釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

カルデラ噴火

2014-07-25 19:14:44 | 自然
今日は全国的に晴れて、各地で真夏日になっている。釜石も晴れて33度まで上がった。内陸の盛岡の方が1度低い。いつもだと夏は内陸より沿岸部の釜石の方が低いんだが。それでもさすがに東北だけあって夕方には涼しい風が吹いてくれた。職場の裏山の葛(くず)も木々を覆い尽くすように伸びて、花を咲かせ始めた。 今朝の東京新聞によると、鹿児島県の九州電力川内(せんだい)原発は火山噴火の予兆を察知した場合は核燃料を安全な場所に緊急移送するとしたため、原子力規制委員会は緊急移送を条件に、川内原発が新規制基準を満たしていると判断したと言う。しかし、同紙が取材したところ、実際には原子炉を止めても核燃料を外部に運び出すにはプール内で少なくとも2年2カ月冷やした後、専用の輸送容器を使って輸送しなければならず、輸送会社が持つ全ての容器を使っても一度に移送できるのは350本で、原発内の2000本近い核燃料を運び出すには6回は往復しなければならない。新たに容器を製造するにも約3年かかると言う。川内原発周辺には巨大噴火を起こしたカルデラが6つある。北から阿蘇カルデラ、加久藤カルデラ、小林カルデラ、姶良(あいら)カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラの順になる。気象庁の火山噴火予知連絡会会長を務めている藤井敏嗣東京大学名誉教授によれば、日本の火山噴火は世界の他の地域の火山噴火と異なり、爆発的な噴火になりやすいと言う。それは日本列島の下にプレートが潜り込んでいるためだと言う。太平洋で沈み込んで行くプレートが火山直下のマグマに水分を供給するため、マグマは水蒸気を含むことになり、水蒸気を含んだマグマが地表近くに上昇すると、それまで地下の圧力で抑えられていた水蒸気が一気に膨張する。これが爆発的な噴火をもたらす。爆発的な噴火が起きると、地下に溜まっていたマグマが爆発により飛散する。マグマのあったところは広大な陥没地となる。これがカルデラと呼ばれる。従ってカルデラを作り出すカルデラ噴火と呼ばれる噴火は巨大な噴火となる。これまで平均6,000年間隔で起こっていた日本のカルデラ噴火は7,300年前の鬼界カルデラ噴火を最後に沈黙している。この噴火では東北地方にまで火山灰を降下させ、関東地方で10㎝、大阪・神戸付近で20㎝積もり、南九州から四国にかけて生活していた縄文人は死滅するか、食料を求めて火山灰のない地域に移動し、1,000年近く無人の地となったと言う。九州のカルデラを代表する阿蘇山は、30万年前から9万年前までの間に、4回も巨大なカルデラ噴火を起こしており、特に、9万年前の噴火は阿蘇4噴火と呼ばれ、日本のカルデラ噴火としては最大級で、鬼界カルデラ噴火の5倍以上、300年前の富士山宝永噴火の1,000回分に当たるると言われる超巨大噴火であった。火砕流が九州のほぼ全域を襲い、一部は海を越えて山口県にまで到達している。火山灰は日本全土を覆い尽くし、その厚さは北海道東部でも10㎝以上に達している。同名誉教授は、カルデラ噴火はもはや、いつ起こっても不思議がない現象だと言われている。一度、巨大噴火が起きれば、貯水池や水道浄化池では火山灰のために取水不可能となり、広域で断水状態が続き、また送電線の断線、電柱などのがいしに降り積もった火山灰によるショートで大停電が起き、断水や商用電源の断絶で原子力発電所の甚大な事故につながると警告されている。
職場近くで咲いて来た百日紅(さるすべり)

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