なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

知の連鎖

2006-11-01 23:59:59 | ビジネスシーン
先日、お客様から「豊かさとは何か」と問いかけられ、なだれ込み研究所なりの答えをこのブログで発信したのだが、北の心の開拓記のK松さんが、「【番外編】豊かさとは」と題して自分のブログ上で自分の考えを発信してくれた。K松さん曰く「知の連鎖」とだという。

たぶん、私などの忙しさとは量も質も比べものにならないK松さんだろうに、しかも「豊かさとは何か」などという、日常生活の中であえて考える必要もない、極めて根源的で哲学的な問いを自分自身に課し、考え、まとめた。
さらに昨日、
「実はその後、思いが至ったこともあるので、さらに加筆してまとめたいと思います」
というメールが届いた。
豊かさとは、というたった一つの問いが、なんと幸せなつながりに進化していくのだろうと感じた。

ちょうど昨日、打ち合わせの席で、
「ホームページ上でいくら情報発信しても、活字の多いサイトは読まれない」
という発言を聞いたばかりだった。
私自身は活字中毒のところがあるので、決してそうは思わなかったが、最近の傾向として「そうなのかなあ」と弱気になっていたばかりだった。
でも、こうして、「知の連鎖」という目の前で起こったことを見ていると、パッと見るだけのサイトではなく、じっくり読み込み、自分なりの考えをまとめ、表現しようとする人たちが確かにここにいるのだと実感できた。なんと、幸せなつながりだろうと――。

映像や画像や全体のイメージで惹きつけられる魅力だけでなく、「活字」という、ある意味じっくり時間をかけなければその魅力を理解できないものの存在意義は確かにあるのだ。
なだれ込み研究所には、映像や画像やイラストやデザインなど様々な表現方法を使って「イメージ」や「意図」を伝える仕事があるが、この「なだれ込み研究所の一日」では、文章だけで何かを伝えようとする。文章だけで伝える世界が、仕事とは別に私には必要だし、それは少しずつでも「ちゃんと」伝わっていると実感できる。

ブログ上の「知の連鎖」によって、プラスのスパイラルが生まれ、次々と連鎖していくのだとしたら、それはとても面白いことだと思う。
バーチャルな世界の「知の連鎖」は、自分一人で、じっくりと考えられるところがいい。実際に話し合って、広げることも大切だが、ときには一人、深く深く考えていく時間も、たぶん私には必要で、世の中にはそういう人も、確かに存在する。