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短歌味体Ⅲ 3702-3704 意味は置いといてシリーズ・続 | 2019年11月14日 |
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短歌味体Ⅲ 3799-3801 意味は置いといてシリーズ・続 | 2019年12月14日 |
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3702
透明な時代の中に
新しい
みどりの意味の芽を探してるんだけどなあ
3703
くたびれたこれそれあれの問題は
わかっているのに
温かなみどりの意味が見えてこない
3704
向こう岸がよく見えなくて
焦(じ)り焦りと
否定ばかりが狂い咲く 今は
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3705
例えばね、歌の歴史を
凍らせて
コアだけをそっと温め直していきたいな
3706
霞み立つ歌の道から
現れる
でもどこかなんか違うよねえ
3707
おんなじ道を歩いている
(あのこはいいな)
足取りと視線が違うさ
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3708
広い海を背にして
物書きは
組織は要らない 自己組織
3709
歌の始まりから数え切れない
言葉たちが
費やされ消えた その費やしよ
3710
歌はただこの舟に乗り
あの海へ
漕ぎ出してゆく 一人の祝宴だ
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3711
言葉の意味の重量は
大声でも
沈黙でもゴチックでもおんなじさ
3712
いくら強調しても
放たれる
意味は増量されない
3713
ひとりひとり放つ意味は
時間の
積み重なる固有圧に彩られる
2714
衣装を脱いでいけば
裸の
意味が恥ずかしげにうずくまる
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3715
意味だけでなくその感触が
ぱこーん
としっくりこないな しっくり
3716
正確には意味のおしりが
腰下ろす
椅子との相性が悪いな
3717
意味ならば抗っていても
この世界の
どこかにとりあえず着地する
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3718
さびれた意味の裏通り
古い演歌は
エモい国境の向こうを流れる
3719
重たい意味のシャッター通り
もう生き返らないね
テレビでは疾走するコマーシャル群
3720
おもいもよらぬ水かさに
ぷかぷかと
おもいおもいが意味拡散
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3721
〈わたし〉〈ぼく〉〈おれ〉の
意味エネルギー
七変化しても変わんないなあ
3722
〈子ども〉〈青年〉〈大人〉
〈男〉〈女〉
競ってもねえ 人はおんなじ意味エネルギー
3723
〈普通の人〉〈政治家〉
〈天皇〉
競うもんじゃないよね 人はおんなじ意味エネルギー
3724
人類(ひと)が築いた意味城は
今はもう
フラットになり誰もが出入りする
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3725
意味の肩に別の意味の手が
触れる と
意味が増殖する 花・が・咲く
3726
意味もなくと言われてもね
微弱な
意味ベクトルがこっち向いてるよ
3727
小さい子が指差して
あおあおと
太古の人みたいに叫んでる
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3728
無意味の階段はなかろうが
意味もなく
縁起担いで階段上る 朝
3729
意味にはまっていく階段を
ゆっくりと
上ってゆく 朝が動き出す
3730
沈黙の中にいろいろ
詰め込んで
意味の電車に乗り込んでゆく
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3731
どこにでも意味網が
張り巡らされ
人は自然にアクセスしてる
3732
時代が張り巡らした
意味網は
野山にいても追いかけてくる
3733
ちょっとオフラインにするかと
ままならぬ
ただ無心の意味離れに意味は去る
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3734
ネコたちは意味なんて
知らないさ
今日もただじっと日差しを浴びてる
3735
ネコたちが鳴く鳴かない
に関わらず
人は何となく意味場に触れる
3736
それでもネコは意味を越え
人を振り切り
向こうの峠を下ってゆく
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3737
人は皆日々意味を食べ
意味を吐く
意味病に罹っている
3738
ビョーキとはほとんど誰も
思わない
からからと得意げに意味を説く
3739
しかすがに赤ちゃん見れば
バブバブと
我が身さえこそ動(ゆる)がるれ
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3740
頭上から意味を解析
されようと
ゲーム世界を疾走する
3741
熱っついオレの連打は
冷えた意味・・・
なのか?意味場から分かれゆく二人
3742
内と外、場が問題だ。
行動が
二色の意味に分岐していく
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3743
小さな意味のくつろぎに
上から
ドシンと乗っかる大意味は
3744
「い、痛てぇなあ、この野郎!」
「まあまあ
我ら意味族の同志よ!」
3745
「同じ意味は着てても
心は
異族、勝手に名簿に載せるなよ」
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3746
「これに触れてみて下さい
とりあえず
質問はナシね すぐにわかるから」
3747
(それって 意味の落とし穴
とちゃうか?
ずるずるずると意味にひかれて・・・)
3748
「風景が少し変わったでしょ
いい感じ
なってると思わない?」
3749
(次は何が来るのかな?
これって
意味の催眠商法では?)
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3750
幻の駅頭で意味連呼してる
者たちが
(イミレンコイミレンコ 濃ゆ!)
3751
くり返し耳にしてると
イミレンコン
イミレンコン意味転換す
3752
厚切りレンコンの穴
意味詰まり
意味臭の漂い出す
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3753
階下からネコが呼んでいる
うるさいな
と思いつつ振り向いて下る
3754
柔らかな意味の森へ入っていく
出入り自由なのに
なあんだ勝手口から出たいだけ?
3755
ネコもすねるみたいだから
ほんとうの
気持ちはどこにしまったのかな
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3756
湯気の立つ焼き芋のような
言葉のつもりでも
見知らぬ人の意味人格は煙っている
3757
匂い立つ意味人格も
相性の
合わない人には香りしない
3758
ちょっとした所でつまづく
他人の
意味階段の手触りの
3759
イミいみ意味、収束する
人の匂いと
現実と 稚内に迷い込む
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3760
話している他人の意味波
ドア開いて
ザンザンザザンと寄せて来るよ
3761
いい感じのあの子の意味波
春の温(ぬる)い
川水ぴちゃぴちゃと寄せて来る
3762
意味は張り巡らされた
クモの巣の
揺れる音階と批評家は言う
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3763
敷地に自足する意味の木々
大意味が
どしどしどしと揺さぶりをかける
3764
意味の木はインミインミョ
インミュヌ
揺さぶりに身をくねらせる
3765
大意味の大風にみな
しなるしなる
しなってなびく土蜘蛛の
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3766
「あれあれ、あれはどうなった?」
「あれかあ、
あれはなんとかかたついたよ」
3767
「きみはそこがだめなんだよ」
(そお言われても
そこがどこなのか底の方なのか?)
3768
「あれは、おもしろかったね」
「うん」
「あんなに迫って来るなんて」「うんうん」
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3769
言葉がしっくりくるとき
しずかに
意味の椅子に腰下ろす気配する
3770
呼び寄せるというよりも
ふうっと
言葉が意味携えて来ている
3771
なじみなのに意味訪ねて
行く行くと
見知らぬ生野の景色広がる
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3772
色褪せた大意味の先端で
小意味が
尖(とが)ってゆく尖ってゆく
3773
小意味は熱を帯びる
先端に
あかあかあかと超意味点(とも)る
3774
超意味は超えているから
いつものね
というわけには見えないきこえない
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3775
意味の海をこおろこおろと
かき回す と
意味んちゅがちゅるちゅる伸びてくる
3776
親だけを知ってる人が
訪ねてきた
そんな意味かく乱の昼下がり
3777
単一の匂いや味の
水ではない
対流・渦流の意味の海
3778
権力は発祥忘れ
晋菅晋菅(シンカンシンカン)
黒意味を白意味と言い張る
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3779
言葉はすばやく駆けていく
意味の海
自然に目指してゆくカーナビ
3780
意味の海漂っている
意味素の靄(もや)
ジンジンズズンと引き寄せる
3781
意味素たちがわたし色に
染まってゆく
おうおうおうイカすぜ私意味
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3782
訪れる店のよく食べる
メニューの
私言葉私意味がある
3783
避けたりすり抜けたり
無意識のよう
私言葉の意味の通路よ
3784
意味・無意味、ウソほんとう
の手前で
私言葉は私意味を主張する
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3785
意味と意味とぶつかる
小意味同士が
入り乱れて殴り合う
3786
大意味に手伸ばす意味スネ夫
とまどいの意味のび太
大意味に変身する意味ジャイアン
3787
意味ドラえもんに照射され
小意味たち
小社会を今日も旅する
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3788
超高速の時間旅
内省は
ゆっくり進み展(ひら)けてくる
3789
触大気、触対流
大気感
カンカンと意味の警報が鳴る
3790
ぼんやりと多層の大気感
肌触れつつ
意味の視線は走る走る
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3791
当たり外れのすぐわかる
意味テスト
じゃない誰にも吹く風の意味さ
3792
その意味をたずねて三千里
途次憩う
言葉の森は森閑(しんかん)と
3793
ひとりだけ。頼りになるのは
言葉の
目耳鼻と足しかないさ
3794
すり減った意味靴を見る
また明日も
歩いてゆくだろうな言葉の森
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3795
あーあーあーと意味板を踏んでゆく
赤ちゃんの
心地よいリズムに意味降り積もる
3796
意味不明すら頭になく
ただ親の
さそいの舟に乗り漕ぎ出してゆく
3797
あれはあーあー島それは
うーうー島
波に揺れ具合がたのしいな
3798
なんどもなんども
飽きることなく
舟繰り出すあーあーあ-うーうーう-
[短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続
3799
晴れた日の学芸会
決まってる
意味の平均台ゆらゆら進む
3800
決まってるコマーシャルの
道筋に
ふと小さな小石を置く演者
3801
すべてが計画通りの
舞台には
作者を超えた意味分散の光の粒々
3799
晴れた日の学芸会
決まってる
意味の平均台ゆらゆら進む
3800
決まってるコマーシャルの
道筋に
ふと小さな小石を置く演者
3801
すべてが計画通りの
舞台には
作者を超えた意味分散の光の粒々
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