昨夜の車内。40歳ぐらいだろうか。
若すぎず、かといって中年と言うにはまだ若い、そんな男女が座っていた。
その年齢にしては珍しく手をつないで、むしろ、ただそおっと重ねあって座っていた。
控えめ。会話はあった。仲がよいことが、隣にたまたま居合わせた自分にも、よく伝わった。
ある駅で女性が降りた。電車はすぐに出発しなかった。女性は電車の外で発車を待った。
男も立ち上がり、ドアのところで発車を待った。
出発するまでは視線を合わせなかった。
ふたりとも意識はお互いに向かっているが、視線は違う方向に向いていた。
ドアが閉まり、電車が出発した。
二人が笑みを浮かべて手を振り合った。
すぐに女性は見えなくなった。
車窓にはただまっくらな景色が広がるだけになった。
その男は、すぐに席に戻るのも気恥ずかしいのか、
がらがらの車内で、そのままドアのそばに立ったまま、真っ暗な外を眺めていた。
窓ガラスに映る自分自身の顔を見ながら何を思っていたのだろう。
こういう年の取り方が出来て、こういう恋がいつまでも出来たらすばらしいんだろうなあと、同じ車両に居合わせた自分は人ごとのように思い、ほんの少しこころが温まった。
適温。
さあ、2011年。
若すぎず、かといって中年と言うにはまだ若い、そんな男女が座っていた。
その年齢にしては珍しく手をつないで、むしろ、ただそおっと重ねあって座っていた。
控えめ。会話はあった。仲がよいことが、隣にたまたま居合わせた自分にも、よく伝わった。
ある駅で女性が降りた。電車はすぐに出発しなかった。女性は電車の外で発車を待った。
男も立ち上がり、ドアのところで発車を待った。
出発するまでは視線を合わせなかった。
ふたりとも意識はお互いに向かっているが、視線は違う方向に向いていた。
ドアが閉まり、電車が出発した。
二人が笑みを浮かべて手を振り合った。
すぐに女性は見えなくなった。
車窓にはただまっくらな景色が広がるだけになった。
その男は、すぐに席に戻るのも気恥ずかしいのか、
がらがらの車内で、そのままドアのそばに立ったまま、真っ暗な外を眺めていた。
窓ガラスに映る自分自身の顔を見ながら何を思っていたのだろう。
こういう年の取り方が出来て、こういう恋がいつまでも出来たらすばらしいんだろうなあと、同じ車両に居合わせた自分は人ごとのように思い、ほんの少しこころが温まった。
適温。
さあ、2011年。
うん。繊細ですよ。
繊細すぎて他の人の気持ちを考えすぎて、たまに損をします。
もっと鈍感になって押しが強くなりたいです。
が、そんな簡単に性格は変わらないので、このまま生きていきます。