釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

71年目の「敗戦」記念日

2016-08-15 19:19:58 | 社会
今朝の気温は20度で、朝や夜にはもうすっかり秋の気配を感じる。日中は釜石では28度まで上がった。内陸は30度に達している。日中でも日陰だと風が吹き、涼しい。日中の部屋の中でもクーラーを使わないで過ごせるほどだった。今年の釜石での夏は例年より暑さが和らいでいるようだ。夏が短く、もう秋になって来ていることを肌で感じる。庭ではレンゲショウマや松虫草、紫陽花が咲いている。 今日は71年目の「敗戦」記念日だ。午前中には市の放送があり、正午に「終戦」記念のサイレンを鳴らすと報じられた。「敗戦」を「終戦」と表し、「占領軍」を「進駐軍」と表していることを指摘したのは亡くなった加藤周一氏である。海外での生活が長かった氏はそれゆえに日本をよく見ていた。日本人の過去の文化から、日本人は「部分」を重視し、空間的には「ここ」、時間的には「今」を重視することを芸術や俳句、短歌などを例示して明らかにされた。そうした精神構造とも関連し、曖昧な表現が多用される。氏はそれをユーフェミズム(Euphemism、婉曲表現)だとされる。直接的な表現を避け、曖昧な表現に変える。官僚や政治家だけでなく、世間一般でも同じような表現が使われる。曖昧さは責任の所在を不明瞭にし、無責任の連鎖をもたらす。「けじめ」がないために同じことが繰り返され、結果が良くなくとも誰も責任を負わない。福島第一原発事故もそれによる放射線被害も責任は曖昧にされ、そのために被害の救済もいい加減になる。けじめのない「終戦」のために今また同じ轍を踏もうとしている。さすがに天皇一人がその流れに抗しているように思える。
松虫草

最新の画像もっと見る

コメントを投稿