なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

会話

2006-05-23 22:03:33 | ビジネスシーン
社団法人土木学会の初稿が送られてきた。I村代表、S藤理事、事務局K住の3人がインタビューに答え、その3人の顔写真が載っている。画像が荒いというメモがあったため、急遽、写真を撮り直すことになった。
「あのぉ……」
おずおずと、S藤さんに切り出した。
「この際ですので、私の顔写真は『なし』ってことにしてもらえませんか?」
「くだらん理由だったら却下するでねっ」
「うぐっ……」
ぐうの音も出なかった。

「フライフィッシングだけでなく、どんなアウトドアにも対応できるように、ズボンとTシャツとシャツとジャンパーと帽子を買っちゃいました! あとは靴です!」
「K住さん、ジャンパーではなくジャケット、もしくはウインドブレーカーと呼びましょう」
「ううっ。S木くん、あなたも言うねえ」
「そこから生活が変わります」
「そうだ、そうだー!」
「S藤さんまで……」
「それに、靴はシューズ。つっかけなんて言っちゃだめだぞ、サンダルと言いなさいよー!」
「ふ、ふたりして、言わないで下さいっ」

S木くんと二人の静かな事務所。
「うわっ!」
すぐカッカするS藤さんや私と違い、喜怒哀楽の感情の振り幅が少なそうなS木くんが突然声を上げ、立ち上がった。
「猫が入ってきました!」
風を通すため開けてあった裏口から猫が入り、S木くんの声に驚いてまた出て行ったのだ。
「猫って羨ましいですね……」
「なに、突然」
「かわいがってなついても、次の日になると忘れたように出て行ってしまう」
「猫は孤高の生き物だからね」
「孤高ですか」
「死に際だって見せないでしょう。猫は一人で生きて、一人で死んでいくの。誰に寄りかかることもなく」
「猫のようになりたいですね……。って、どうでもいいことなんですけどね」
「そんなことはないよ。猫から学ぶこともある」

真っ昼間っから、上記のような哲学的な問答を本当にしているか否か、はたまた話を作っているのか、書いているうちに自分でもよく分からなくなってきた。
事実から妄想の世界へ。……小説が書きたくなっているのだろうか。
締め切り近し。かなりヤバイです。

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2 コメント

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寄り道させていただきました (自然人)
2006-05-23 23:56:20
はじめまして。

浜野さんのDVDを見て以来、

浜野さんに惚れてしまった男です。

浜野さんのブログを見ていて、

こちらをふらふらと訪れてみました。

お気に入りに入れて、

これからちょくちょく遊びに来ようかなって思っています。

とりあえず挨拶だけでもと思いまして・・・

これからも楽しいお話を楽しみにしております。

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寄り道、道草、回り道 (管理人)
2006-05-24 22:49:57
自然人さん、ようこそなだれ込み研究所へ。浜野さんのブログから来て頂いたなんて光栄です。寄り道、道草、回り道、いいじゃないですか。最短コースからは見えないものが見られるはずです。

これからも、どうぞよろしくお願いしますね。「難行道」を進みながらも、日々を楽しみ、楽しさの一場面を切り取ることのできるようなブログを目指します。
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