ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「名も無い日」

2021-09-21 | 映画のお話
私の観られる時間帯は決まっていて、観ることのできる映画作品は限られてしまう
日々の生活の中にふんわりとある貴重な時間だ

時間帯はちょうどいいのだが、さほど興味がわかない邦画
だが登場するキャストたちの名に惹かれて決めた

別の映画館で上映しているアカデミー賞物も観たかったのだが
これに決めたのはどうしてだろうと思いながらも
昼食を済ませ、ゆっくりと向かった。

ニューヨークで活躍する写真家の長男が
瞬間的にカメラを構えてはシャッターを切れずにいる
そのシャッターが切れた時、
この作品はきっと終わるのだろうなあと
記憶を手繰り寄せるようにして観続けた。
時々、もう観るのをやめたいような気がしたが
私なら観続けられるはずだと言い聞かせながら耐えた

好きなジョーの萎えて崩れ朽ちてゆくさまが嫌なのだが美しかった
(だからばかまじめにやっててはだめなんだよ
食い物にされるんだからね)
と言い聞かせるような気持で見つめた。

ダメになってゆく瞳が象徴する彼の世界
次男なんだからサンドイッチ現象で
もっともっと
屈折してはじけていいはずなのに
好きなことをして飛び出して行ったのは長男だったんだね。
そうしてそんな二人を観ながら育っていった三男

そうか、私も長女だったっけ
そうなんだろうなあ
はたからすれば好きなようにさっさと家から飛び出した一番上
でも家を捨てたわけじゃない

もっともっと兄弟で話していればなあなんて
やっぱり無理な話
壊れてゆくものは仕方がないんだよ、はずれていくんだよね。

半年以上前になくなったらしい二男は
死亡日が確定できないので命日がないのだなどといったってね。
死ぬのは最後 
誰でも生まれてきては死ぬ運命なのに
残された人々は今も眠れないのだ
死者も生者も紙一重の世界なのだから

活躍する日比遊一監督自らの経験を描いた、
実話に基づく兄弟の物語
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