは行けていない。昨日、降った雪の状態を見ようと、家の周囲を見て歩いていると、家の台所のドアの上に少しだけ飛び出した雨よけにイソヒヨドリが止まっているのを見つけた。すぐに家に戻って、カメラを持ち出して来たが、その間に、近所の別の場所に移っていた。それでも少し近づいて、何回かシャッターを切った。イソヒヨドリに近づいたのは釜石へ来てからこれで2度目だ。夜になって、休むために2階の寝室のベットに入った。いつものように本を読み始めると、何かネズミがいる時のような音が聞こえて来た。ネズミなどいないはずだし、音も少し違っていた。突然部屋の中を飛ぶ鳥の姿が目に入った。よく見ると日中に見たイソヒヨドリだった。同じ個体かどうかは分からないが、まさしくイソヒヨドリだ。どうやって寝室に入って来たのか、見当もつかない。窓は全く開けていない。ともかく、部屋から外へ出してやらなければならないので、窓を開けて、何度か、手で鳥を追うような仕草を繰り返すうちに、やっと、窓から暗い外へ飛んで行った。外の少し離れたところに見える街灯を目指しているように見えた。イソヒヨドリとヒヨドリの名が付くが、ヒヨドリとは少し種類が違うようだ。ヒヨドリの方は国内ではスズメ同様、珍しくもない、どこにでもいる鳥なのだが、世界的に見ると、この鳥はおおよそ日本に局在する、むしろ、珍しい鳥だ。古くから日本に棲んでいるようで万葉集では「呼子鳥」と詠われているのがヒヨドリだとも言われている。やはり万葉集では保呂之(ほろし)と詠われているヒヨドリジョウゴなど、植物にも何種類かヒヨドリの名が付いている。セキレイとともに太古から日本に棲んでいる貴重な鳥なのだ。
近所の空き家の軒下へ移動したイソヒヨドリ

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