昔から続く秤屋の倉庫の奥に眠っていたという、天下の五藤光学のウラノス号である。天体望遠鏡というものは、やはり分かりにくい物なのであろうか、箱の上には中身を説明した紙が貼られている。 塗装は黒、上下微動竿の形状から4型機だ。鏡筒と経緯台、そして上下微動竿に加え、接眼鏡や五藤独特の太陽投影装置も揃っている。プリズムは油紙に包まれ、まるで最近作られたようだ。ただ残念なことに、三脚は箱に入らないこともあ . . . 本文を読む
月食
2021-05-28 | 日記
仕事帰りに、気が付いた。朝に娘から写真を撮るのかと、メールをもらっていたようだ。見るだけと、答えてはみたが、期待されているのを感じ、撮影することにした。帰宅後に見える方向を調べてみると、隣家に掛かり庭からでは難しそうだったので、二階に上がってみた。すると、ちょうど山の端が明るくなっているところが見えた。そこは幸運にも、窓際にテレパックを置いて撮影できる位置だった。曇りがちだったが、雲の切れ目が増 . . . 本文を読む
五藤のテレパックは、お気に入りの望遠鏡だ。フリークランプの経緯台は使い易いし、何より長焦点屈折で格好が良く、これこそ天体望遠鏡という姿をしている。初めてこの望遠鏡を知ったのは、昔の天文ガイドの裏表紙だった。ゴルフ場のような綺麗な草原が広がる場所に、望遠鏡が据付られ、その脇に青いシャツを着た男性が座り、月の写真を見ているというものだ。65mmセミアポを買ってもらいながらも、気になる望遠鏡だったのだ . . . 本文を読む
天文同好会には、所有する望遠鏡もなかったし、観測所なんて夢のまた夢であった。手軽に観測出来るように、校内に望遠鏡の台座を設置しようということも計画したが、実現できなかった。というのも、学校側は良い顔をしなかったし、なにしろ実際に設置する望遠鏡のあてもなかったからである。それでは、何をしていたかというと、そのころ流行っていた天体写真撮影を主に行っていた。もちろん、今とは違って、白黒のフィルムを使用 . . . 本文を読む
望遠鏡の会社で、その名前の前に枕詞を付け呼ばれるのは、五藤とアストロくらいではないかと思う。五藤は「天下の五藤光学」で、アストロは「人気のアストロ」だ。共に、現在はアマチュア向けの望遠鏡は作っていないので、マニアは懐かしさを込めて、そう呼ぶのかもしれない。 アストロは、昔の天文ガイドの表紙裏に広告を載せていた。食の観測か何かで、土手のようなところに沢山の望遠鏡を並べ、おじさんたちが観測準備を行っ . . . 本文を読む