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減酒薬の日本P3、数年内に上市へ

2015-03-04 22:58:53 | 医療と介護
ルンドベック、自社販売体制の構築も検討

化学工業日報 2015年3月2日(月) 配信

 デンマーク製薬企業で中枢神経領域(CNS)トップ企業であるルンドベックは日本で事業を本格化させる。日本で大塚製薬と共同開発している減酒薬「ナルメフェン(一般名)」で2月に第3相臨床試験(P3)を開始した。武田薬品工業との共同開発品で、日本でP3段階にある大うつ病治療薬「ボルチオキセチン(一般名)」と合わせ、数年内に日本市場での上市を目指す。これらの開発品の製品化にあわせ、日本で自社販売体制を構築することも検討する。
 2月に日本でP3を開始したナルメフェンは、アルコール依存症向けの頓用薬。酒を飲みたくなったときに服用すると、中枢神経のオピオイド受容体を拮抗し、飲みたくなる欲求を抑える。入院による断酒や抗酒剤の使用といった従来手法に変わる治療法の確立につながると期待されている。すでに欧州では「セリンクロ」の製品名で販売している。
 ルンドベックはナルメフェンの日本での開発費を負担しているほか、共同販促権利を有している。
 武田薬品とは、ボルチオキセチンの日米共同開発・販売契約を締結している。多重作用型の新規抗うつ剤で不安障害や行動的影響に関与する複数のセロトニン(5-HT)受容体に作用するほか、セロトニン輸送体阻害の働きを備える。米国では大うつ病の適応で今年1月に上市している。
 日本でも大うつ病の適応症で現在P3段階にあり、米国と同様にルンドベックは承認後の共同販促権利を持っている。
 ルンドベック・ジャパンのマス・ダルスゴー社長は「今後の提携先との交渉にもよるが、自社開発品については国内で自社MR(医薬情報担当者)を採用し、販促活動を提携先と協力して進めていきたい」と述べ、日本での自社販売機能の設置を検討していることを明らかにした。
 また、日本法人にビジネス開発部門も新たに設置し、日本のベンチャーやアカデミアのシーズ導入活動にも乗り出している。
 ルンドベックは日本企業との提携業務を目的に2001年に日本法人を設立。現在、日本で上市している薬剤は、提携先の持田製薬が販売している抗うつ剤「レクサプロ」(一般名・エスシタロプラムシュウ酸塩)のみで、日本での売り上げは50億円程度。

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