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DIY(Do it yourself) セルフメーキングで 黒にんにく!

2015-06-28 | 食と健康
DIY(Do it yourself) セルフメーキングで 黒にんにく!

吸血鬼ドラキュラ(バンパイア)も退散の「にんにく」が自己酵素発酵すると「黒にんにく」‥(゜〇゜;)

強烈な臭いから魔除けと聞いて納得する人もいますが、「にんにく」が「米国・デザイナーフーズ・プログラム」(米国におけるガン予防効果のある食品)トップだからと言って、主食になりえませんし、美味しく食べれるわけでもありません。

そこで注目を浴びた「黒にんにく」は意外に甘くフルーティーで美味しい反面 高値で、時間のかかる醸造作業に誰もがトライするわけでもありません(写真は、仕込んで三日目)。

長時間の熟成で出来た「黒にんにく」は、抗酸化作用や抗がん作用などがある「S-アリルシステイン」やポリフェノール等が増加した優れた食品であることがわかっています。

グリーンノートでもメーカー製品を誰にでも勧めるわけにもいかず、一定の品質でなくとも「My黒にんにく」を食べたい方に、Self-makinng methodを お伝えしています。

微生物を使わず自身の持つ酵素による「自己発酵」のため手間と時間はかかります。通常 ~三週間~程度でそれなりのモノが仕上がる代わり、大変な異臭を覚悟しなければなりません(笑)。
この異臭と手間が、もしも現代経済社会の吸血鬼や悪霊?を祓ってくれるなら試す価値があるかもしれませんね。

筆者は、入手して25年を超える電気圧力鍋(かつてのナショナル・・パナソニックが後継機を生産)の中にカムカム鍋(陶器製の内鍋・・元祖はオーサワジャパン)を入れ、間に水を張って保温し、発酵させています。保温機能は長時間連続して使う設計ではないにも拘わらずタフな圧力炊飯器だと思います。他の国産メーカーが全てと云えるほど「IH(電磁調理器)」になっている中で珍しい製品です。
なお各自でトライする場合はそれぞれのアイデアと判断で行うことになります。

〈解説〉
 1977年、心臓病だけでもアメリカの経済はパンクしかねないと言われる程医療費が増大していた時に発表された「米国の食事目標」(正式名称" Dietary Goals for the United States")、いわゆる「マクガバン・レポート」は、世界的規模の調査・研究が7年間の歳月と数千万ドルの国費を投入して行なわれたもので、5000ページに及ぶ膨大な報告書です。

それを受けて 1980年、「アメリカ人のための食生活指針」(Dietary guidelines for Americans)が発表されました。

さらに 1990年、アメリカ国立がん研究所を中心にスタートした「デザイナーフーズ・プログラム」が、がん予防に役立つ機能性成分の構造を明らかにしたり、その作用の仕組みを突き止めようと進められました。

 写真右上の図の頂点に「にんにく」が位置しています。
注意しなければならないのは、日常の食事や食品バランスと異なることです。しかし、「玄米」などの未精白穀物がそのベースにちゃっかり位置づけられているのです。

写真下部には、日本綜合医学会が推奨する「日本人のための食生活指針」が示されています。
「食事道」「食養」の理論と理念が分かっていれば、日本人の・・としながら、牛乳等を奨めるグループが提示する巷のポスターやメーカーの広告に惑わされることはありません。

 さて「黒にんにく」は、にんにくの長時間の熟成で、抗酸化作用や抗がん作用などがある「S-アリルシステイン」やポリフェノールなども増加していることがわかり、美容と健康・病気予防に大変優れたものとして広まりました。

★ニンニク(生薬名: 大蒜・たいさん)・・・ヒガンバナ科(Amaryllidaceae) 、ネギ属(Allium)、 ニンニク(A. sativum)

生(ナマ)ニンニクやノビル(野蒜)など、根茎を食用とする臭いの強い植物は蒜(ひる)と呼ばれ、硫化アリルという玉ねぎやネギ特有の匂いや辛味、涙を出させる刺激性の芳香成分アリル化合物が含まれ、食欲増進作用があり、新陳代謝を促し、動脈硬化予防を。またその類似化合物のアリシンは無臭のスコルジニンと共にビタミンB1の吸収を高め、疲労回復、強壮、脂肪燃焼促進などと作用します。
[注意]漢方の「神農本草経」では、ニンニク(大蒜)は、長期服用ができる上薬ですが、食物は食べすぎや、誤った食べ方からニンニクに限らず弊害もあります。生(ナマ)ニンニクの過食から赤血球に溶血作用が起こり貧血のもとになるとも云われます。ネコやイヌ、ウサギなどの動物は個体差にもよりますが、ごくわずかな量でもでも中毒を起こすこともあるようです。

★詳しくは→「発酵黒にんにくとは」: http://www.meneki-plus.jp/kuro-ninniku_towa.html
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《余談》・・猛毒のトリカブトも処方次第で漢方に!

●ニンニクは ヒガンバナ科
 ヒガンバナと聞いて「あっ」と思う人もいるでしょう。ヒガンバナ(彼岸花)は曼珠沙華(マンジュシャゲ)等と呼ばれますが、その球根にはリコリンという有毒成分があり、有毒性や異臭を利用して、モグラやネズミなどから田んぼのあぜ道を守ったり、墓場にヒガンバナが多いのも、遺体を動物から守るためとの話もあります。
またヒガンバナの地下茎(球根、正確には鱗茎:りんけい)にはデンプンが含まれ、すりつぶし、充分に水でさらすと食用となり、昔は飢饉(ききん)に備えて田んぼのあぜ道に植えたとも。

●ふぐの卵巣の糠漬け製造工程と毒量の変化
 水揚げされたふぐの卵巣には個体差はあるにせよ、5,000~10,000MU/gのテトロドトキシン(神経毒)が含まれ、それが1年間の塩漬け後には30~50MU/gまで下がる(1MU/g:1g中に体重20gのマウス1匹を死亡させる毒性を持つことを表す)。

塩漬け期間に卵巣から水分が抜けて行く時に大部分のテトロドトキシンが一緒に抜けていったと推測され、その後卵巣は1年半から2年以上糠漬けにされ、毒性検査を経て出荷されます。(石川県の基準では10MU/g以下なら食用許可)

なぜ、テトロドトキシンの毒量が減少するのか科学的な確証は得られていません。想像されるのは微生物による「発酵」によって、糠漬け中に残っているテトロドトキシンが分解され、毒量が減少する可能性です。臨床的・伝統的製法で今も稀有な食品が作られています。

★フグの卵巣糠漬け: http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/dokunuki/globefish/detoxication/

●「D.I.Y.」は、「自分でできることは自分でやろう」という理念のもとに行う諸活動。
歴史的には、第二次世界大戦でドイツ軍の激しい空襲を受けたロンドンで、戦後に、破壊された街を自分達の手で復興させる国民運動が1945年にイギリスで始まり、スローガンとして「D.I.Y.」=「Do it yourself」がうまれ、「復興」から、健康的に週末を過ごす趣味へと意識的変遷がありました。

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