週末は予報通り晴れて、気温も上がり春の到来を思わせる日であった。庭の福寿草も日が射し始めると開いて来た。水槽の氷も溶けて、中の金魚が元気に揃っていることが確認出来た。一時は厚い氷に覆われて、元気でいてくれるかどうかさえ確認出来なかった。餌をやることも出来ず、心配していた。水槽は水が緑色になっており、植物性プランクトンが繁殖しているので、金魚はこれを食べていたのだと思われる。今朝は気温が3度で、さほど寒くはなかった。いつものウォーキングコースを行くと、真っ白に見える水鳥が目に入り、急いで手持ちのカメラを向けた。見るといつか職場付近の下流で見かけたカルガモであった。突然変異の真っ白なカルガモだ。 物質は全て原子から出来ているが、その原子も中心の原子核とその周囲にある電子からなる。ちょうど太陽の周りを回る惑星のような関係で、太陽が原子核に当たり、惑星が電子にあたる。惑星も複数あれば惑星の軌道も複数あるように、原子核の周囲の電子の軌道も複数ある。原子核はプラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子から構成され、それぞれがまたクォークと呼ばれる素粒子から出来ている。電子はマイナスの電気を帯びているが、この電子が流れると電子とは反対方向に電流が流れる。電子はマイナスの電気(電荷)を持つとともに、それ自体が地球のように自転しており、これをスピンと言われている。電子のマイナス電気の流れを利用して来たのがエレクトロニクスである。これに対して、電子のスピンを利用したものがスピントロニクスと呼ばれる。電子の自転は駒の回転とは違って、回転や回転軸は一定に決まっている。エレクトロニクスでは消費電力の最小化と、電流が流れることで発生する熱の低減に限界がある。しかし、電子のスピンを利用すると、電流ではなく、「スピン流」を使って電力も発熱もなく、情報を記録したり伝達したり出来る上、モーター駆動などの動力も得られる可能性があり、超微細レベルでのスピン流の生成と制御のための技術開発や基礎研究が世界的に競われている。スピン流は磁力や音波、振動などでも生まれ、ナノサイズのモータや発電機に応用することまで期待されている。すでにコンピューターの世界では記録媒体であるハードディスクやメモリにこのスピンが利用されている。AI人工知能など、これからのコンピューターには極小で、電力消費もほとんどなく、高度な計算を短時間にこなす能力が要求される。これを電子のマイナス電荷にもとずく電流ではなく、電子の自転と言う磁気性にもとずくスピン流により達成されようとしている。 白いカルガモ