第2章『太く長く生きるための食べ方』の「あなたはあなたが何を食べているかで決まる」を要約します。
健康体で生きられるのも、病気になって大変な思いをするのも、日々の食事や生活習慣の結果の積み重ねの結果である。これは、英語でいうと、"You are what you eat."=「あなたはあなたが何を食べているかで決まる」である。これはアメリカの格言。結果には原因がある。
日本でも、1996年から厚労省は、がん、心臓病、肝臓病、糖尿病、脳血管疾患、高血圧症、高脂血症など、今まで成人病といっていたものを、「生活習慣病」と改名すると決めた。すなわち、これらの病気が「年齢」に関係なく、「生活習慣」に由来することが明らかになったからである。
今、私たちの周りには多種多様な食物があふれていて、その数多くの食物の中から、日々何を食べるかでその人の健康状態が決まる。ところが、西洋医学は病気を治すことで、因果関係を知るためにその人の食歴について尋ねることはほとんどないし、ましてや食と生活習慣のかかわりについての指導もない。現在、潰瘍性大腸炎、クローン病、膠原病、白血病などが世の中で、原因不明の難病(指定難病)といわれているのはそのためだと思う。食歴と病気の関係がもっと研究されるようになれば、原因不明の病気はずっと少なくなるはずである。
どんな人でも、若いときからタバコを吸って、毎日酒を飲み、食事は肉中心で野菜や果物をほとんど食べない、そして、牛乳やヨーグルト、バターなどの乳製品を食べていたら、だいたい60歳ぐらいには間違いなく生活習慣病になる。
例えば、遺伝的に動脈血管の弱い人は、高血圧や動脈硬化、心臓病
膵臓の弱い人は、糖尿病に、
女性~子宮筋腫や卵巣嚢腫、乳腺炎からこれらのがんに進行
男性~前立腺肥大症や前立腺がん
その他、肺がん、大腸ポリープ、変形性関節炎を発症
どのような病気になるかは、その人の遺伝的要因や環境によって異なること。
がん患者の食歴を調べてみるとー
動物食(肉や魚、卵や牛乳など動物性の食)をたくさんとっていることがわかった。しかも早い年齢で発病する人ほど、早くから動物食(特に、肉、乳製品)が多く、それも頻繫にとっている。乳がん、大腸がん、前立腺がん、肺がんなど、発病したがんの種類は様々だが、この傾向だけは同じである。そして、どんながんを発病した人も、例外なく腸相が悪かった。そのため、体のどこかにがんができた人は、大腸ポリープや大腸がんができている可能性が高いので、内視鏡検査を受けるように進めている。その結果は予想通り、乳がん、前立腺がんを発病した人の異常が発見される確率は、とても高いという臨床結果が出ているとのこと。
食事が原因で起きる病気は、それを食べたからといってすぐ発病するものではないが、これまでの食生活が確実に蓄積されている。"継続は力なり”。よい方にも悪い方にも大きな力なる。