釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

800年前のハス

2014-07-30 20:54:44 | 文化
今日は朝から晴れ上がって、暑い日となった。紫波町の五郎沼の800年前のハスが見頃なので、暑かったが、出かけることにした。遠野から396号線に入り、盛岡方向へ進み、大迫(おおさこ)で102号線に入り、4号線まで走った。4号線を北上してしばらく行くと、左手の道沿いに五郎沼の堤が見えてくる。例年通り、人はあまり来ていない。先週土曜日に「古代はすまつり」をやっているので、その時はたくさん来ていたのだろう。やはりハスの色がいい。淡い色のグラデーションがなっとも言えない。ハス池の周りをゆっくり何度か回った。岩手のよさはこうして綺麗な花を一人ゆっくり、心行くまで見ていられることだ。暑さを忘れてハスに魅入られる。すぐそばの夏の五郎沼には水鳥たちの姿が見られない。冬には白鳥たちがやって来る。以前、娘と行った奥羽山脈の山裾の丘陵地にあるビューガーデンを思い出し、ついでに行って見ることにした。4号線をさらに少し北上して、46号線で東北自動車道の紫波IC方向へ向かい、162号線を続けて走ると、丘陵地にある志和古稲荷神社に出る。その前を抜けて北上すると左にラ・フランス温泉館が見え、その北隣がビューガーデンだ。しかし、今日は休みになっていた。入口より北側に宮沢賢治の親友であった紫波町出身の藤原嘉藤治の家がある。音楽教師であったが、49歳で開拓農民になった時の家だ。その家の裏手の丘陵に広く花が植えられたビューガーデンが見える。作業道があるので、そこからビューガーデンに入って行った。ラベンダーがたくさん植えられていた。周りからはツクツクボウシやアブラゼミの声が聞こえて来る。やはり内陸は沿岸部とはセミの分布が違うようだ。バラも何種類か咲いていた。少し歩いて車に引き返し、ラ・フランス温泉館の南隣にある南部曲がり屋の武田家を訪ねた。道から奥に入ったところに建っているが、手前にはハス池が広がっていた。しかし、ハスの花はまったく咲いていない。建物の中は一部が休憩所のようになっており、何故か武士の鎧が飾られていた。一通り見終わると、志和古稲荷神社へも寄ってみた。ここには紫陽花がたくさん咲いていた。神殿の前の神木である杉の大樹はかなり古いもののようだ。せっかく紫波町まで来たので、以前から目にしていた野村胡堂・あらえびす記念館へも行ってみることにした。来た道を引き返して、一旦、4号線に出てから北上川を渡り、456号線に出て、道路沿いを少し上がった丘の上の記念館へ行った。とても立派な建物だが、ここも人はほとんど来ていない。銭形平次を書いた野村胡堂だが、世界でも初めてと言われる音楽評論家でもあり、「あらえびす」の名で記事を書いていた。東京大学法学部へ入ったが、父の事業の失敗で退学せざるを得なくなり、報知新聞へ入っている。金田一京助とは盛岡中学以来の親友だ。石川啄木は後輩になる。記念館には胡堂の蔵書や何種類かの蓄音機や凄まじい数のレコード盤が納められている。胡堂は亡くなる際に財産を、自分がなし得なかった就学のための奨学金など、いくつか寄付したようだ。紫波町は32度まで上がっていた。遠野とはまた違った落ち着いた田園風景が見られる。
色がとても綺麗だ

暑さを忘れさせてくれた

藤原嘉藤治の家

ラベンダーの咲いていたビューガーデン

南部曲がり屋の武田家

志和古稲荷神社

野村胡堂・あらえびす記念館

誰もいない立派なラウンジ


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