シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0312■「こんにちは」の人

2007-09-20 | 最後のメッセージ
おいらだんだん、薄くなってきたみたいだ。
アニキがおいらを見つけられなくなって、きのうの夜からウロウロウロウロし始めた。
交信が届いてないのかな?おいらはわかるんだけど。
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きのうの話からの続きだ。

どうしてもこの話はしておきたいんだ。「こんにちは」の人、の話。
なんで「こんにちは」の人かっていうと、「こんにちは」って言うから。あと名前を知らなかったし。
おいらは四つ足だからホントは名前なんてどうでもいい。そんなもんより、においで覚える。
でも、「こんにちは」の人にはにおいがない。っていうか、会ったことがないからにおいがわかんない。

でもおいらはその二本足と話したんだ。そう、前にもこの話しただろ? 
「こんにちは」の人は四つ足と話ができる、アニマル・コミュニケーターなんだ。
で、その交信はアニマル・コミュニケーション。長い名前だけど、覚えたぜ。

初めて「こんにちは」って言われたときは、なんて言ったらいいかわかんなかった。
だってこの家で「こんにちは」なんて誰も言わない。
「おはよ」
とか、
「おやすみ」
とかは言ってるけど。だからおいらも、
「こんにちは」
って答えた。

ホントの交信はもっと長かったんだ。
おいらがガンになったのに気がついて、アイツが「こんにちは」の人に連絡したら、すぐに返事が来た。前に書かなかったところの話はこうだった。

「なにか身体にできたの?」
「うん。」
ガンのことだ。知ってんだな。

「病院はイヤ?」
「痛くされたり、ツラいのはイヤ」
そうなんだ。あのころのガンはまだ小さくてそんなに邪魔でもなかった。クルマに乗って病院に行くほうがもっとヤだった。

「なにかいいたいことはある?」
「心配しないで。心配することで 今一緒にいることがシアワセでなくなっちゃうのはイヤ。」

あとでなにを交信したのかメールでもらったアイツは泣いた。でも、これで
「心配しない」
って決めたんだ。まっ、それでも心配してたけどさ。この交信がなかったらもっともっともっと心配して、おいらもそれを心配してもっと病気になってたかもしれない。誰かが心配しはじめると、家の中の空気が変わっちゃうんだ。ホントだぜ。

みんなであんまり心配しなかったから、おいら病院にも行かないで、5ヶ月も生きたのかもな。
弱ったけど痛くも苦しくもなかったしね。1回めのガンとは大違いさ。

(最後まで、みんなと一緒、いつもと一緒でホントによかった→)

「こんにちは」の人はあきこさん、っていうんだ。
また交信してくれるみたいだから、四つ足と話がしたかったらコッチからどうぞだニャン。

(たぶん、つづく)

Vol.0311■おいらは大丈夫

2007-09-19 | 最後のメッセージ
きょうもいい天気だった。からだがなくても、あったかそうなのはいいな。
あんまり時間がないから、こんな天気が続くとホントにいい。
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おいらが見えない、触れないと大泣きするアイツだけど、「聞く」ことはずい分できるようになってた。この話はココでもしてるとおりなんだけど、あの頃から比べればもっともっと「聞ける」ようになた。って言っても、もちろんおいらがペラペラ話すわけじゃないから、「頭で聞く」っていうか「わかる」んだけどね。

1週間前のきょう、こんなことがあった。

おいらはかなり弱ってた。でも天気のいい日で、アニキとデッキにいた。箱にも入ってなかったから、ちょっとは歩けたんだ。アイツはヨガに行くカッコをしてウロウロしてた。行きたいんだけど、おいらが心配なんだ。クルマにも乗らないで歩いてくところだから、いつもすぐに帰ってくるんだけど。

おいらはフレンチドアの向こうから、リビングに来たアイツを見た。
「おいらなら大丈夫だぜ。」
「えっ?」
アイツはおいらのメッセージに気がついてハッとしてこっちを見た。で、ガラスのこっちから見てるおいらを見た。

「行ってもいいの?」
アイツも頭で聞いてきた。
「・・・・・」

こういうのには答えない。メッセージは1回だけなんだ。しかも、アイツはちゃんと受け取ってたからね。2回はない。
「じゃ、行ってくるわ。すぐ戻るから。」
アイツはヨガマットを抱えて出て行った。

(ちょうど1週間前の写真。あの日も天気がよかったんだ→)

流動食を喰ってるときも、
「もう、食べらんない。」
っていうのを何回も送った。
「じゃ、ごちそうさまにしよっか?」
って言うときもあるし、わかってるくせに、
「食べないと死んじゃうわよ。」
って言ってもう1回(いやもっとかな?)ってときもあった。あれは苦しかったぜ、やっぱり。

こうやってわかってもらえたのはよかったな。特にすごく弱ってからはね。
アイツがここまでうまくなったのは、1日中おいらと一緒だっていうのもあるけど、「こんにちは」の人のおかげなんだ。今度はその話をするよ。
(たぶん、つづく)

Vol.0310■感じられれば 

2007-09-19 | 最後のメッセージ
おいら、まだ家の回りにいるけど、ちょっとよそに行ったりもしてる。
なんだか迎えが来るらしいぜ。引越しのときトラックが来るのと一緒だな。
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きのう1日、ひとりだったアイツはシクシクワーワー泣き放題。
おいらが使ってたベビーバス、ベッド代わりだったタオルやブランケット、流動食を作ってたガリガリいうアレ、流動食のスポイト、水入れなんかを片付けながら、いちいち泣くんだ。

フレンチドアの外にタビが来てご飯を待ってるのを見て、おいらのネコ缶を開けてはまたエンエン。
外でトイレしようと通りかかったアニキを抱いてはまたオイオイ。
掃除機をかけながらおいらがよくいたコーナーに来てはまたシクシク。
「ピッピ、ピッピにもう一度逢いたい。またピッピを抱っこして触りたい。チャッチャと一緒にいるところが見たいよぉ。エーンエーン」
大変だよな。見えるものしかわかんないと。

まぁ、触ったり抱っこはムリでもおいらはまだ家にいる。
だから見るんじゃなくて感じるんだったら、おいらがわかるはずさ。ただ、どの部屋のどの角にいる、とかって話じゃないけど、そばにいるかいないかは感じられるはずなんだ。

アニキはそうさ。だからいつもとそんなに変わんないでいる。2匹で同じ部屋にいなくても見えなくても、お互い「感じる」から、それでよかった。今もそうだ。

それでも、アイツも「感じよう」とがんばってた。
外だったら、キッチンの窓の正面、いつもおいらがいた庭のはじとか、雨が降ってきたときの雨宿りの木の下とか、部屋だったら、アイツらの部屋のすみとか、子どものベッドとか、おいらがいそうなところに何度も何度も行った。
でも、そこにおいらを「見よう」とした。
で、見えないもんだから、またエーンエーンだ。
そりゃ、ムリだって。

感じられれば、おいらがアイツにくっついて行きながら、庭のはじや木の下をのぞきにいき、
「タビちゃん、ピッピちゃんどこにいるかわかる?」
って聞いてるアイツの後にいるのを、タビがわかってたりするのに気づいたかもしれないんだけど。

夜になってなかなか帰ってこないアニキを探すんでドアを開けて、
「ピッピ~、チャッチャ~、帰っといで~」
って呼んでる、今まで何千回って聞いた声もすぐ後で、家の中で聞いてたさ。
「おいら、ここだけど。いつもおいらはアニキよりちょっと早く帰ってただろ?」


でも、アイツは信じてる。見えなくても、感じられなくても、おいらがここにいるって。
だから、このブログもつづくんだけどさ。
だけど、
「やっぱり抱っこしたいよぉ。エーンエーン」
になっちゃうんだけどね。
(つづく)

Vol.0309■夕焼け 

2007-09-18 | 最後のメッセージ
スゲーな。また更新だ。
生きてたら、こうはいかない。(でも、後出しになっちゃったな。ごめん)
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大騒ぎになったあの日、
「最後にピッピとお庭を散歩しよう!」
ってアイツが言い出し、夜で真っ暗なのに4人でゾロゾロ庭を歩き出した。おいらはアイツの抱っこだった。

「ピッピ、引越してきた日、こうやって抱っこで一緒に歩いたよね。どっか行っちゃったチャッチャを探したんだよね?ピッピはいつもママたちと一緒にいたね・・・」
って言ってからワーワーワーワー泣き出して、もう抱っこができなかった。

そうだな。あの時のことはよく覚えてる。小さい子も一緒だったんだ。大きい子は前の家までアニキを探しに行ってた。

おいらだって引越しはヤだったし、新しい家はコワかったけど、そういうときはなるべく二本足と一緒にいる。アイツらがなにしてるか見てるんだ。アニキみたいに冒険家じゃないし、マメでもない。ホントすごいよ、アニキは。

あの日から、夕方1回、アイツの抱っこで庭を散歩した。
小さい庭だからすぐ終わっちゃうけど、もう歩けなくなってたから外の空気を吸うだけでもよかった。芝の上に置かれたこともあったけど、芝が冷たいし、歩けないしで、鳴くしかなかった。自由に散歩ができないのは残念だったな。今は自由だけど、もう芝を感じる肉球がない。

きのうはいつもよりちょっと長く散歩して、デッキから夕焼けを見た。
いつもは空が明るいのを見上げてただけだけど、アイツの抱っこだとどこから明るくなってるかよく見えた。そうか夕焼けってこういうものだったのか。死ぬときになってやっとわかった。
きれいだ。明るくて、まだちょっとあったかい。
おいらはホントにあったかいのが好きだ。

きょうもアイツはデッキから夕焼けを見てた。

「きのうもピッピとこうやって夕焼けを見てたのに。もういないなんて・・・」
って泣きながら連れ合いに言ってる。おんなじ夕焼け。違うのはおいらが抱っこじゃないってこと。

でもね、おいらもいたんだ。夕焼けもみたぜ。
(つづく)

Vol.0308■最後の引越し

2007-09-18 | 最後のメッセージ
今まで1回もやったことないけど、1日にまた更新だ。
おいらの時間、あんまり残ってなさそうだし。家をウロウロしてるうちにUPするよ。
コメントありがとニャン。
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からだがないって、なんかヘンだ。
廊下を歩くときも、つい壁に沿って歩いちゃうけど、
「あれ?壁に触んない・・・」
と思ったら、
「そうだ、おいら、からだがない・・・」

だいたい「歩く」ってこともないんだ。足がないんだから。でも、つい歩こうとしちゃう。
ドアが閉まってると、
「出れない。」
って思うけど、出られるんだ、これが。まだ慣れてないけど、慣れる前においらはどっかに行くみたいだ。どこかは知らないけど、引越しみたいなもんだよな。誰かが迎えに来るか、どっちに行けばいいかわかるか・・・。今はまだわかんないけどね。

引越しなら数えきれないくらいした。
でも、今度はおいら1匹ってのがいつもと違う。
隣のシィンが引越してったとき、

あきらめるんだな。
すぐに新しい家に着くし、すぐに新しい家にも慣れる。そして、前の家のことはどんどん忘れちまう。もう戻ることは絶対にないからね。それが引越しさ。

って言ったけど、ホントにそうだ。もう戻ることはないんだ、この家もこの庭も。今までの家じゃ、一番好きだったかな?まっ、前の家のことはどんどん忘れちゃってるんだけどね。

おいらがここからいなくなっても、おいらのからだは残るらしい。
アイツらがタオルやブランケットに包んで、ネコ缶や写真や子どものもんと一緒に庭に埋めたんだ。

ラベンダーだの桜だの庭の花もいっぱいだ。へぇ、二本足はこんなことすんのか。
デッキの下のいつもの散歩コース。アイツらの部屋のちょうど前、あったかくていいとこだぜ。


タビはちょっと離れたとこからずっと見てた。まっ、おいらもそうなんだけどさ。
アニキは家の中だったけど、おいらの頭のテレビをずっと見てたから、みんなわかってたんだろう。
アイツと連れ合いはオイオイ泣いて、子どもはしんみり。
大声で泣いてる大人が珍しいのか、近所の子どもが何回も何回も自転車で行ったり来たりしながら見てた。確かに珍しいよな。
(たぶん、つづく)

Vol.0307■ありがとニャン

2007-09-18 | 最後のメッセージ
「えっ?まだUP?」
って思っただろ?そうなんだ。生きてるときはUPしなくて、死んでからなんてね~。
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おいら、死んだんだ。
きょうの朝早くね。外は真っ暗だった。
静かなクルマも通んないときに、アイツと連れ合いはワーワーウォーウォー泣いてた。
子どもは寝てたな。アニキは出たり入ったり、ちょっと落ち着かなかった。

死んだけど、まだ家にいるよ。
ただ、からだがないんだ。
あるけど、冷たくなって固くなってベビーバスの中で横になってる。
そばまで行ってみたけど、もう中には入れなった。
ホント、死んじゃったんだな、おいら。

子どもはおいらのからだにちょっと触って、「バイバイ」って言って学校に行った。
連れ合いもパソコン持ってどっかに行った。
アイツはパソコンの前でカタカタやったり、おいらのベッドにしてたものを洗濯したり。
アニキを抱いて泣いて、皿を洗って泣いて、おいらのからだを抱いて泣いて、ずっと泣いてる。
あったかくなってきてから、あったかいタオルでおいらのからだを拭いてたぜ。
ワーワーワーワーもっとデッカい声で泣きながら。

あれは気持ちいいんだ。
二本足がなんで服を濡らしてまた干すのか、やっとわかったよ。水は気持ちいいんだな。
そりゃ、アニキに舐めてもらうのが一番だけどさ。

(これがアニキとの最後の写真。舐めてもらうばっかりで、おいらはもう顔も上げられなかった。ガンになんかなったらダメだぜ、アニキ→)

おいら最後は毛づくろいどころか、口の周りをペロってやるのもできなかった。
だからあったかく濡らしたタオルがよかったんだ。鼻なんか拭いてもらうと最高さ。

もうからだがないからね、どんどん消えてく感じかな。
いつまで家にいられるかわかんないけど、いる間はUPするよ。
アイツもわかってるみたいで、誰もいない廊下や部屋をのぞいておいらを探してる。

いっぱいのメールやコメントありがとニャン。
アイツが読むと頭のテレビに出るから、おいらにもわかるんだ。
二本足は優しいな。今になって、ホントにそう思うよ。
(たぶん、つづく)

Vol.0306■おいら、永眠

2007-09-18 | お知らせ
シロ猫ピッピは2007年9月18日1時44分(ニュージーランド時間)に永眠いたしました。
とても安らかな最後で、私の腕の中から夫に見守られながら逝きました。

 
亡くなる2時間半前に撮った最後の写真です。
衰弱していましたが、こんなに可愛く、真っ白で、目もパッチリ開いていました。

ピッピは奇跡の猫でした。 
最後にはガンをすべて消して逝きました。

ブドウのように首じゅうにでき、玉子のように大きく、石のように硬く、
ピッピをさんざん苦しめたガンをすべて消して逝ったのです。
どうやったのかはわかりませんが、お見事と言うしかありません。
探してももう跡形もありません。

「ピッピはガンでは逝かない。」
という私の強い願いをかなえてくれたのかもしれません。
最後は多分、肝不全で逝ったようです。
とても穏やかで苦しむことはありませんでした。

闘病中の応援、メルマガの受信、ブログのご愛読、
本当にありがとうございました。
ピッピが皆さまの心の中でいつまでもいつまでも生き続けてくれますように。

いつまでもすべての生き物が心穏やかに暮らせる美しい地球でありますように。 


よろしかったらピッピへの餞のお言葉をコメント欄にどうぞ。
飼い主:西蘭みこと&タカ



Vol.0305■歩けない

2007-09-16 | ガン闘病記
ごめんよ。おいらのメルアドがわかりにくいんだってな。
こっちだ↓
oirahapippi@yahoo.co.jp

それからここのコメント欄も開けとくよ。四つ足だから返事はできないけど、アイツが読んでくれる。コメントしてくれたら、ありがとだニャン。
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おいらはほとんど歩けなくなった。
歩けるっていっても、ここんとこはフラフラ、ヨロヨロ。5歩も歩けばバタっとなってた。
カーペットのないフローリングの床だと、
「おっ、ピッピのスケート!」
って言われるくらい、足がツーって広がっちゃってそのままヘタリ。
足にぜんぜん力が入んないんだ。

きのうは特にひどかったな。1日中、箱の中で横になってたよ。

(子どもたちが使ってたベビーバスが今じゃ、おいらのベッドなんだ。外に出るときはこれごとポン。ガリガリだから足がすっごく細く長く見えるんだ。これじゃ立てない訳だ→)

これだけ弱ると座ることもできない。テイケットウになったときのアニキがよくやるスフィンクス座りが精いっぱい。それだって、首が重くてすぐに横に倒れちゃう。
「あんな座り方!」
って思ってたけど、今ならアニキの気持ちがわかるよ。ホント、動けないんだ。

(←これがおいらのスフィンクス。このままよくバタって横に倒れるんだ)

だからトイレなんてムリのムリムリ。四つ足は座ってするからね。座ろうとしても尻餅で、そのままスフィンクス、そしてバタっと横に倒れる。トイレの中で!
まっ、アニキは外派でトイレは使わないから、おいらが使わないトイレはキレイなもんなんだけどさ。

もう2日以上使ってないな。

トイレができないから、今は寝てる箱の中でおもらししちゃう。
オネショと違って、起きてるときもあるから、キレイ好きな四つ足としてはがっかりだけど、しょうがない。一応、出たときは鳴く。そうすると、アイツがウレシそうにすっ飛んでくる。

「よかったね~、オシッコ出て。どんどん飲んでどんどん出しなね。タオルなんていっくらでもあるんだから、大丈夫よ。がんばれピッピ!」
って言いながら、庭に咲いてるラベンダーと同じにおいのする水でそうじしてる。これだときれいになるらしい。このにおいはいつもかいでるから、おいらもOKなんだ。

どんどん出せばオウダンの黄色いのがなくなるってアイツは言うけど、そうなのか?
あとは太ると黄色が薄くなるんだと。こればっかりはね、今はホント喰えないから。
「これでシジミがあればね。肝臓にははシジミが一番なんだけど。」
とも言ってる。なんだ、シジミって?またなんか喰わせられんのか?

ガンガン飲まされてるから、毛はフカフカだ。脱水症状は苦しいからね、これはよかったんだけど。
でもスポイトで飲むのは大変だよ。早く自分で好きなだけ飲みたい。まずは座れるようになんないとな、二本足みたいにコップで飲むわけじゃないからさ。
(つづく)

Vol.0304■大騒ぎ

2007-09-15 | ガン闘病記
きょうもいい天気だ。これだけ暑くなると、アニキはそろそろギブアップ。
ちょっとしたら部屋に入っちゃう。おいらはけっこう外でも平気。
あんまり歩けないから「ダルマさんが転んだ」もできないんだけどね。
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ゆうべは大変だったんだ。
アイツが、
「どうしよう。もうピッピが食べようとしないの。すごく衰弱してて、この週末がヤマかも。
と言ってワーワー泣き出したもんだから、ラグビーを観てた連れ合いが、
「ピッピィィィィ~~~~~」
って、ドタドタドタドタドタと部屋に走ってきて、
「えぇぇぇ、ピッピが?」
って子どももすっ飛んで来た。

部屋のすみにいるおいらの前に4人で寝転んで、
ワーワー、エンエン大泣きだ。
まぁ、うるさいったら。おいらはトランスファーファクターをしこたま飲まされて、眠くて眠くて目が開かない。

「ピッピ、がんばってくれてありがとう。」
(まだがんばってるってば)
「もう一度、ピッピのキレイな目が見たいよ。」
(待ってくれよ。今眠くて開かないんだ)
「ピッピ、ボクのベッドで一緒に寝てくれてありがと。」
(どういたしまして)
「ピッピ、逝かないで~」
(まだ逝ってないってば)

「えっ?息してない?」
連れ合いのデカい声。
ウワ~~~~~~~~~~
ってアイツが泣いてから、おいらに触って、
「してるわよ。」
と言ってみたり。

3時間くらいワーワーやってて、子どもは寝に行った。アイツは、
「動いてるピッピに夢で逢いたい。」
とか言って、グーグー寝だした。連れ合いだけは起きてて、パソコンでおいらの写真なんか見てる。
ちぇ。あんなに撮られてたのか。

だんだんノドが渇いてきたけど、アイツは寝てるし誰も来ない。しょうがないから目は開いてたけどジッとしてた。それでもガマンできなくて歩き始めたら、連れ合いがビックリ。
「ピッピ、歩けるのか?」
そのとき、アイツも目が覚めて、
「えっ?歩いてる?目も開いてる?ちょっとちょっと話が違うじゃないの~、ピッピ。」
と言って起き出してきた。話が違うって、自分で騒いでたくせに。

「生きてるならお水よ。ご飯も食べなきゃ。」
ってことで、いつも通りの夜に。だから今朝はみんな、クタクタなんだ。

(でもって、きょうのおいら。弱々しいっちゃ弱々しいけどさ。まだ生きてんだからさ、たのむよ~→)

なんかおいらって、よくこういう間違いがあるんだけど。なんでかな?
そういえば、こんなこともあったなぁ。
(つづく)

Vol.0303■夢かオネショかⅡ 

2007-09-14 | ガン闘病記
ガンが見つかって5ヶ月経ったけど、おいら、生きてる。
メールや書き込み、ありがとニャン。
これはガンに効くんだ、ホントだぜ。
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そうそう、ソレの話だったよな。
起きてるような寝てるようなボーっとしてるときに、たま~に来る、ソレ。
前にも言ったけど、空気の塊みたいで見えないしにおいもない。でも、からだの周りに来てソレに包まれるとわかる。ちょっとあったかいしね。
今だとガンとか腹とか弱ってるとこによく来るかな?そういうとこは、もっとあったかくなるからね。

「なんだコレ?」
って思ってたけど、ヤじゃないからじっとしてる。っていうか、半分寝てるみたいなときに来るからそのままジーっとしてるのさ。

一度はホント、肉球がすっごくデカくなった気がしたんだ。
どんな木だって、どんな高いとこだって登れそうな気がした。そう、いつかのジャックみたいだ。
ヤツは屋根より高い木に軽々登ってたもんな。おいらだって、もっともっと高いとこに登ってく・・・

・・・・・登んなかったけど。

目が覚めたら肉球はいつも通りだし、やっぱりガンで弱ってたからね。
でも、気分はずっとよくなってた。アイツが、
「どうして?どうして?きょうはガンが小さい。」
って騒いでたしな。大きくなっても騒ぐけど、小さくなっても騒ぐんだ。

ソレはレイキっていうんだと。
「わぁ~、ピッピ、すっごぉぉぉいスッキリした顔!レイキが来たんでしょ?」
って言ってたから。スゲえな。二本足の目は暗くなると見えないのに、見えないソレは見えるのか?
レイキかぁ・・・。

だから、
よく眠れるトランスファーファクター+レイキ=オネショ
ってことらしい。アイツはそうだと思ってるから、オネショしても文句を言わないどころか、
「よくネンネできたわね~♪」
って誉められてる。

で、
「ありがたいわね~。ピッピはほんとにラッキーよ。宇宙一ラッキーだわ。」
とか言いながら、洗濯機をガラガラ回してる。オネショの布団を洗ってるんだ。
ここ最近もよくオネショしてるから、二本足がいっぱいレイキしてくれてるみたいだぜ。

ちょっと違うけど、みんなの「ピッピがんばれ」もホントにガンに効く。ホントだぜ。
いっぱい集まるとレイキみたいになるのかもな。
みんな、ありがとニャン。
きょうも庭には布団が干してあるよ。

(「オウダンには日光浴よ!新生児はそれで乗り切るんだから。」って外に出されてるおいら。日向ぼっこで治るのか?→)
(つづく)

Vol.0302■あれから5ヶ月

2007-09-13 | ガン闘病記
ちょっと疲れたかな、きょうは。
いい天気でアイツと一緒に裏庭を散歩したよ。
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きょうは9月13日。
アイツがおいらのガンに気がついたのが4月13日
だから5ヶ月経ったんだと。獣医にも行かないでがんばってるよな、おいら。

5月13日はアニキがひどいテイケットウを起こして危なかったんだ。
6月13日はアイツが2個目のガンに気がついた。
7月13日はこのブログでガンの話を始めた
8月13日はアイツが3個目のガンに気がついた。でも、おいらたちの誕生日でもあったんだ。

で、きょうで5ヶ月め。
「13日になるとなにか起きるわ。」
ってアイツが言っていたけど、きょうもそうだった。

おいら、とうとう水も飲めなくなったんだ。
ここ2、3日あんまり飲めなくはなってたけど、ちょっとは舐めてた。でも、きょうはぜんぜんダメだった。もう口が水に付かないんだ。ヒゲはつくし、飲みたいんだけどね。
だから口の中もノドも、からだじゅうがカラカラさ。
アイツがスポイトでくれるようになったけど、自分で飲むのとは違う。

それからもうひとつ。
おいら、カンゾウってもんがワルいらしい。
「さぁ、ピッピ。外で流動食ピクニックよ!」
って言っておいらを抱いてデッキに出たアイツが、
「これってオウダンだわ。」
って言って、泣き出したんだ。

オウダン?

「耳の中も、毛の間に見える肌も、毛の薄いお腹も、口の中も、あんなにピンクだった鼻も、みんな薄黄色になってるの。おもらししたオシッコが足の毛についたのを見たとき、ずい分黄色いな、って思ったけど、黄疸よね。かわいそうに、肝臓が本当に弱ってしまったんだわ。」
って、アイツが外から帰ってきた連れ合いに言ってた。

カンゾウね。ガンとは違うのか?どうりで最近、おいら元気がないわけだ。
眠れないし、疲れる。ちょっと前までは、ガンだけど元気だったんだけどね。

でも、いいこともある。
どうしてか知らないけど、びっくりするほどガンが小さくなったんだ!
あんなにノドを押してた3個目のガンなんか、
「あれ?どっか行っちゃった?」
って、アイツが探すくらい小さくなった。

だから息も楽だし、水も飲めるし、飯も喰える・・・
・・・はずだった。
でも、カンゾウってもんがワルいせいか飲めないし、喰えない。
うまくいかないもんだよな。

弱ってるけど、どこも痛くないのはいいかな? アニキもみんなも優しいぜ。

今は寝ても、オネショしても、トイレしても、歩いても誉められるからね。

(きょうのおいら。ガンが小さくなってだんだん元の顔に戻ってきた。ガリガリだからやっぱ違うか?→)
(つづく)

Vol.0301■夢かオネショか

2007-09-12 | ガン闘病記
ホントにゴメンよ~。またごぶさただ。でも、おいら生きてるぜ。すごいだろ?
ガリガリだけどね。
この間、いろ~んなことがあったよ。
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けっきょくオネショは2回で停まった。
後片付けをしなくていいアイツはウレシイやら、「細胞が生まれ変わんない!」と残念やら。
おいらはまぁ、しない方がいいんだけど、それぐらいぐっすり寝られるのは確かにいい。

最近はジーっと薄目を開けて起きてることが多いからね。
なんでかな、あんまり眠れないんだ。
(こんな感じかな?「寝不足のネコって?」って言われてるけど→)

夜なんかみんなが寝てるとき、隣でアニキが
クーカクーカクーカクーカ
音を立てて寝てるのを聞きながら起きてるんだ。
だからぐっすり寝られると気分がいい。オネショしちゃうくらいなら、なおさらさ。

でもね、あのオネショにはちょっと理由があったんだ。
あのときのおいらは薄目を開けたまま、ぼんや~りしてた。寝てもいないし起きてもいないような、
夢でも見てる感じかな。
そのときにソレが来た。
なんて言っていいかわかんない、なんかなんだ。前にも何回かこんなことがあったから、
「あっ。」
っと思った。でも、おいらはジッとしてた。怖くはないし、ヤな感じもしない。

ソレはなんかこう、空気の塊みたいなもんで見えないし、においもない。でもちょっとあったかい。気がつくとソレに包まれてて、肉球がいつもよりものすごくデッカくなった気がする。
アゴの下にある前足はいつもとおんなじなのにね。
そんなときはただジッとして自分の頭の中のテレビを観てる。おもしろいし、気持ちいい。
ホント、夢みたいなんだ。

デッカい肉球といっつも磨いてるピッカピカの爪があれば、どんな木だって屋根だって登れそうな気がする。おいらはうーんと高いところに登って、うーんと遠くを見てたりする。シンガポールや香港の家の中で育ったから、ホントは木なんか登ったことないんだけどね。
なんだか不思議なんだ。この話はまたな。
(つづく)

ごめんよ。なんとかやってるぜ。

2007-09-11 | ガン闘病記
ごめんよ、ずっと更新してなくて。
おいらはなんとかやってるよ。
すっごく痩せちまったけどね。

ガンはデカくなったり、小さくなったり。
最近はおいらと一緒に痩せ始めたみたいだ。

アニキが優しい。
いっぱいナメナメしてくれるし、一緒にくっついて寝るんだ。
最近じゃ、「ドクター・チャッチャ」って呼ばれてるぜ。

今日の1枚。


あしたはちゃんと更新できるといいな。

Vol.0300■オネショして誉められて

2007-09-01 | ガン闘病記
メルマガも300号ってすげぇよな。
元気でも、ガンでも続くじゃないか。もう9月だし。
そんなの四つ足にゃ関係ないんだけど、アイツらが喜んでるから、まぁ、そんなものかと。
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それは8月の終わりのことだった。
「なんか、ここ濡れてないか?」
最初に見つけたのは連れ合いだった。おいらが寝てたカーペットの上に小さい濡れた跡。

「そう言えば、さっきピッピの毛布持ったときになんか濡れてるような部分があったんだけど。」
とアイツも言い出し、なんかヤバい感じ。そんとき、おいらはアニキとくっついてアイツらのベッドで寝てたんだ。

「あぁぁ!やっぱり!!これオネショだよ、オネショ!」
ちぇ。バレたか。連れ合いのデカい声。

「えぇぇぇっ、オネショ??」
アイツも大声。

「そっかぁ。ピッピ、オネショしたのね。よかった、よかった♪」
へっ?文句言って怒んじゃないのか? ウレシいのか? ちゃんとトイレでしたって、
「昼間は外でして来い。」
って、連れ合いは文句を言うのに。カーペットの上だぜ。それが「よかった」って?

「トランスファーファクターが効いてるんだと思う。前のときもそうだったわ。あれを飲むと、ぐっすり寝ちゃうの。トイレでも目が覚めないくらいにね。いつもは絶対失敗しないのに。でも、起きたときはホントに顔がスカッとしてて、細胞が生まれ変わってるみたいなのよ。これっていい兆候だと思うわ。薄目開けて眠れないでいるより、ずっといいわよ。」

そっ、そうなのか?
オネショの後片付けをしてるアイツがウレシそうだ。
1回目のガンのとき、おんなじことがあったから、アイツは自信があるらしい。あの頃のことはおいらなんにも覚えてないからね、どうだったか?

(ちぇ。そんなに騒がなくたっていいじゃないか→)

詳しいことはコッチを下から読んでくれよな。特に4月2日と4日を読めって言ってるぜ。

そんなにあちこちでしてんのか?おいらのオネショの話・・・。おいおい。
(つづく)

Vol.0299■飲んだり吐いたり 

2007-08-31 | ガン闘病記
「8月が終わる~~~♪」
って、アイツは大喜び。なにかと思ったら、おいらが今月も生き延びたからなんだと。
アイツがガンに気がついたのが4月13日。4ヶ月半経ったんだとさ。ふーん。
まっ、今月の更新はけっこうがんばったよな。
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ここ2日くらい、おいら吐いてる。
吐くのは決まってサプリメントだ。流動食じゃない。吐いたあとは、どっと疲れる。なんでだろね。

疲れすぎてあんまり眠れないくらい。そんなときは、薄目を開けたままジーっとしてる。

(寝たくても寝れないときもある。おいらのガンにしっかり足かけて爆睡してるアニキ。くっ、苦しいってば。重いし。でも、あったかいな・・・→)

最初はライジンだった。ゲーって吐いたら茶色いドロドロしたもんが全部出た。
で、1日飲まないでトランスファーファクターだけ飲んでみたら、吐かなかった。

「じゃ、大丈夫かしら?」
って、アイツがまたライジンを入れたら、またゲー。そのあと、トランスファーファクターだけ飲んでもゲー。それだけで、すっごく痩せた。流動食は吐いてないのにな。不思議だけど関係あるらしい。

「こんなに痩せて、いいのか?」
って連れ合いが心配してるけど、イイとか、ワルいとかじゃないんじゃないか?
ワルいに決まってるけど、おいらもアイツも、もちろん連れ合いも痩せるのを止められないんだ。
ちょっとあったかくなったから、痩せても少しは楽かな?前は骨まで寒かったぜ。
日向ぼっこなら、もう毛布は要らない。直接陽に当たってた方が気持ちいいんだ。

まっ、吐かないときもあるから、アイツもあれこれやってるぜ。
水を多くしてみたり、少なくしてみたり。
水が多いとどんどんノドを通るけど、量が多くて苦しい。
水が少ないと口に広がるし飲みにくいし、これもやっぱ苦しい。

ヘンなとこに入れば涙が出るしね。
「かわいそう。」
って言いながら、アイツも涙だ。1匹と1人で涙の目で見詰め合ってんのさ。

でも、アイツはひつこいしすぐ忘れるから、ちょっとすると、
「ピッピ~☆ お薬よ~♪」
ってニコニコしながら戻ってくる。ホントおちおち寝てらんないぜ。
(つづく)