昔の望遠鏡で見ています

昔の望遠鏡による天体観望と、その鏡景写真についてご紹介します

五藤ウラノス号ほか ロンキーテスト

2019-02-23 | ウラノス号

 

 五藤光学のウラノス号を、ロンキーテストした際の画像(以下ロンキー像)です。ロンキーテストは、望遠鏡の光学的精度を求める際に利用されるものです。使用した道具は、機会があって専門の方に譲って頂きました。ロンキースクリーンは、インチ100本、平面反射鏡を利用し、ダブルパス方式にて使用しています。縞は、まっすぐな方が良いのですが、完全無欠のものは存在しませんので、許容値があり、その際の縞の曲がりは、F15の望遠鏡で約1/8、F8で約1/15までと言われています(Fは口径と焦点距離の比です)。ここで、ご覧頂くものは、吟味して撮影していませんので、参考程度としてご覧下さい。ウラノスのロンキー像を見ると、このレンズはアクロマートですので、左右に色収差は若干見られますが、縞模様はほぼまっすぐに見えます。60年くらい前の望遠鏡ですが、大変立派だと思います。

 

 

  五藤テレパック50AL鏡筒のロンキー像です。バカちょんカメラでの撮影ですので、うまく撮れていませんが、ほぼまっすぐのようです。なお、全体的な左右への傾きは、カメラの構え方によるものですので、光学的精度には無関係です。

 

  ニコン8cmのロンキー像です。先の撮影と、写っている本数が違いますが、これは撮影時の拡大率の違いによるものです。色収差が少し認められますが、縞模様はほぼまっすぐで、綺麗です。

 

  タカハシのFC100のロンキー像です。ほぼ完璧と言って良いのではないかと思います。(この望遠鏡のみF8で、他はF15です。)

 これらを見ると、ニコン・五藤・タカハシの御三家のものは、昔からしっかり調整されているようです。

 

  不良な鏡筒(8cmF15)のロンキー像です。大きく曲がっていますが、調整が悪いのか、あるいはレンズそのものが不良なのでしょう。天体望遠鏡は、繊細な機械ですので、品質管理はしっかり行ってもらいたいものです。

  今回撮影したロンキー像は、室内で撮影するものですので、星の見えない時にも行うことのできる、楽しみの一つです。※星を実際に使う方法もありますが、許容される縞の曲がりは、ダブルパス方式の1/2になります。