蒼太は対犬、対人への興味より、私への強い気持ちを持ってほしいと望んでいました。
仔犬の中から蒼太を選んだ理由も、仔犬として他の兄弟と遊びながらも、
常に人の存在を気にし、人の足元へ来ては何かをせがんでいる姿に、
この子だ!!と確信を持ちました。
強さや活発さばかり気になる仔犬選びですが、一緒に生活する上で、
人に付くというのは重要な部分でもあるんです。
そしてそれを伸ばすためによくした遊びは引っ張りっこ遊び。
引っ張りっこ遊びは、この人と遊ぶと楽しいを決定づけるのに有効な遊びだと思っています。
この遊びの中には、「咥えて」「引っ張って」「持ってきて」「おいで」など、
たくさんの要素が詰まっています。
「咥えて」は特に「咬みつく」という問題行動の予防としても有効だと思います。
ウチは紐のついたボールを使用しましたが、このボールのところを咬む、
咬む場所を指定して遊ぶことで、咬んでよい場所、咬んではいけない場所を教えていきます。
「咥えて!」と言って紐付きのボールに咬みつかせて、「ボールよ!」などの言葉で
ボールの部分を咥えるという意識をつけさせます。
最初は間違って、紐の部分が咥えやすいので、紐ばかりかじります。
時々、ボールの部分を咥えるので、その時はよーく褒めてあげます。
咥えないからと言って、無理に咥えさせたり、押し込むようなことはしてはいけません。
ごく仔犬の頃は、動くものを追う性質が比較的旺盛です。
この時期を利用すると上手に遊べるようになります。
少し大きくなると、全く興味を示さない子もでてきます。
欧介は、そんな子でしたが、5歳を過ぎたころから、飼い主との関係が安定してきたら、
引っ張りっこ遊びができるようになりました。
犬が紐付きボールを咥えたら軽く引く。チョンチョンと言う感じ。
あまり強く引いて犬が簡単に負けてしまうようだと、面白くないので、
力加減としては、犬が頑張れる力加減とでも言いましょうか。。。
しつけの本には、「必ず飼い主が勝つように」とか「必ず終わりは飼い主が勝って。。。」
とか書いてありますが、私は、引っ張りっこして必ず負けてあげます。
その代わり、すぐに持ってこさせてまた引っ張りっこします。
引っ張りっこで必ず自分が勝つと知っているので、もっと遊びたいと思う犬は
引っ張って欲しくて近づいてきます。
取られたくないので首を振ったりもしますが、紐の部分を上手く掴んで引っ張りながら、
「持ってきたの、偉いね~」とか、「引っ張って引っ張って~」とか声をかけながら
遊びを盛り上げます。
そして負ける(笑)
そして盛りあがったら、「また今度ね」で最後は言葉で書くと、勝って終わるわけですが、
実際には割とあっさり止める感じ。
間違って手を咬んだり、人の皮膚に歯が触れた時は、「あっ、あっ!!」とか、「痛いっ!!」
など警告音を発する感じ。
犬を押さえつけたり、ひっくり返したりしなくても大丈夫。
ちょっと犬がハッと気が付く程度でOKなので、遊びを続けながら
咬んでよい場所を咬んだら褒めるに重点を置いて繰り返す。
引っ張りっこする際に、犬が首を横に振って引っ張るようなら、
なるべく真すぐに引けるように、力加減を調節してみてください。
横に首を振るのは、力任せに奪おうとする嫌な興奮を引き起こす引き金になりやすいです。
後ろ足に体重をかけながら、後ろに引く、それが良い昂奮状態のバロメーターです。
きちんと引っ張れたらそれも十分に褒めるに値する行為です。
ボールなど咬む部分に関して言えば、犬によっては咬みが強い子と優しい子がいるので、
材質をその子に合った素材にすることも重要です。
欧介は、咬み心地にこだわるタイプで、ソフトな材質で咬むと歯が少し沈むようなものを
好みます。
蒼太は、なんでも基本的にOKですが、咬みが強いので、
硬いボールで以前犬歯が欠けてしまったことがあります。
ロープ素材でもよいと思います。
遊びの中で、「咥えて」「引っ張って」「持ってきて」「止め」「おいで」などたくさんの言葉を
話しかけながら遊んであげてください。
「スゴイね~」「つよいね~」「偉いね~」などの褒め言葉もたくさんかけてあげてください。
たくさんたくさん言葉をかけ、丁寧に聞く耳を育ててあげてくださいね。
それが訓練でありしつけでもあるのですから。