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短歌味体Ⅲ 3702-3801(作品集)

2019年12月14日 | 作品集

★★
短歌味体Ⅲ 3702-3704 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月14日
短歌味体Ⅲ 3705-3707 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月15日
短歌味体Ⅲ 3708-3710 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月16日
短歌味体Ⅲ 3711-3714 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月17日
短歌味体Ⅲ 3715-3717 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月18日
短歌味体Ⅲ 3718-3720 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月19日
短歌味体Ⅲ 3721-3724 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月20日
短歌味体Ⅲ 3725-3727 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月21日
短歌味体Ⅲ 3728-3730 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月22日
短歌味体Ⅲ 3731-3733 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月23日
短歌味体Ⅲ 3734-3736 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月24日
短歌味体Ⅲ 3737-3739 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月25日
短歌味体Ⅲ 3740-3742 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月26日
短歌味体Ⅲ 3743-3745 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月27日
短歌味体Ⅲ 3746-3749 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月28日
短歌味体Ⅲ 3750-3752 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月29日
短歌味体Ⅲ 3753-3755 意味は置いといてシリーズ・続2019年11月30日
短歌味体Ⅲ 3756-3759 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月01日
短歌味体Ⅲ 3760-3762 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月02日
短歌味体Ⅲ 3763-3765 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月03日
短歌味体Ⅲ 3766-3768 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月04日
短歌味体Ⅲ 3769-3771 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月05日
短歌味体Ⅲ 3772-3774 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月06日
短歌味体Ⅲ 3775-3778 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月07日
短歌味体Ⅲ 3779-3781 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月08日
短歌味体Ⅲ 3782-3784 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月09日
短歌味体Ⅲ 3785-3787 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月10日
短歌味体Ⅲ 3788-3790 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月11日
短歌味体Ⅲ 3791-3794 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月12日
短歌味体Ⅲ 3795-3798 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月13日
短歌味体Ⅲ 3799-3801 意味は置いといてシリーズ・続2019年12月14日




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3702
透明な時代の中に
新しい
みどりの意味の芽を探してるんだけどなあ


3703
くたびれたこれそれあれの問題は
わかっているのに
温かなみどりの意味が見えてこない


3704
向こう岸がよく見えなくて
焦(じ)り焦りと
否定ばかりが狂い咲く 今は




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3705
例えばね、歌の歴史を
凍らせて
コアだけをそっと温め直していきたいな


3706
霞み立つ歌の道から
現れる
でもどこかなんか違うよねえ


3707
おんなじ道を歩いている
(あのこはいいな)
足取りと視線が違うさ




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3708
広い海を背にして
物書きは
組織は要らない 自己組織


3709
歌の始まりから数え切れない
言葉たちが
費やされ消えた その費やしよ


3710
歌はただこの舟に乗り
あの海へ
漕ぎ出してゆく 一人の祝宴だ




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3711
言葉の意味の重量は
大声でも
沈黙でもゴチックでもおんなじさ


3712
いくら強調しても
放たれる
意味は増量されない


3713
ひとりひとり放つ意味は
時間の
積み重なる固有圧に彩られる


2714
衣装を脱いでいけば
裸の
意味が恥ずかしげにうずくまる




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3715
意味だけでなくその感触が
ぱこーん
としっくりこないな しっくり


3716
正確には意味のおしりが
腰下ろす
椅子との相性が悪いな


3717
意味ならば抗っていても
この世界の
どこかにとりあえず着地する




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3718
さびれた意味の裏通り
古い演歌は
エモい国境の向こうを流れる


3719
重たい意味のシャッター通り
もう生き返らないね
テレビでは疾走するコマーシャル群


3720
おもいもよらぬ水かさに
ぷかぷかと
おもいおもいが意味拡散




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3721
〈わたし〉〈ぼく〉〈おれ〉の
意味エネルギー
七変化しても変わんないなあ


3722
〈子ども〉〈青年〉〈大人〉
〈男〉〈女〉
競ってもねえ 人はおんなじ意味エネルギー


3723
〈普通の人〉〈政治家〉
〈天皇〉
競うもんじゃないよね 人はおんなじ意味エネルギー


3724
人類(ひと)が築いた意味城は
今はもう
フラットになり誰もが出入りする




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3725
意味の肩に別の意味の手が
触れる と
意味が増殖する 花・が・咲く


3726
意味もなくと言われてもね
微弱な
意味ベクトルがこっち向いてるよ


3727
小さい子が指差して
あおあおと
太古の人みたいに叫んでる




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3728
無意味の階段はなかろうが
意味もなく
縁起担いで階段上る 朝


3729
意味にはまっていく階段を
ゆっくりと
上ってゆく 朝が動き出す


3730
沈黙の中にいろいろ
詰め込んで
意味の電車に乗り込んでゆく




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3731
どこにでも意味網が
張り巡らされ
人は自然にアクセスしてる


3732
時代が張り巡らした
意味網は
野山にいても追いかけてくる


3733
ちょっとオフラインにするかと
ままならぬ
ただ無心の意味離れに意味は去る




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3734
ネコたちは意味なんて
知らないさ
今日もただじっと日差しを浴びてる


3735
ネコたちが鳴く鳴かない
に関わらず
人は何となく意味場に触れる


3736
それでもネコは意味を越え
人を振り切り
向こうの峠を下ってゆく




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3737
人は皆日々意味を食べ
意味を吐く
意味病に罹っている


3738
ビョーキとはほとんど誰も
思わない
からからと得意げに意味を説く


3739
しかすがに赤ちゃん見れば
バブバブと
我が身さえこそ動(ゆる)がるれ




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3740
頭上から意味を解析
されようと
ゲーム世界を疾走する


3741
熱っついオレの連打は
冷えた意味・・・
なのか?意味場から分かれゆく二人


3742
内と外、場が問題だ。
行動が
二色の意味に分岐していく




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3743
小さな意味のくつろぎに
上から
ドシンと乗っかる大意味は


3744
「い、痛てぇなあ、この野郎!」
「まあまあ
我ら意味族の同志よ!」


3745
「同じ意味は着てても
心は
異族、勝手に名簿に載せるなよ」




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3746
「これに触れてみて下さい
とりあえず
質問はナシね すぐにわかるから」


3747
(それって 意味の落とし穴
とちゃうか?
ずるずるずると意味にひかれて・・・)


3748
「風景が少し変わったでしょ
いい感じ
なってると思わない?」


3749
(次は何が来るのかな?
これって
意味の催眠商法では?)




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3750
幻の駅頭で意味連呼してる
者たちが
(イミレンコイミレンコ 濃ゆ!)


3751
くり返し耳にしてると
イミレンコン
イミレンコン意味転換す


3752
厚切りレンコンの穴
意味詰まり
意味臭の漂い出す




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3753
階下からネコが呼んでいる
うるさいな
と思いつつ振り向いて下る


3754
柔らかな意味の森へ入っていく
出入り自由なのに
なあんだ勝手口から出たいだけ?


3755
ネコもすねるみたいだから
ほんとうの
気持ちはどこにしまったのかな




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3756
湯気の立つ焼き芋のような
言葉のつもりでも
見知らぬ人の意味人格は煙っている


3757
匂い立つ意味人格も
相性の
合わない人には香りしない


3758
ちょっとした所でつまづく
他人の
意味階段の手触りの


3759
イミいみ意味、収束する
人の匂いと
現実と 稚内に迷い込む




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3760
話している他人の意味波
ドア開いて
ザンザンザザンと寄せて来るよ


3761
いい感じのあの子の意味波
春の温(ぬる)い
川水ぴちゃぴちゃと寄せて来る


3762
意味は張り巡らされた
クモの巣の
揺れる音階と批評家は言う




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3763
敷地に自足する意味の木々
大意味が
どしどしどしと揺さぶりをかける


3764
意味の木はインミインミョ
インミュヌ
揺さぶりに身をくねらせる


3765
大意味の大風にみな
しなるしなる
しなってなびく土蜘蛛の




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3766
「あれあれ、あれはどうなった?」
「あれかあ、
あれはなんとかかたついたよ」


3767
「きみはそこがだめなんだよ」
(そお言われても
そこがどこなのか底の方なのか?)


3768
「あれは、おもしろかったね」
「うん」
「あんなに迫って来るなんて」「うんうん」




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3769
言葉がしっくりくるとき
しずかに
意味の椅子に腰下ろす気配する


3770
呼び寄せるというよりも
ふうっと
言葉が意味携えて来ている


3771
なじみなのに意味訪ねて
行く行くと
見知らぬ生野の景色広がる




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3772
色褪せた大意味の先端で
小意味が
尖(とが)ってゆく尖ってゆく


3773
小意味は熱を帯びる
先端に
あかあかあかと超意味点(とも)る


3774
超意味は超えているから
いつものね
というわけには見えないきこえない




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3775
意味の海をこおろこおろと
かき回す と
意味んちゅがちゅるちゅる伸びてくる


3776
親だけを知ってる人が
訪ねてきた
そんな意味かく乱の昼下がり


3777
単一の匂いや味の
水ではない
対流・渦流の意味の海


3778
権力は発祥忘れ
晋菅晋菅(シンカンシンカン)
黒意味を白意味と言い張る




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3779
言葉はすばやく駆けていく
意味の海
自然に目指してゆくカーナビ


3780
意味の海漂っている
意味素の靄(もや)
ジンジンズズンと引き寄せる


3781
意味素たちがわたし色に
染まってゆく
おうおうおうイカすぜ私意味




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3782
訪れる店のよく食べる
メニューの
私言葉私意味がある


3783
避けたりすり抜けたり
無意識のよう
私言葉の意味の通路よ


3784
意味・無意味、ウソほんとう
の手前で
私言葉は私意味を主張する




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3785
意味と意味とぶつかる
小意味同士が
入り乱れて殴り合う


3786
大意味に手伸ばす意味スネ夫
とまどいの意味のび太
大意味に変身する意味ジャイアン


3787
意味ドラえもんに照射され
小意味たち
小社会を今日も旅する




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3788
超高速の時間旅
内省は
ゆっくり進み展(ひら)けてくる


3789
触大気、触対流
大気感
カンカンと意味の警報が鳴る


3790
ぼんやりと多層の大気感
肌触れつつ
意味の視線は走る走る




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3791
当たり外れのすぐわかる
意味テスト
じゃない誰にも吹く風の意味さ


3792
その意味をたずねて三千里
途次憩う
言葉の森は森閑(しんかん)と


3793
ひとりだけ。頼りになるのは
言葉の
目耳鼻と足しかないさ


3794
すり減った意味靴を見る
また明日も
歩いてゆくだろうな言葉の森




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続



3795
あーあーあーと意味板を踏んでゆく
赤ちゃんの
心地よいリズムに意味降り積もる


3796
意味不明すら頭になく
ただ親の
さそいの舟に乗り漕ぎ出してゆく


3797
あれはあーあー島それは
うーうー島
波に揺れ具合がたのしいな


3798
なんどもなんども
飽きることなく
舟繰り出すあーあーあ-うーうーう-




 [短歌味体Ⅲ] 意味は置いといてシリーズ・続


3799
晴れた日の学芸会
決まってる
意味の平均台ゆらゆら進む


3800
決まってるコマーシャルの
道筋に
ふと小さな小石を置く演者


3801
すべてが計画通りの
舞台には
作者を超えた意味分散の光の粒々






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