大倉草紙

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【東京・港区】 偏奇館跡

2010年10月13日 21時00分00秒 | 旅 - 東京都
9月24日(金)


(東京都港区六本木1-6)

「小説家永井荷風が、大正九年に木造洋風二階建の偏奇館を新築し、二十五年ほど独居自適の生活を送りましたが、昭和二十年三月十日の空襲で焼失しました。荷風はここで『雨潚潚(あめしょうしょう)』『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』などの名作を書いています。偏奇館というのは、ペンキ塗りの洋館をもじったままですが、軽佻浮薄な日本近代を憎み、市井に隠れて、滅びゆく江戸情緒に郷愁をみいだすといった、当時の荷風の心境・作風とよく合致したものといえます。

冀(ねが)くば来りてわが門を敲(たた)くことなかれ
われ一人住むといへど
幾歳月(いくとしつき)の過ぎ来(こ)しかた
思い出の夢のかずかず限り知られず
         『偏奇館吟章より』

 平成十四年十二月   港区教育委員会」(碑文より)

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