釜石の日々

遠い春

厚生労働省のホームページで、健康局疾病対策課は、「肝炎対策について  ~肝炎の早期発見・早期治療が肝がんを防ぎます!~」と書いている。一応は「早期発見・早期治療」の大切さが分かっているようだ。その厚生労働省が、こと新型コロナウイルス感染に関しては、早期発見・早期治療を全く無視している。現在、厚生労働省が行っている新型コロナウイルス検出検査の中心はPCR検査である。この検査による陽性者を毎日集計し、発表しているのだ。新型コロナウイルス感染者を見出すほぼ唯一の手段として、厚生労働省自身が使っているのがこのPCR検査である。日本だけではなく、欧米も含めてとても不思議なのは、感染が大きく拡大するまで放置しておきながら、感染が手が付けられなくなるほど拡大してから、ようやくロックダウンや緊急事態宣言などの行動制限を発する。癌が体内で発生したばかりであることを知りながら、放置し続け、体内全体に転移して、初めて慌てる状態と変わらない。鳥のインフルエンザでは、感染が1羽でも発生すれば、直ちに殺処分される。それは早期に感染の目を潰すためである。これは感染症の基本だ。にもかかわらず、新型コロナウイルス感染では、「英知」を有する先進諸国の全てが感染が拡大するまで、国としては対策を講じない。基本的に個人の自粛に頼るだけである。むしろ、大きく感染が拡大してから行動制限を行うために、国としての補償費は大きくなり、人の命の犠牲まで多くしている。第1波だけならまだしも、波を重ねるごとに波を一層大きくしてしまっている。つまり、前の波で何ら反省がなく、そのため、次の波でも何も準備されていない。しかも、長引くために厄介な変異ウイルスまで登場させてしまっている。しびれを切らした地方や地域、また企業や組織が独自にPCR検査を拡大させている。NHKの集計では、日本の昨年の第1波のピークは4月11日のわずか720人である。ついで第2波のピークは8月7日の1605人で、2.2倍となった。昨年末からの第3波のピークは現在のところ1月8日の7882人で、第1波のピークの10.9倍になった。第1波で37.5度以上4日間などと言う何の根拠もない検査基準など設けず、徹底的に検査を行い、空港検疫を厳しくしていれば、犠牲者も経済的損失もずっと少なく出来ていた。政府は現在、誰が考えても効果が薄いと思える「緊急事態宣言」を小出しする一方で、法を改正して、罰則を設けようとしている。自分たちの無能さ・無策を棚上げにして。無能さ、無策が表面上救われているのは、欧米の日本以上の感染爆発があるためだ。しかし、日本と同じく欧米より桁違いに感染者数が少ない東アジアを見れば、全土に感染が広がるのは日本だけである。感染が広がれば、重症者も死者も当然多くなる。子供でも分かることを、為政者は何も準備せず、春にも言われた今のような医療事態を招いている。日本が東アジアで最悪なのは、何よりも政治家に助言する立場の「専門家」の劣悪さである。そのことを厚生労働大臣として悟らされた舛添要一氏は、「プール式PCR検査にしても民間の検査機関の活用にしても、官僚はまず出来ない理由をあげつらう。感染症法など法制度の改正もそうだ。そのため実行が後手後手になって、コロナ対策の失敗につながっている。その間違いを糺すために、国民の代表である政治家がいるはずだ。」とTwitterで書いている。オリンピック開催に執着する政治家が、また、そうした専門助言者の利益と合致しているために、全てが最悪な結果を招く形になっている。医師の資格は持っていても、患者の治療に携わることはなく、国民の命を守る気概もない人たちが、厚生労働省の医系技官や「専門家」の職に就く。「検査を拡大すれば医療崩壊する」として、検査制限を当然のごとく語っていた東京都の「専門家」が、14日は、「爆発的な感染拡大を示す兆候」などとまるで他人事のようなことを述べている。その事態を招いたのが自分たちが推めて来た検査制限にあることなど考えもしないようだ。舛添氏の言うことを考えれば、現在の政治リーダーとそのリーダーに助言する「専門家」両方が変わらない限り、今後も事態は基本的に何も変わらないだろう。東アジアの他の国々のように医療、感染症の大原則、早期発見・早期隔離・早期治療を行わなければいずれは第4波、第5波に見舞われることにもなるだろう。同じ軽症者でも入院が出来た人には、すでにアビガンが使われている場合があるようだが、入院出来なかった人には何も与えられない。ただ悪化するかも知れない状態で待機するだけである。個人で少しでも感染防止を考えるしかない。医学的論文の出ている範囲では、ココナツオイル、ビタミンD、塩化セチルピリジニウム含有の洗口液などが有用のようだ。そして、何よりも規則的な生活と食事で免疫力を高めておくことだろう。
カワアイサ(2羽の雄)
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