胎内への道は、田んぼの中の道が良い。途中に見える青い空と白い雲も、綺麗だ。
通行止めの林道があり、何度も迂回して着いた星まつり会場は車が一杯で、駐車できたところは少し離れた所だった。気になるのはメイン会場だ。急ぎ足で行ってみると、あまりの炎天下で人通りもまばらだったが、友人と会う。
暑さに負けそうになるが、せっかく来たのだからと、店を二人で回ってみる。日差しを防ぐために、首に巻いていたタオルを頭に載せた。すると面白い部品を見つける。トミタの「31.7→24.5マイナスポイントAD」という、光路長をマイナスにすることのできる優れものだ。昔のドイツサイズの接眼鏡を使っていて、もう少し接眼鏡を押込めたらピントが出るのだがという経験があったので、一つ購入してみることにした。
取付は、小型のビスで横から押さえる構造である。N社のオルソ7mmは、24.5スリーブの上側の黒色の部分がADに入り込み、マイナスポイントとなるのが判った。一方、P社のオルソにも取付けてみたが、5mmと9mmは入り込むべき部分が無いので、期待される性能は得られなかった。一方、同社のオルソ12mmとケルナー25mmは効果が得られたことから、利用する際には、その形状をよく見る必要がありそうだ。
会場には飲食コーナーもあった。涼をとるため、かき氷でも食べようかということになる。孫が食べるところは、隣でよく見ているかき氷だが、自分用に買うのは数十年ぶりである。店主も忙しいのか、シロップは適当にかけてくれという。味も何にしようか迷ったのだが、端にあった赤いイチゴにする。自由にどうぞというので、沢山かけた後に、甘すぎたらどうしようと少し後悔したのだが、結果的には大丈夫であった。
テントの中に空いた席を見つけ、友人と向かい合わせに座って食べながら話をする。来年の日食観測に行くのだが、船でのコースにしようか迷っているという。望遠鏡は使えないが、晴れのエリアへ移動できるので、日食を見ることのできる確率が高くなるから良いかなと言っていた。自分は、上海に弾丸ツアーで見に行ったことはあるが、その後は見たいという情熱が小さくなってしまい、今回も見送ろうかと思っている。
夕方には、少し涼しくなる。遠くにはカミナリ雲も見えたが、雨が降るとしてもだいぶ先のようだ。人通りも増えて、会場も賑やかになる。
N社の高級双眼鏡を覗く。目で見える風景を、そのまま大きく明るくしただけの見え方で、実に自然で、双眼鏡を覗いているのか目で見ているのか判らなくなるくらい、光学系の存在を感じさせないものだった。
友人は、T社のフリーストップで部分微動付き経緯台の掘り出し物を入手していた。写真三脚に取付可能ということを確認したかったのだろう、別の店の三脚に取付けさせてもらったのは良いのだが、なかなか外せなくなって困っていたのも、星まつりらしい風景だと思った。