(写真はハルパパさんが撮影してくれたものをお借りしてます)
アジリティーをやっているとよく、犬を興奮させて走らせてるだけとか、
待機中の犬舎の中でワンワン吠えたままで、犬は常に興奮してるとか、
だから咬みつくようになったとか、吠えるようになったとか、
逆に、コースが難しいので、犬をコントロールしすぎてまるでオビディエンスの延長だとか、
犬の本能の走りを無視して言うことを聞かせているだけだとか、いろんな誤解をされます。
興奮状態には、ただ興奮してパニックを起こしているような興奮と、
集中を伴う静かな興奮の2種類があると思うのです。
スポーツをするときや趣味を楽しむときに、気分的にはかなりの高揚感があると思うのです。
だからこそ、楽しい!!
そして、何かをしたい!と思う気持ちは人より犬の方がストレートなのかなとも思います。
犬の中には、このような興奮を怖がり、萎縮したり、時にはパニックを起こす犬もいます。
蒼太は最初のころ、アジリティー会場に行った時に、かなりのストレスを感じていたようです。
スタート地点で、マテをかけて私が離れると、バーをなぎ倒して来ちゃったり、
コースを走っていても不安で、自信のあるトンネルに入って、自分を安心させてみたり、
いろいろやってくれましたよ。。。
でも、少しづつ、ハードルを跳んだり、コースを攻略したりしていくうちに自信をつけ、
自分なりに前へ進むようになりました。
今では、指示より前に、私の身体の動きや向きで自分で判断し、前へ進んでいるようです。
高揚感と静かな興奮、集中、それが無ければアジリティーはできない。
ただ、興奮して走り回っているだけだったら、指示は通らない。
アジリティーをやったことで、吠えまくったり、咬みついたりする犬になってしまったら、
それは、興奮のボタンをかけ間違えてしまった、単なるトレーニング不足だ。
指示ばかり聞いて自己判断が無くなってしまっているなら、すでにアジリティーじゃない。
犬は人よりも速く走る生き物なのだから、自分で判断できなければ、走れない。
犬の興奮を利用し、コントロールすることで、集中を高め、
ハンドラーより前を走っても不安を感じずに、自信をもって行動できる。
そして、何よりも、人と犬が協調性と信頼を持たない限り、成立しない遊びなのだ。
今回の競技会では、私自信の判断を自信を持って蒼太に伝え、
それが必ずできると蒼太を信頼できたことで、良い結果を得ることができました。
どちらも、1日2日で自信を持てるわけでもないし、信頼できるわけでもない。
長い時間と練習を積んでやっと掴みかけたモノです。
先日、コンペで見かけたワンコさんは、1走目、まわりの興奮した雰囲気に、
コースを走ると言うよりは、興奮して走り回っていたと言う感じでした。
2走目、飼い主さんがその興奮をコントロールでき、コースを走りきることができました。
3走目、ワンコさんが飼い主さんを信頼し、指示を聞く耳を養っていました。
私は、このような普段から興奮性の強いワンコには、興奮の中でコントロールができる
と言うことが、飼い主にとって物凄い自信になると思いました。
犬に対して興奮して吠えてしまうとか、興奮して咬みついてしまうなどの興奮症の犬の場合も、
興奮状態を解除することができないから悩むわけです。
もちろん、このワンコさんも1回や2回の練習で興奮のコントロールが
できるようになったわけではありません。
練習を重ねても出口の見えないトンネルに入っているような日々が続いたと伺いました。
「やっと、光が見えた」とおっしゃってました。
私は、そのワンコさんと飼い主さんがとっても光って見えました。
犬と一緒に興奮しながら遊ぶって、本当に素晴らしい。
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