日本で「オレオレ詐欺」が出た時、
私、丁度帰省して、実家で寛いでいるときにかかってきましてね、
気持ち悪ぃな~と思ったんですが、
うちの弟たち、独特なイントネーションで母を呼ぶので、
すぐに詐欺だと分かったんですね。
まあでも、
ニューヨークは、いろんな人種がいるから、
「オレオレ詐欺」は通用しなくて良かったぁなんて思っていたんですが、
もっと手強かったです。
はい、今日、詐欺に騙される寸前でした。
まず、職場に電話をかけてきました。
インド訛りの強い英語を話す男から(これ、詐欺ポイント1)。
詐欺師1:「ドクター ユウコ○○ に繋いでください。」
と受付に言って、
まるでよく知ったげな感じだったらしく、
そのまま繋がれました。
電話に出ると、
詐欺師1:「ドクター ユウコ○○ですか?」
と言うので、
私:「ドクターちゃうよ。ハイジニストよ。」
と言うと、
詐欺師1:「デンティストですね?」
と言うので、
私:「ちゃうよ。ハイジニストよ。」
と言ったのですが、なんか強行突破されました。
きっと、ハイジニストが何なのか分からないんじゃない?
詐欺師1:「ライセンスナンバー、1234567で間違いないですか?」
と言うので、
私:「知らない。覚えてないけど、そんな感じじゃない?」
と言うと、
詐欺師1:「医療保険請求者番号は1234567ですね」
と言うので、
私:「知らない。覚えてない。」
と答えるも、
何で私の職業、職場、ライセンスナンバーとか知ってんだ?と、
気持ち悪くなってきました。
詐欺師1:「私は、NY州の政府関連の者です。
ペンと紙を用意して、書き留めてください。
お宅に書類が届いたかどうか分かりませんが、
あなたは深刻な事態になっていて、
訴訟になりかねません。
これからオフィサーに繋ぐので、
あなたの状況について、よく聞いてください。」
と言うので、
私:「オッケイ。」
と言って電話を切りました。
はい、切っちゃいました。
だって、患者さん横で待たせてるし、
待合に2人も待ってんだもん。
そうしたら、速攻、詐欺師が電話をかけ直してきて、
詐欺師1:「ドクター ユウコ、
あなた、今、電話を切りましたか?
何故そんなことをするんですか?
あなたのライセンスが失効するかもしれないんですよ?」
と言うので、
何で?
と思うじゃないですか?
私:「忙しいねん。とっとと繋げ。」
と言うと、
詐欺師その2が登場。
こちらはそれほどインド訛りありません。
詐欺師2:「私は政府のChief Investigator(主任調査員)で、
名前をロナルド ジョンといいます。
私の部署の内線番号は〇〇〇、
私のコードナンバーは37Lー48です。
あなたについて苦情を受けまして、
調査が必要になりました。
恐らく訴訟に発展し、ライセンスが失効する可能性もありますので、
これから説明する話をよく聞いてください。」
と言うので、
私:「今?そんな時間ないわ!かけ直して!」
と言うと、
詐欺師2:「ライセンス失効するかもしれないのに、
後回しにするんですか?」
と急かす。(詐欺ポイントその2)
私:「まだ失効してないでしょ?
患者さん待ってんの。
仕事中にかけて来るのって、非常識だと思うんだけど?」
と言うと、
詐欺師2:「分かりました。かけ直しますが、
職場の電話では話さないほうがいい内容なので、
あなたの携帯の番号を教えてください。
そちらにかけます。
(詐欺ポイントその3、個人の携帯番号を知りたがる。)
あなたのためです。
万が一、他人に聞かれたら、
きっとマズいと思います。」
詐欺師2:「オフィスの事務の者に変わるので、
彼に番号を知らせてください。」
と言って、詐欺師1に繋ぐ。
(どうせ隣同士に座ってる。)
詐欺師1:「携帯の番号は123-456-7890で間違いないですか?
何時頃が都合がよろしいですか?」
私:「13:05あたり。」
と言って、携帯番号を教えたおバカ。
詐欺師1:「それでは、その時に。」
と言って、切ろうとしたので、
私:「ちょっと待って、で、私の苦情を言ってんのは誰なの?」
と聞くと、
詐欺師1:「FDA(アメリカ食品医薬品局)です。」
私:「はぁ?FDA?FDAが何文句言ってんの?」
と言うと、
詐欺師1:「それはここでは言わないほうが。
携帯にかけ直した時に話しますので。」
と言う。
で、とりあえず切りました。
横で一部始終を見ていた私の助手が、
助手:「なんか、おかしくない?詐欺っぽくない?」
と言って、かけてきた番号、(518)474-3817を即検索すると、
NY州のThe office of the professionsという、
登録されている専門職の本物のウェブサイトが出てくる。
助手:「えっ?ユウコ、なんかした?
してないよね?なんで携帯からじゃないと話せないの?
手口が詐欺っぽいんだけど。
ドクターに聞いたほうがいいと思う。
こういう経験あるかもしれないし。」
と言うので、
お互い激務なのに、
手が空くころを見計らって、相談してみることにしました。
でもその間、頭の中はずっと、
「えっ?私、何かした?
FDA?なんで?
私が勧めた歯磨き粉や、うがい薬にアレルギー反応出た患者さんがFDAに苦情言うとか?
そんなことある?
もし、患者さんが苦情を言うなら、
直接病院にするだろうし、
もし、カルテに記入した内容が間違っているのであれば、
主任歯科医師宛に戻って来るので、
そちらから話があるだろうし、
直接FDAが、私に苦情を言うことがあるか?
ライセンス失効するほどなんでしょ?
何それ?」
と、グルグル回っていて、
仕事に集中出来やしない。
一緒に仕事をしているドクターに相談してみると、
ドクター:「何それ?なんかおかしくない?
訴訟や政府から物申される時は、
普通は病院に連絡があるし、
書類が自宅送られてくるはずだよ。
FDAって、ユウコが処方箋書いて薬バラまいてるわけでもないし、
仕事絡みだったら、先ず責任追うのは僕だと思うけどね。
13:05に電話掛けて来るんだよね?
僕も傍で聞くわ。」
となりました。
そして、13:03。
掛けてきました、私の携帯に。
個室にドクターと私。
携帯をスピーカーフォンにし、音声ボリュームMAXにしました。
詐欺師1:「ドクター ユウコで間違いありませんか?」
私:「はい。」
詐欺師1:「プライベート空間で、誰にも話しを聞かれないようにしてください。
あなたのためですから。」
私:「はい、大丈夫です。私一人です。」
詐欺師1:「では、主任調査員に繋げます。」
詐欺師2:「あなたは深刻な事態の中にいます。
このままでは訴訟は免れませんし、
もし、この事態を軽視したり、無視したりすれば、
派遣調査団が職場に押し掛けることになります。
ライセンスも失効しますし、
賠償金に罰金に、多額のお金を支払うことにもなります。」
と、他にも、もっと長々と
意味の分からないことを言ってました。
(詐欺ポイントその4、訳の分からないことをず~っと言う。)
横で聞いているドクターも、
「なんだこれ?」としかめっ面で聞いていました。
私:「で、結局、私は何が問題になってるっていうの?」
と聞くと、
詐欺師2:「あなたはメキシコ国境で違法行為を行いました。
調査団が職場に押し掛ける準備をしています。」
これで、確実に詐欺だと分かりました。
私、メキシコ国境なんて行ったこともないし
関わったこともねぇ~!
FDAちゃうんか?!
とか思っていたら、
ドクターが私の携帯を取り上げて、
詐欺師に向かって、
ドクター:「あんた、誰と話してんの?
話している相手、間違ってるよ。
僕のハイジニストに連絡取る前に、
僕に書類を送ってこいよ。
どんな訴訟か興味があるし、
調査団も是非送ってもらいたい。
楽しみだ。
なんだその変な訛った英語。
僕のハイジニストに気安く話かけんじゃねぇ~。」
と言って、ブチ切ってくれました。
僕のハイジニスト
って言ってくれた~♡
胸キュンした~♡
守ってくれた~♡
ってことで、
ドクターとの絆が深まりました。
一生このドクターに付いて仕事します。
仕事のベストパートナーになるわ、私。
そんなこんなです。
恐らく詐欺師は、
お金を払えば、訴訟を取り下げれる。
という流れに持っていこうとするんだと思います。
医療従事者を含め、国家資格持ってる人をターゲットにします。
詐欺師はインド訛りの英語を話す場合が多い。
ライセンス失効と脅されます。
怪しんだり、他人に相談したり、考えたりする時間をあたえたくないので、
とにかく急かします。
電話番号はSpoofing numberといって、
実際の組織へのなりすましが可能です。
電話番号登録も実在する番号にしてあります。
そんなこんなで、
時間は無駄になったし、
声が耳にこびりついてるし、
精神的にクソ面倒臭かった今日でした。
今度、似たような電話があったら、
なんか、ギャフンと言わせてやりたいわ~。
ともあれ、皆さん、お気をつけて!
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