土の音(食育のグリーンノート&土の音工房)

「食と健康セミナー」(食養料理教室や講演会)の開催中。
「土の音工房」で、オカリナ製作販売・演奏・教室(初心者~)を主宰

5月23日 亀の日・ラブレターの日…ナナオサカキ!

2015-05-24 | 日々教訓
5月23日 亀の日・ラブレターの日…ナナオ サカキ (2015)

懇意の吟遊詩人 故 ナナオ サカキ さんから「亀の島」の話を折々に聞いていた。タスマニアやイタリアの火山や国内の辺境を経て金沢のグリーンノートに滞在する度、友人達と囲炉裏を囲み、ランプの下でナナオ(以下親愛を込めナナオと書く)のポエトリーリーディングを行った。

「亀の日」と知って、詩と説話集「亀の島(Turtle Island)」、星と心の宇宙詩「ラブレター」が脳裏をよぎる♪
亀のようにゆっくりじっくり私達の惑星を歩き産まれた詩だ。

ラブ レター(ナナオ サカキ)

  半径 1mの円があれば
  人は 座り 祈り 歌うよ

  半径 10mの小屋があれば
  雨のどか 夢まどか

  半径 100mの平地があれば
  人は 稲を植え 山羊を飼うよ

  半径 1kmの谷があれば
  薪と 水と 山菜と 紅天狗茸

  半径 10kmの森があれば
  狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ

  半径 100km
  みすず刈る 信濃の国に 人住むとかや

  半径 1000km
  夏には歩く サンゴの海
  冬は 流氷のオホーツク

  半径 1万km
  地球のどこかを 歩いているよ

  半径 10万km
  流星の海を 歩いているよ

  半径 100万km
  菜の花や 月は東に 日は西に

  半径 100億km
  太陽系マンダラを 昨日のように通りすぎ

  半径 1万光年
  銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり

  半径 100万光年
  アンドロメダ星雲は 桜吹雪に溶けてゆく

  半径 100億光年
  時間と 空間と すべての思い 燃えつきるところ

       そこで また

       人は 座り 祈り 歌うよ

       人は 座り 祈り 歌うよ

                     1976 春

        (ナナオ サカキ詩集『犬も歩けば』野草社)

●ナナオサカキ ポエトリーリーディング記事:http://www14.plala.or.jp/greennote/2006claytone.htm

★“ラブレター”朗読 YouTube:https://youtu.be/zjnB5f9-lNE

●この惑星(ほし)・世紀を越える旅人“ななお さかき” 記事:http://konohoshi.jp/special/nanao/interview01.html

ナナオ サカキ(ななお さかき・榊 七夫)とは、1992年12月23日(水・祝) 高岡市の雑草庵で開かれた 詩の朗読会で出会った。
会の後に懇談し、帆掛け船で太平洋に出たときの赤道無風帯で見た平均水深4.000mの海面を滑る体長6ミリほどの アメンボウ に感動した話にはことさら興味を持たれた。

たちまち気脈が通じ、翌年(1993)元旦の早朝 能登の七尾湾を共に「ほうき星」(自作7m帆走ヨット)で走り、初日の出を拝しつつ船上で 70才のバースデーを祝った。

以来 石川県に来ると先ず グリーンノート に滞在した。
ナナオの横で何度も聞いた彼の朗読の太く胸に響くいのちの声は今も腹の底に響きわたる。まさに「声の詩人」とも云える♪

ナナオが世界各地を歩いた足跡は様々に残っているだろう。それと別に「土の音工房」の土には、ナナオが実際に足跡をつけてくれ、随一の足跡の陶板として保存。大きなリュックを背負って軽々と歩くナナオの足音が聴こえるようだ♪

ことほどさように、ナナオの「声の詩」は、今も脳裏を古来する。

◆詩と説話集「亀の島(Turtle Island)」対訳(ゲーリー・スナイダー著、ナナオ サカキ訳 山口書店)

…「亀の島」とは北米大陸のことであり、多くのインディアン部族はこの大陸を亀の背に乗っている島だと考えていた。この「亀の島」に関する神話・伝説は数多く存在しているが、本書のゲーリー・スナイダーはこのインディアン並びに禅に共通して横たわっている視点を取り戻すことこそ未来を創造できるかどうかの試金石だと語る。

日本で禅の修業をし、環境問題と先住民問題に密接に関わってきた著者が世に問うた本書には、詩と説話が収められているが、その中の多くは実に美しい響きを奏でており、インディアンなど先住民に共通する魂が著者にも宿っていると感じられてならない。1975年 ピューリッツア賞(詩部門)受賞作品。

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