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橋下流、民意は乗らず 都構想実現へ、痛い低投票率

2014年03月24日 | 橋下

 日本維新の会橋下徹共同代表が切った出直し大阪市長選のカードは不発に終わった。異例の低投票率は選挙での圧倒的な支持を力にする橋下氏の手法を根底から揺るがし、大阪都構想実現には黄信号がともる。主要政党の「不戦敗」も投票所から足を遠のかせ、勝者なき選挙となった。

 ■「選挙で圧倒」空回り

 23日午後8時15分、大阪市にある大阪維新の会の党本部。カメラの放列の前に松井一郎幹事長が立った。

 「バンザイをするような選挙じゃない」と釈明していた松井氏。この日は「話し合いは大事だという声はしっかり受け止めた」と神妙に語った。

 対立する主要政党同士が争わないという異例の選挙戦は、当選者が姿を見せないまま幕を下ろした。民意が答えを出せない選挙戦だったことが背景にある。

 22日夜、同じ党本部では代表の橋下氏が所属議員を前にこう宣言していた。

 「全国から橋下バッシングが来るだろうが、たとえ投票率が0・5%でも、言ってきたことを貫き通す」

 今回の出直し大阪市長選は、大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想を進めることを狙った。橋下氏は「都構想の設計図を夏までにつくる」と宣言。反対する政党は議論の場から外すことも公約した。

 橋下氏が「ダメなら落としてほしい」と挑発し、再選されれば「粛々と手続きを進める」と強調してきたのも、圧倒的な得票が前提だった。維新幹部は選挙期間中に「都構想の住民投票の予行練習。何とか投票率を上げたい」と指摘。その頼みの投票率が上がらず、得票は伸びなかった。

 こうした結果に、大阪商工会議所の佐藤茂雄(しげたか)会頭は23日、「低い投票率を見れば、市民の支持を得たとは言えないのではないか」との談話を出した。候補者擁立を見送った自民、民主、公明、共産の4党系の大阪市議団は、橋下氏の当選確実が報じられると並んで記者会見を開催。公明党の待場康生幹事長は「投票率は30%を切っているということで、市民が市長選実施に否定的な態度を示した。大義なき選挙というのが民意だ」と主張。都構想の論議で橋下氏が主導権を握ることのないよう牽制(けんせい)した。

 橋下氏にとって厳しいのは、民意の後押しが得られなかったことだけではない。2011年の統一地方選大阪維新の会大阪府議会の過半数を確保。橋下氏が政策を進めるうえで頼りにしてきたが、維新は昨年末に府議4人を除名した。これで過半数を割った維新への切り崩しが進む。

 投開票日が目前に迫った20日。来年4月の府議選の選挙区を話し合う府議会特別委員会で、自民党会派が提案した区割り案が賛成10、反対9の賛成多数で可決された。自民、公明、民主、共産の4党に加え、除名された4人でつくる無所属の会が賛成に回った。

 公明党府議団の幹部は水面下で無所属の会議員と接触。この幹部は統一地方選での選挙支援を持ちかけたと認める。自民党府議団の花谷充愉(みつよし)幹事長は特別委での採決後、「信頼関係はできつつある」と維新包囲網の構築に自信を見せた。

 府議会での主導権を奪われた維新。来年4月の移行を目標とする都構想のハードルはさらに高まり、「スケジュールを遅らせるしかない」(維新幹部)という状況だ。

 橋下氏は選挙期間中、「いざというときには来年の府議選、大阪市議選で、みなさんに議会の構成を変えてもらう」と訴えていた。今回対決を避けた4党にも審判がくだされる統一選は1年後に迫っている。

 ■国政政党は「不戦敗」

 「大阪市民の意向を市長は虚心坦懐(きょしんたんかい)に考えるべきだ。勝ったから良いという話にはならない」

 自民党石破茂幹事長は23日午後、甲府市内で記者団にこう語り、橋下氏を突き放した。

 自民や公明、民主、共産など国政政党は今回の市長選は「大義が無い」(志位和夫共産党委員長)として候補者を擁立しない戦術を取った。市長選をしても大阪都構想に批判的な議会の構成は変わらないのに、6億円もの税金を使うことは許されない、との考えからだ。実際、選挙期間中、国会で市長選はほとんど話題に上らなかった。みんなの党渡辺喜美代表は「国政には影響が無い」と切り捨てた。

 しかし、現実は政党の勝利ではなく「不戦敗」だ。朝日新聞と朝日放送が2月に行った大阪市民世論調査では、橋下氏の出直し市長選に56%が反対した一方、それを上回る59%が、政党も「候補者を立てるべきだ」と回答していた。

 政党が戦わずして敗れた理由は「選挙をする大義がない」というだけではない。「橋下氏に勝てる候補はいない」(民主幹部)という苦しい事情もあっ た。各党が無理をして独自候補を立てたところで、橋下氏の「土俵」に乗るだけになる。そうした思惑から、各党は水面下での協議も経て「不戦敗」を選んだ。

 一方、橋下氏の人気に頼ってきた日本維新の会は、政党としての存在意義を見失いつつある。

 18日夜、国会に近い中華料理屋で、東京都知事選に出た元航空幕僚長田母神俊雄氏を、維新の石原慎太郎共同代表が慰労した。そこには石原氏以外に12人の維新の国会議員が参加。都知事選で約60万票を獲得した田母神氏を、新たな「選挙の顔」にしてすがろうとする動きだった。この会合で石原氏は、結いの党との合流について「国家観が合わないところとは一緒にやれない」と否定した。

 橋下氏を中心にまとまれない。野党再編を主導する力もない。政党として溶解の危機。維新幹部は「維新は何をすれば良いか、もう分からない」と話す。



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