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医療改革法案を閣議決定 

2015-03-04 22:56:38 | 医療と介護
会社員、公務員の負担増 食事代や大病院受診も

共同通信社 2015年3月3日(火) 配信
 政府は3日、国民に広く負担を求める医療保険制度改革の関連法案を閣議決定した。75歳以上の医療を支えるため大企業社員や公務員の負担を増やす「総報酬割」を2017年度に全面的に導入。入院時の食事代を引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合に5千~1万円の定額負担を求めることも盛り込んだ。
 市町村が運営する国民健康保険(国保)は、18年度に都道府県に移管する。政府は今国会での成立を目指す。
 75歳以上の医療費は本人負担を除き、約4割を現役世代が支援金として拠出している。総報酬割は、支援金の計算方法の一つで、所得に応じて負担する仕組み。現行では、健康保険組合などの医療保険ごとに3分の2を加入者数に応じて分担し、3分の1を総報酬割で分担している。この総報酬割の部分を15年度に2分の1、16年度に3分の2と順次拡大。17年度からは全て総報酬割にする。所得の高い会社員や公務員は負担増となる。
 厚生労働省は、全面導入で公費が約2400億円浮くと試算。うち1700億円は赤字体質が続く国保に投入する。また、一部は全面導入で負担増となる健保組合などの支援に充てる。
 入院時の食事代は現在260円。16年度に360円、18年度に460円に上げる。大病院受診時の定額負担は16年度から始める。
 国保の移管後は、都道府県が財政の安定化や医療の効率化に中心的な役割を果たす。市町村は都道府県が示した目安を参考に保険料率を決め、引き続き保険料徴収や健康づくりの事業も担う。
 このほか、保険診療と保険外の自由診療を併用する「患者申出療養」を16年度に創設、中小企業の従業員らが加入する協会けんぽへの国庫補助率は16・4%を維持する。
 ※総報酬割
 75歳以上の医療費を賄うため、現役世代が払う支援金の計算方法の一つ。所得に応じて負担する仕組みで、給与が高い人が加入する健康保険組合や公務員の共済組合といった公的医療保険ほど負担額が増える。支援金は医療保険ごとに、加入者数に応じて負担するのが原則だったが、負担能力に見合うよう2010年度から支援金の3分の1に総報酬割を導入した。全面導入した場合、厚生労働省の推計では健保組合全体で計1500億円、共済組合全体で計1千億円の負担が増す。中小企業従業員らの協会けんぽは2400億円の負担減となる。

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