Pieces of My Life♪ ニューヨーク近郊の暮らし

子育て専業主婦から脱出!ニューヨークで医療従事者しながらコロンビア大学大学院在籍。ニューヨークのお弁当も頻繁に更新中。

海外育ちっ子の文章読解

2013-07-05 | 日本語教育・バイリンガル

面白いことが分かってしまったのよ.

その発見が,子供達と一緒に勉強するのが楽しくって嵌ってしまっている理由.

8カ月間,英語はそっちのけで日本語の勉強を中心に進めてきました.そして日本でいう幼稚園年長の年齢でありながら,小学2年生の漢字を終了させ,文章読解は小学3年生が出来るようになってた.息子は聞き慣れない言葉や文章を小さな頭でイメージできる癖が定着した様子.因みに中学生の英語教科書にざっと目を通して見たけど,日本でいう中学2年の内容は普通に読み書きできる模様.

と,こんなに先へ先へと進めているとまるで私が「教育ママ」みたいなイメージに捉われてしまうかもしれないけれど,たぶん「教育ママ」とは随分かけ離れた勉強の進め方をしていると思う.だから続けられるし,私自身楽しんでいるんだと思ってる.まあ,何が楽しいかは後で話すとして….

夏休み前,アメリカ英語にも文章読解問題集があることを知り,試しに1学年上の1年生のものをやってみると,なんと日本語で鍛えていた成果がここで出た!英語が母国語の息子は,英文だと聞き慣れない単語も殆ど無く,一文一文がスキッと明確なのか,一回サラッと読んだだけですぐ状況をイメージ.求めていないのに文章を丸暗記し,どんどん答えていく.正直簡単すぎて呆気にとられるほどだった.

「日本語頑張ったら,英語が自然とできるようになる」という不思議な現象.実は聞いたことはあったけれど,私自身そんなこと経験したことがないし,もちろん半信半疑.でもどうやら本当だったみたい!!これ,残念ながら海外育ちの子に限って使える有効な勉強方法.

いや~やっぱりね,2ヶ国語同時に学ぶ子供の脳の働き方っていうか,理解力というか,記憶力というか,なんか違ってくるわ.そりゃまあ,そうか.天才とか頭が良いとかの問題ではなくて,入ってくる情報量が倍近いわけだから,その情報を脳内で整理する作業というのが自然と身に付くんだなぁというのが,5歳後半になって見えてきた.

学校生活も含め,1日の8~9割りが英語の生活をしている4~6歳の子供に対して,彼らにとっては英語よりも難しい言語である日本語で文章の読み書きを徹底させる.このとき,アメリカ(または他の英語圏の国)の学校で進む授業内容より,少々早いペースで教えていくのが重要ポイント.じゃないと効果が出ない.日本語勉強が「予習」的存在で,現地校で学ぶのが「復習」.こうすれば日本語教育に時間がかけられるから効率も良い.

これ逆だったら効率が悪いだけじゃなく,子供に相当な負担がかかると思う.現地校の勉強を親が付いて一緒に見てやり,その後日本語で真新しいことに進むのでまた一緒に見てやり,
そうこうしているうちに現地校がまた先へ進み…で追いつかなくなるのは目に見えている.

その理屈でいくと,学校が始まるのが日本より半年早いアメリカにおいて,州によってはキンダー (年長)から義務教育で日本の小学1年生の内容を既に習い始めるところもあることを考えると,アメリカに住みながら日本の文部科学省の定めた授業ペースを行うのでは,明らかについて行けなくなる,ということになる.

それに,文部科学省の定めた小学1~6年生の授業で習うことにざっと目を通してみたけれが,正直内容が「ムチャな…」と思った.学校生活に慣れるのを重視しているのか,ゆっくり進むのは小学1年生だけで,2年生後半から3年生にかけて漢字や算数の習う量が急激に増える.だから,この地点で漢字や算数があやふやだと,途端に授業について行けなくなるわけ.だいたいそれに気付く小学3~4年生辺りから塾通いし始める子供達が増えるんじゃないかしらね?日本に住む子供達にさえムチャな内容のものを,日常生活8~9割り英語の子に押し付けるのは当然無理な話.可哀想とさえ思う.

もう一つ,アメリカの小学校は10歳まで(遅生まれの子だと9歳まで).日本より2年ほど早く中学校へ進む.NYの場合は一般的に中学受験をするし(受験勉強に時間が取られる),中学に入ったら勉強や運動に忙しくなり,学校では第二カ国語としてスペイン語やら中国語を学ばされ,高校入試のためにはボランティア活動も必要になる.ということは,プラスαとして学んでいた日本語には益々費やす時間が減ってしまうということになるはずだ!と思う.となると結局,10歳(アメリカ小学校卒業時)までに日本の6年生までの漢字を終わらせるのが理想となり,そうなると文部科学省の定めたぺースの2年先を進んでいるべきということになるんだなと,私の好きな逆算方式で考えたわけ.

アメリカで育つ子は,アメリカの学習環境に合わせて日本語を学ばせないと中途半端になる可能性が高いと思う,という自論.その環境は誰が整えてやるのか?というと,親以外いないでしょ?ってこと.

で,私自身何をそんなに楽しんでいるかというと,数ヵ月前から我が子の各教科のレベルが把握できるようになったから.「日本語の漢字はこれを先に進めるけど,2年生のこの漢字はまだあやふやだと思うからここは復習.日本語文章読解はこのレベルをし,英語でのwritingはこういう内容を書かせてみる.算数の計算問題はこのレベルで,昨日あまり楽しそうにしなかったこれは,確認のためもう一度してみる.勉強の合間に疲れた手や脳をリフレッシュするためにこんなクイズをさせてみて,今朝してきたサイエンスの質問(ほぼ毎日必ずしてくる)の答えをネットまたは本で調べておく.英語の音読はこのレベルをし,日本語音読はこのレベル.で,私が読む読み聞かせの本はこのレベル.」というのが,娘と息子両方同時に常に頭の中で整理されるようになり,日々の微妙な伸びも分かるようになった.なので子供が学校にいる間に全て準備するという毎日.

これが楽しくって,私の人生,子供達の家庭教師役に徹しようと決めた.

実のところをいうと,我が子だけじゃなく,他人の子でも会って話してみたり行動を見ていると,その子の学習タイプやレベル,大いに引き出せる点が見えるようになってきたから面白い.なので本当に,子供達の秘めている能力や可能性を軽くあしらっては勿体無いですよ!と声を大にして言いたい.

面白いことに日本に帰ってきて,子供2人の勉強を見てやって欲しいと声をかけられたり,日本語学校で何ヵ月間も日本語を学んでいるのにちっとも上達しないと嘆く外国人2人(どちらも英語を話す)から,息子と一緒でいいから日本語を習わせて欲しいと頼まれたりもして,予想外の展開に苦笑いせずにはいられなかった.

人生何がどう転がるか分からないもんだわ…(汗).

息子と娘の勉強を「教育ママ」的に,「スパルタ方式」で見てやっているのではないか?と内心心配していた実母も,「あんた,向いとるわ.家庭教師か塾の講師目指され!」と言うほど.どうも性に合っているんだと思う.自分にとっても新たな発見である.

人間というのは本当に,自分の置かれた環境の中でいつも成長させられる.無駄なんて無い.そのためにはつくづく「覚悟」が必要だと思うわけで,「よし,ここでやってやろうじゃねえか!」と腹を括ってブレないことが,より明確な成果が見える近道だと私は思う.子供の置かれた環境,私の置かれた環境を見極めながら,これからも自分達のペースを築き進めてみようと思う.

実は日本語で算数を教えていると,これまた思いも寄らぬ形で役立つことがあったのよ.教えてもないのに,時計がすらすら読めるようになってて驚いた.その点はまた後ほどね….

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コメント (2)
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