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infinity

英雄の悲しき幕切れ

2006-07-12 01:35:54 | Sports
他に思い浮かぶ言葉がない。もちろん、ジダンの事である。

すべては順調だった。ひょっとしたら、3点くらい取られるのでは?との思いもあったが、フランスは何とかイタリアを押さえて、ひょっとしたら勝てるかも?と思っていた。

フランスはイタリアを追い詰めていたが、最後のピースが足りなかった。あと1点を取るためには、魔法が必要だった。それでなければ、青い壁は壊せないほど強固なものだった。その魔法をかけれる唯一の選手がジダンだった。

そのジダンが延長の後半、遂に壁を崩しにいった。実はジダンは強烈にヘディングが強い。完璧なパスに、完璧なヘディング、完全な魔法だった。あれ以上、何を望めばいいの?あれを止めたブッフォンに対して、ただひたすら敬意を払った。8年前なら、間違いなく入っていたシュートだ。8年後、時が残酷なのか、相手が悪かったのか、とにかく時は取り戻せなかった。だが、それでもよかった。ジダンが魅せてくれた魔法に、ずっと僕は酔っていたのだから。

いつもフランスでは勝てないと思っていた。スペインに勝てるなんて夢にも思っていなかった。だが、そこからジダンは突如、伝説を再開させた。神話をもう一度、奏で始めた。ジダンとともに、スペシャルな守備が機能しだした。マケレレ、ビィエラが芸術的な守備を見せだした。このジダンが魅せる、大人のチーム、インテリジェンス溢れるゲームに、ただただ酔っていた。ああ、サッカーて数学みたいにエレガントで、綺麗なんだ~って。

だが、これはギフトだった。だから、どっかで夢が終わると思ったし、このままジダンのW杯で終わってしまっては、美しいけど8年の時をどう説明したらいいのか?とも思った。ブッフォンの奇跡的なセーブは、ジダンのかけた最後の魔法以上に、現実とはリアルなんだと思わせるのに充分だった。だから、俺はブッフォンを心の底から讃えた。

そこで終わっていれば全てがハッピーだった。PKでどちらが勝とうが、もう充分だった。だが、そこからが悪夢だった。マテラッツィとジダンの間に何が起こったかは、ジダンが真相を語るまでは分からないだろう。そして、僕は多分ジダンに同情する。だが、どんなに同情しても、真相が分かったとして、どんなにマテラッツィがひどい事を言っていたとしても、それで世界中のみんなが同情し、理解したとしても、もうジダンに名誉挽回する機会がないんだ。そして、ジダン自身の傷が癒える事はない。あんな形で自身のサッカー人生を終わらせなければいけなかった事に対して。

ジダンはきっとプレーに集中しすぎていたんだと思う。これが自身の最後の試合で、W杯の決勝だってのすら忘れていたのかもしれない。ただひたすら、目の前の敵を、壁を崩すのに、全身全霊かけて、それだけに集中していたのだと思う。だから、マテラッツィに過剰に反応してしまったんだろう。一瞬でもこれが最後のゲームだ、決勝だと頭によぎれば、あの行為はとめられたと思う。それすらないほど、集中してたのだ。そうだ、せめてそう思いたい。


中田引退

2006-07-04 02:22:38 | Sports
世の中、中田引退に対するブログや意見で満ち溢れているんだろうな。と思う。そうと分かっていても、書かずにはいられない。

中田のHPを読んで、本当に美しい文章だと思った。惚れ惚れした。思わず引退という事すら忘れてしまったくらいだ。「旅先の路地で、草むらで、小さなグラウンドで、誰かと言葉を交わす代わりにボールを蹴るだろう。子供の頃の瑞々しい気持ちを持って――。」無駄な解説はいらないよね。

惜しむべきは、中田に楽しくゲームをさせてあげたかった。中田が楽しそうにプレーしていたのは、パスを出しているときで、FWがそのパスをゴールした時、中田は本当に楽しそうだった。もう、何年もそんな姿を見ていない気がする。いまさら言ってもしょうがないけど、大黒はやっぱり中田のスルーパスを決めてほしかったよ(爆)。だってさ、あれが一番最後の、中田らしいスルーパス、キラーパスになっちゃったんだから(爆)。

いや、違うな。楽しそうにプレーする中田を見たかったんだな。俺が。力と経験とリーダーシップを兼ね備え、監督にも全権委任された中田が楽しそうにグランドを走り回る姿が見たかったんだ。こいつら、すげえじゃんと驚きながら、でも俺はこんなことも出来るんだぜと、対等に1対1の勝負を楽しんで攻撃する、そんなワクワクするサッカーを中田を中心としたチームで観たかったんだ。

もうそれを観ることが二度と出来ないと思うと、ただただ悲しい。もう一度だけでいいから、真剣勝負で、中田が楽しそうにプレーする姿を観てみたかった。そして、中田の意図を汲んだFWが、思いを込めたパスを受けて、ゴールするシーンを見てみたかった。美しいんだけど、でもちょっと悲しい引退だと思う。

やはり中田について

2006-06-30 01:08:22 | Sports
ようやく仕事に一段落したかな。今回は色々収穫があったので、もう少ししたら反省してみたいと思う。その間、ワールドカップがあって、日本代表はすっかり負けてしまったけど、皆様いかがお過ごしでしたか?(爆)。

もうとっくに議論されつくされてしまったであろう、日本サッカーについて、いまさらながらの感想を。いや、中田についてだな。

何で日本代表は崩壊してしまったんだろう?とずっと思っていた。それは、ブラジル戦で中田だけがもう走れないとピッチに倒れこんでしまった時に決定的だったと思う。中田がロングシュートばかり練習しだしたのも、自分で決めるしかないと思い込んだ結果の行動だったと思うし、この時点でチームへの信頼感がなくなっていた感もあった。だから、僕は中田を一人にしないでほしい。と書いた。

僕は中田が大好きだが、同時にもう傑出した才能ではないとも思っている。昔のようなパスは出せてなかったし、今回の大会でもそれほど調子がいいとは思わなかった。でも、中田はひたすら走ったし、声を出したし、ゲームで王であり続けた。普段より運動量の少なかった中村をカバーし、DFにも献身的にまわり、体を張り続けた。昔の中田が今の中田をみたらどう思うんだろう?と思ったりもする。でも、ドイツ戦では昔を彷彿とさせるスルーパスを大黒に出したので、ひょっとしたら復活するのかも?とも思っていた。(これは10番の中田として復活するということである。)

今回の大会については、中田は復活は出来なかったと思う。けど、最大限にひたすら努力して、走りつくしたのも中田だけだったし、間違いなくプレーの上ではチームの中心あり続けた。何かは欠けてしまったが、間違いなく世界レベルのプレイヤーであり、一人諦めていなかった。

この中田と周りとの距離が理解できないのだ。そこに寂しさを感じるのだ。戦いの舞台で、一人だけ本気になって戦っている。回りはその激しさについていけない。触れないようにしていた。当然、中田の性格的な問題もあるのだと思う。だが、チームは同じベクトルに向かって、相乗効果を発揮できたときにのみ、道は開ける。一人だけでは勝てない。中村だけでも勝てないし、中田だけでも勝てない。まして、日本のように弱いチームでは、その効果が絶対に必要だ。前回は自国開催という大きなアドバンテージがあった。今回は何もなかった。それどころか、まとまってすらいなかった。

中田とカズの対談で、カズが中田に対して、ヒデがみんなのところに降りていくしかないじゃん。と言っていた。ドイツ戦の後、中田はチームを褒め、みんなのパスの輪に加わったりしていた。それがマルタ戦で一気に崩壊してしまう。中田が激怒してしまったからだ。走れないとサッカーにすらならないと。もう後は自分のコンディションを高めるだけだと。ある意味、チームへの決別宣言だともとれる。

何で中田がそんなに怒ったのか?それは、中田はこのチームと選手を高く評価していたからだと思う。なのになんで、これだけしか出来ないのだ?と。普通の力を出せないのは、おかしいじゃないか。と。自分を信じる、ただそれだけでいいのに、何で慌てるんだ?何も出来なくなるんだ?と。戦いに来ているのに、仲良くしている場合じゃないだろう。勝つためにどうしなければいけないのか?そのために、自分は何をしなければいけないのか?もう分かるだろう?。それが何でこんな結果になるんだ?ドイツ戦で戦えて、なぜマルタ戦では出来ないんだ?と。

なぜ、みんな力があるのに、それが出せないんだ?と。何でもっと自分を信用しないんだ?チームを信用しないんだ?と。常々メンタリティーの問題だと言っていた。ひょっとしたら、俺より力のあるやつが、何で出来ないんだ?とすら思っていたかもしれない。そこが歯がゆくてしょうがなかったんだと思う。じゃあ、もう自分しかいない。自分がやるしかないと。それがチームとの距離を生んだのであれば、悲劇的だと思う。戦う前に負けてるではないか。

ブラジル戦の後、中田は泣いていた。俺の心を激しく打った。中田は何を闘っていたのだろう?それを思うと、俺もまた泣けてきた。

日本には中田がいる!

2006-06-14 00:34:14 | Sports
オーストラリアに完膚なきまでの敗退。

何もかもが崩壊した日本、もうぼろぼろ。

しかし、このチームには中田がいる。中村がいる。

俺は、この二人を信じて最後まで応援する。

いつも、最後に頼りになるのは中田だった。

みんな、中田を信じよう。そして、何より他の選手が中田を信じて、ついていってほしい。一人じゃサッカーはできないんだ。

シール

2006-06-07 00:47:19 | Sports
日曜日にバージンでたまたまシールのDVDを見つけて、値段も確認しないまま買ってしまった。6000円弱かな。オーケストラとのコラボで、ドイツでのライブを収録したもの。かなりよかった。大分前に、パリでのライブを収録したDVDを買って、最近はまっていただけにすごいタイミング。忙しいので、かなり生活が研ぎ澄まされてくる。無駄な事を一切省くと、ブログを書く時間や、テレビを見る時間がまずしょっぴかれる。そういう時は、より本や音楽を体が欲するので、朝の目覚ましテレビも、小倉さんのズラの調子を確認する時間を、それらにあてる事になっている。これを読んでるシールファンのあなた、ぜひ買ってちょ(爆)。仕事がひと段落ついたら、これ聞きながらどっかで飲みたいね~。
シールが日本にきたら、絶対観にいくのにな~と思う今日このごろ。もっとも、ヨーロッパ好きで、なおかつロンドン大好きな俺としては、全然向こうに行ってもいいんだけどね。

ドイツ戦

2006-05-31 07:01:19 | Sports
いつも通り6:00に起きたら、日本対ドイツの後半がやってた。面白かったんだけど、やっぱ勝ちきれないな~。この辺りの勝負弱さが気になるところです。サッカーはよく分からないのを前提として、疑問点が。何でジーコはフォワードばっかり変えるんだろう?選手交代が下手な監督のような気がする。あと、異様に玉田好きだな。大黒は、中田からのキラーパス、ヘッドのどちらかは決めてちょ。高原は素晴らしいですな。勝負できるフォワード。柳沢も頑張ってたな~と思った。うん、チームの力になるフォワードかな。DFは宮本がやっぱり弱点になるだろうと思った。ドロドロのパワープレー、汚いプレーになったとき、狙うのは宮本の低さ、弱さだろうからね。この後半戦を見る限り、問題は攻撃よりも守備かもね。

後半からだけど、面白かったです。でも、やっぱり勝たないと。この辺の勝ち癖があるか、ないかはW杯という戦争では大きいと思うな~。でも、W杯が楽しみになってきた。

亀田とTBS

2006-05-09 00:47:54 | Sports
マスコミはいつでもスターを作り上げないといけないのだろうか?いくらなんでもやりすぎでしょ?と思ってしまう。一方で、イーグル京和の試合はイーグル京和がマヨール降し防衛 ミニマム級素晴らしかった。だけど、深夜放送だった。史上最強の挑戦者と言われるマヨール相手に左目をカットする圧倒的に不利な展開の中、中盤から持ち直し、最終ランドではダウンを奪う鮮やかな逆転劇。素晴らしい試合だったよ。僕はこういう純粋にいい試合をゴールデンとかで観たいな~。不利な状況でも諦めない闘志、折れない心が伝わってくると思うよ。

松坂の被本塁打率

2006-03-23 19:05:07 | Sports
さくっと調べてみた。


松坂
年度 被本塁打 投球回数 被本塁打率
1999   14    180     0.700
2000   12    168     0.643
2001   27    241     1.008
2002   13     74     1.581
2003   13    195     0.600
2004    7    146     0.432
2005   13    215     0.544
通算   99    1219      0.731

比較材料として、上原を調べてみると

上原
1999   12    198     0.545
2000   20    131     1.374
2001   18    139     1.165
2002   18    204     0.794
2003   26    207     1.130
2004   24    183     1.180
2005   24    182     1.187
通算   142    1244     1.027

セ・パを代表するエースの二人。少なくとも松坂のほうが被本塁打率は低いかな~。ただ、そもそも被本塁打率の平均がどれくらいかも分からないし、この二人がどう位置づけされるのかも調べないと分からないね~。


日本リベンジ!

2006-03-19 17:00:54 | Sports
まずは、よかった!

しかし、思ったよりずっと韓国はいいチームだった。何しろ守備が非常に上手い。選手のスケールがでかい。とにかく、ミスをしたら負けるような気がして最後まで全然気が抜けなかった。

日本は何より上原が頑張った。素晴らしいピッチングだったと思う。国際試合20試合負けなしと神がかり的だけど、今日もその強さが発揮された。とにかくリズムがいいし、ストレートは切れてるし、フォークのコントロールも素晴らしい。スライダーまで投げていた!乗っていたね~。完全にゲームをコントロール出来てた。攻撃が詰めの甘さでなかなか点と取れない中、ゲームの流れを一人で手繰り寄せてた。あれだけ投手が頑張れば、野手は奮闘すると思う。

韓国は僕が想像しているより遥かにいいチームだった。大味な野球をイメージしてたけど、守備がとてもうまく、攻撃もあまりボールを振らない。ただ、惜しむべきは2番手投手だったジョン・ビョンドゥを早々に変えてしまった事かな。

ジョン・ビョンドゥは初めてみたけど、かなりいい投手だったと思う。巨人の林をスケールでかくして、スピードも速くしてコントロールもよくした感じ。正直、そんな低目がストライク?と思ったのもあったけど、それがストライク取られている限り、この左投手はなかなか攻略できないと思った。

が、7回で松中が追い込まれながらヒットを打つとあっさり変えてしまった。とても大きなヒットだと思った。だって、投手交代し、次に出てきたのは右サイドの速球派キム・ビョンヒョンだから。うる覚えなんだけど、ワールドシリーズで打たれた抑え投手だったような気が・・・。前の投手よりは遥かに可能性があると思った。アンダースローで緩急がない投手は結構打ちやすいと思います。で、多村選手はバンドミスをして、結局三振してしまう。これはかなり痛いと思った。多村選手は表情がかなりよかった。冷静に熱くなってた。でも、出たサインがバンド。バンドが苦手な多村はミスをして、結局三振してしまう。ベンチの采配とプレイヤーがずれてしまった気がした。が、次の代打が福留選手。嫌な流れを完全に吹き飛ばすホームランだった。痺れました。その後、里崎が3点目を取り、宮本が4点目、イチローが5点目を取った。ほぼ決まったかな?その後、8回に多村のホームランで1点追加して、6-0で逃げ切った。

正直、キム・ビョンヒョンが出てくるまでなかなか点を取れる気がしなかった。で、日本チームは結構ミスをしていると思った。当然、流れは韓国に行きかけるのだが、それを上原は必死に手繰り寄せてた。素晴らしかった。人の心をうつピッチングだった。エースだった。

勝てて非常に嬉しい。でも、やはり韓国と3回も戦ってしまったのはおかしい事だ。韓国だったら納得いかないと思う。3回目に負けたからって、韓国が日本より弱いわけではない と。それは正論だと思う。これは完全にWBC側の問題だろうな~。そして、兵役免除が既に決まってしまったから、モチベーションが下がったという論も出るかもしれない。でも、それはほっとうこう。日本チームはそもそもそんな事でモチベーションは左右されていないのだから。やはりちょっとひっかかるんだよね~。何だろう?この気持ちの悪さは。(試合前にアメリカの国歌を聞いたからかな~?何でアメリカの国歌を聞かないといけないんだろう?と思ったのは俺だけ?国際試合では常識なのかな・・・)


WBC(続き)

2006-03-18 01:11:21 | Sports
メキシコのホームランは何故か2塁打になってたね。あの無茶苦茶な審判はWBC自体の質をさげている。世界一を決めようという大会に、審判がマイナー級というのは、やっぱりいただけない。だが、大会の重みは、そこでいくつもの死闘が繰り広げられ、ミラクルが生まれ、人々が感動する事によって重ねられるのだ。言い換えれば、まだ作られた第1回の大会。何の歴史もない。ひょっとしたら、次はないかもしれない。そこでアメリカがすべきだったのは、自国の試合に自国の審判ばかりを使うのではなく、アメリカの最高の質をもつ審判にジャッジさせて、ゲームの品格を高めることだったのだ。これこそ、世界一を決める誇るべき大会だと。アメリカが自らそれを汚してしまった。それは非常に残念な事だ。

さて、これは書いておかなければいけない。なぜテレビで見るに耐えられなかったかを。それは、韓国の選手がマウンドに旗を立てていたからだ。俺には絶対に許せない行為だ。

投手は誰にも汚されていないマウンドに登ることを死ぬほど憧れる。そこに足跡をつけるとき、微かな誇りと大きな決意をもってマウンドに向かう。マウンドは投手にとって、神聖な場所だ。それはどのレベルの野球でも変らない。草野球だろうが、リトルリーグだろうが、メジャーリーグだろうが。リリーフ投手が最後に綺麗なマウンドに登ってみたいというのは、当然の心境なのだ。

その神聖な聖地に国旗を立てるというのは、とてつもなく醜く、エゴな行為ではないか?勝負には勝ち負けがつく。しょうがない。闘いだから。が、負けた相手に礼を尽くさないのは、日本人の美学に反すると俺は思う。誇るべき日本の文化だ。美学だ。が、韓国は目の前で、打ちひしがれている日本に、これみそがしに自国の国旗を、マウンドにたてたのだ。こんな信じられない行為があるか?

野球はチームとチームが闘う。が、投手にとっては、相手投手との戦いという面もある。よく相手が松坂だったから、先にマウンドを降りたくなかったというコメントを聞く。それは対チームではなく、対投手としてゲームを戦っている証拠だろう。そして、ピッチャーにはそのエゴが許させる。

その投手にとって、マウンドは共有すべき戦場なのだ。日本の投手にとっても、韓国の投手にとっても、共通の場所なのだ。美しい、礼儀正しい投手は、回の交代時に相手投手のために、マウンドをならしてからおりる。戦いながらも、礼を尽くしている。尊敬の念がある。素晴らしいじゃないか。そういう側面にも、人間性が大きく出てくる。また、そういう密かなエールの交換をしあった投手同士には、不思議な共感が生まれるのだ。それは、全てマウンドを通して行われているのである。

が、韓国がしたのは、そのマウンドに旗をたてたのだ。旗を立てるという行為は、征服を意味する。たとえば、登頂した時に旗を立てる。南極点、北極点に到達した時も旗をたてたはずだ。自然の大困難に人間が打ち勝った証といってもいいだろう。(旗を立てないと登頂した証にならない という消極的な動機はここでは排除する。テレビをみれば、韓国が勝った事は誰しもが分かっていることなのだ。山頂へは、証拠を残さないと登った、登ってないの水掛論になりかねない面もある)

イチローが何に対して怒ったのかは分からないが、おれはこの行為だと思っている。こんなに屈辱的な事はない。と。イチローは高校の時、投手だった。そして、とても道具を大事にする選手でもある。当然、マウンドに対する思いは人一倍だと思う。だから、あの怒りになったのではないか。死闘を尽くした結果が、相手に対する敬意ではなく、もしくは友情に近い思いではなく、自国の旗をマウンドに立てるという信じがたいエゴスティックな行為で示した韓国に、負けてはいかんのだ。強ければいいというのではない。日本と韓国の差は正直ないかもしれない。だが、日本は日本の野球美・野球道を示すためにも、負けてはいかんのだ。そして、韓国に勝ったとき、狂喜乱舞するのではなく、韓国を讃えて欲しい。それが、死力を尽くして戦った相手に対する礼だと思うのだ。

勢いで書きすぎてしまった。とにかく、日曜日が楽しみだ。