釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

昨年以上に自力復興が要求される今後の災害

2012-03-21 19:22:17 | 文化
天気はいいが今日は風が強い。周辺の低い山は雪もなくなった。やや高めの山にはまだ雪が残っている。昨日娘はNPOの情報誌の取材で再び桜舞太鼓(おうぶだいこ)の練習に立ち会うために夜に出かけて行った。取材の後も歓待されたようで遅くなって帰宅した。震災前から桜舞太鼓を支援されておられた方が、震災後、使えなくなった太鼓の皮を利用して、「ミサンガ」(組み紐で作られたブレスレット)を作られ、桜舞太鼓を支えるための一助とされておられる。昨日は娘がその方から貴重なミサンガを家族の分までいただいて帰って来た。こうしたミサンガや瓦礫を利用したキーホルダーなど、震災後には少しでも復興に役立つ品が生まれた。仮設住宅に住む高齢者が出来る手仕事などもあるようだ。金額的には生計を立てるほどにまでは至らないが、何か目の前にやるべきことがある、というだけでも支えになることがある。昨年の震災は南北に広い範囲に被害を及ぼしたが、比較的人口密度が高くない地域が中心であった。しかし、今後は人口密度の高い所での災害の発生が予想される。震災直後に真っ先に自衛隊が駆けつけ、救援にあたってくれた。その規模は最大で10万人にも達した。日本の自衛隊としては恐らく災害救援のために出動可能な最大規模だと思われる。今後首都圏での直下型地震や東海・南海などの連動地震、富士山噴火などが生じた場合、昨年の被害を大きく上回るだろう。一説には5~8倍になるとも言われている。首都圏の直下型地震が起きれば被害は200兆円になると試算されている。今回の震災では各自治体へは全国の自治体から多くの職員が派遣され、業務を支援していただいている。首都圏を巻き込んだ災害ではこうした人的支援の規模も昨年くらいでは済まなくなる。瓦礫の撤去だけでも建設関係の人員不足は必須のようだ。大都市圏では仮設住宅の建設用地すら確保が困難になる。当然支援者の宿泊場所なども確保しにくくなる。人口密度の低い地方都市の災害とは様相は全く異なる。人手と費用の確保も容易でない可能性が強い。日本一国では復興にこぎ着けることは不可能かも知れない。昨年の震災以前は実際ほとんどの人があれほどの災害は予想もしていなかった。まして、原発事故の可能性などほとんど考えられもしなかった。ごくごく一部の人以外は。しかし、昨年の震災はあらためて日本列島のおかれている状況を思い起こさせた。現在が地震や噴火の活動期に入っていることも知った。もはや、首都圏や東南海域での地震や、内陸部の活断層による地震、富士山の噴火などは遠い未来の話ではなく、近々起こりうる現実的な問題だ。その時の物的、人的被害は昨年の被害をはるかに超える。昨年以上に行政の対応は遅れ、あてには出来ないと思われる。あくまでも自力での立ち上がりを覚悟する必要があると思う。輸送手段が壊滅するため、水や食料の確保は先ず必要だ。そのための準備を個人でやっておかねばならない。「天災は忘れた頃にやってくる」は昨年の震災までしか通じない。すでに今後について指摘されて、予想されているいることが明らかな地震や噴火には通じない。
いただいたミサンガと瓦礫で作られたキーホルダー

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