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to be with my dogs

犬と私と羊...合言葉は「自然体」

飼い主力をつける

2011年02月09日 | 日々の出来事

犬の話をする前に、前置きが長いです。

私は仕事を通じて、いろんな事を学び、いろんな事を経験し、

そして、今それが犬の教育にも役立っていると思っているから、

ちょっとお付き合いください。

 

仕事をする上で、チーム力と言うのは重要ですよね。

歯科医院では、歯科医師と歯科衛生士、歯科助手、受付と

何人もの人が、患者さんのために働いている。

この組織がチームとして正の活動をしているかどうかで、

患者さんの満足度にかかわってきます。

チーム力とは、5人の人がいて、1人100%の力を出したとして、

5人で500%ではチーム力を発揮しているとは言えないのです。

お互いの相乗効果で、それぞれが100%プラスαで始めてチームが機能するわけです。

 

一人の歯科衛生士が、一人の患者さんにかかりっきりで、丁寧に仕事をしたとします。

しかし、時間は限られているので、他の患者さんは待ちぼうけです。

かかりっきりの患者さんは大満足です。

100%の仕事ですよね。

だけど、周りのスタッフは、他の患者さんを診なければならず、

自分の患者さんを時間内に十分にみることができなかったら、

チーム力は、マイナスになってしまいます。

そこで、この100%の仕事をした歯科衛生士には、注意をしなくてはいけなくなります。

「叱る」と言うことですね。

100%頑張ったのに、叱られる。。。なんとも納得のいかない話です。

昔だったら、頭ごなしに「何やってんだ!!もう少し考えろ!」って怒られたはずです。

そして、自分で怒られた理由を一生懸命探す訳です。

でも、今、「叱られない」教育を受けてきた世代には、この叱るという行為が、

すべて納得のいかない、理不尽な行為となるわけです。

「だって、私は頑張ったのに。。。」ってなるわけです。

 

「今日は、午前中の時間帯忙しかったよね。気が付いた?」

何か言われるって思うのか、一瞬「??」って顔をします。

「〇〇さんがユニットに座ってる間に、〇人の患者さんが治療を受けて、

〇人の患者さんが時間より遅れて診察を受けたんだよね。」

「はぁ~。。。」

「〇〇さんは、すごーく感激してたし、きちんと診てもらって大満足だったよね。

でも、他の患者さんはどうかな?」

(少し考える時間を与える)

「他のスタッフも大変だったと思うよ」

(また少し考える時間を与える)

「周りを見て仕事をしないと、みんなに負担をかけることになるんだよ。」

これだけだと、受け取る側にしてみれば、厳重注意!どよ~んと凹みます。

「たとえばさ、〇〇さんに時間をかけた治療をしてあげたかったら、

次回、きちんと時間枠をとって、ゆっくりと診てあげるとかすれば、

スタッフも事情をわかってて協力できるし、他の患者さんも満足だし、良いんじゃない?」

と、時間の使い方について、アドバイスをすると、

注意された人だけでなく、みんな、時間の使い方を意識するようになる。

そして、こういう注意は、最初が肝心で、何回かこういうことが起きてから注意しても、

「なんで今まで言ってくれなかったの?」って反発するでしょ。

上手な叱り方をこちらも勉強しなくてはいけない。

「叱る」と言うのは、叱られる方も叱る方もエネルギーのいる行為だ。

 

30年くらい前から、「叱る」ことを否定的にとらえる教育方法が流行し、

今、企業でも職場でも、打たれ弱い社員が増えて問題になっている。

しかし、結果を出すためには、きちんと「叱る」ことがやはり重要だと言われ始めている。

叱る方も叱られる方も、上手に叱られたことがないから、

否定をどう相手に伝えたらいいものかわからないのだ。

そのための講習会まであるらしい。。。

 

犬の教育は、人の教育の最低でも、20年?それ以上?は遅れていると思う。

 欧介が訓練所に通い始めたころ、まわりの話を聞くと、

やはりチョークチェーンで締め上げられたなんて話しをよく聞きました。

もちろん、欧介はそんなことされませんでしたけど。。。

「有無を言わせない教育・指導」ですよね。

最近は、「叱らない教育」というのをよく耳にします。

だけどね。

やはり、人の教育と同じ道をたどるんじゃないかなって思っています。

「叱る教育」じゃなくて、「伝える・考えさせる教育」と言うものが、

主流になって行くのかな?って。

「伝える」ためには、自分をしっかり持ち、相手を説得し納得させる強さが必要です。

「考えさせる」ためには、教育する方も、される方も、気持ちの余裕が必要です。

たとえ、叱っても、相手が考えることができる気持ちの余裕を持たせてやる、

それが、その人のためになる叱りだと思います。

犬も、100%頑張って生きています。でも、それがちょっと違った方向に行ってる場合、

やはり「違う」と、きちんと否定するべきなのだ。

飼い主の思っている方向と違うということを、きちんと伝えるべきなのだ。

様子を見る?よい行動があらわれるまで、期待して待つ?

その間、無視をする?

これでは結局、先ほどの話しと同じで、

「なんで最初から言ってくれなかったんだよ。」ってことですよね。

人のいじめの中で一番つらいのは無視されることだって言われています。

犬だって飼い主の気を引こう、飼い主にわかって欲しい、そう思ってした行動が、間違っていた。

それなのに無視されたら、つらい。。。そう思うはずです。

 

「きちんと叱る」ことが、人も犬も精神的な成長と理解を促すのは、

この「伝える」「考えさせる」という行為が強く関係するからだと思います。

飼い主力のUPをそんな風に目指して欲しい。

そして、きちんと「伝える・考えさせる教育」の時代になってきてるなぁと思います。

Comments (2)
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